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異世界人だああ!
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私たちセチア王国騎士団は、昨夜神の山で見られた謎の発光の原因を調査するため、少数精鋭で霊峰に足を踏み入れた。
あたりは静かで、異変は感じられない。
だが!その時である!
団員のグリーンが謎の生命体を発見したのだ!
我々は、警戒しながら近づいた。
だが、相手にも気づかれてしまった。
「おっ、おい!!」
思わず、叫ぶ。
ずんぐりむっくりした黄色の体。
目は昆虫の目のようで、一つしかない。
耳もない。鼻もない。
黒目だけの瞳に見つめられ、様子を窺っていると、その生命体の背後―――――
見慣れない、平な灰色の壁。
そう、これは『未知との遭遇』か。
私の叫びに、謎の生命体はこちらを見据えて首を傾げた。
「言葉が分かるのか?お前は何者だ!」
「俺は須藤嵐。怪しい者じゃないです。」
「シュドー=ラン???」
生命体の背後の壁についた頑丈そうな扉が開き、色とりどりの奇妙な光があたりを照らす。
どこからか、聞いたこともない珍妙な音楽も流れて。
光を背に『生命体』は頭を脱いだ。
黄色は衣類で、頭も装備類だったらしい。
「夕べ、別の世界からこちらへ来ました。よろしくお願いします。」
汗で貼りついた黒髪。
肌の色は白く、上気して頬は桃色に染まり、ピンク色の唇はぷるんとして。
鼻の形はいい。
鼻の頭はこぶりで、低すぎず高すぎず。
黒い瞳にそれを縁取る黒い睫毛が華やかに顔を印象付ける。
きゅん。
私は異世界人であろう彼に恋をしてしまったらしい。
あたりは静かで、異変は感じられない。
だが!その時である!
団員のグリーンが謎の生命体を発見したのだ!
我々は、警戒しながら近づいた。
だが、相手にも気づかれてしまった。
「おっ、おい!!」
思わず、叫ぶ。
ずんぐりむっくりした黄色の体。
目は昆虫の目のようで、一つしかない。
耳もない。鼻もない。
黒目だけの瞳に見つめられ、様子を窺っていると、その生命体の背後―――――
見慣れない、平な灰色の壁。
そう、これは『未知との遭遇』か。
私の叫びに、謎の生命体はこちらを見据えて首を傾げた。
「言葉が分かるのか?お前は何者だ!」
「俺は須藤嵐。怪しい者じゃないです。」
「シュドー=ラン???」
生命体の背後の壁についた頑丈そうな扉が開き、色とりどりの奇妙な光があたりを照らす。
どこからか、聞いたこともない珍妙な音楽も流れて。
光を背に『生命体』は頭を脱いだ。
黄色は衣類で、頭も装備類だったらしい。
「夕べ、別の世界からこちらへ来ました。よろしくお願いします。」
汗で貼りついた黒髪。
肌の色は白く、上気して頬は桃色に染まり、ピンク色の唇はぷるんとして。
鼻の形はいい。
鼻の頭はこぶりで、低すぎず高すぎず。
黒い瞳にそれを縁取る黒い睫毛が華やかに顔を印象付ける。
きゅん。
私は異世界人であろう彼に恋をしてしまったらしい。
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