可愛いアルファ（仮）は僕のオメガ

兄が『大人』になって帰って来た

こんばんは。北村空です。


兄の誕生日の次の日は土曜日で。

土曜日の夕方に兄はお相手のアルさんに車で送られて帰って来た。

有名政治家の息子だけど、自分でバイトして買ったらしい車は普通の自家用車で好感は持てる。

アルさんは堅実なんだよな。

半分計算だろうけど。


こーいうところがオメガの親にも受けがいいんだろうなぁ。
立ち回りというか参考になります。


「陸兄さんおかえり～。じいじとグランパから誕プレ届いてたよ。部屋に置いといたから。」


「…………うん。」


「氷室さん、今度日本でも公開される映画のプロモで帰国するってさ。そしたら海兄さんしばらく氷室さんとホテル泊まるって。」


「……………うん。」




上の空だなぁ。



「大がかりなプロモだから、番宣のあとパーティあるってよ。海兄さんはもちろんだし、番宣番組のMCはアルさんの兄さんの番のコ、鹿島葵だから、僕たちもついでに呼ばれてるからね。もちろんアルさんも！」


「わ、わかった！！」


アルさんの名前出したとたんにこっち見たね。わかりやす。

「来週の土曜日だから、母さんが正装を明日、居間に出しといてって。特急クリーニング出すらしいから。じゃ、もう少しで夕飯だから暫く部屋で休んどきなよ。」


「わ、わかった！」



兄の右手の薬指にリング。

右手をちらちら眺めながら、ぼーっと兄は部屋のある２階に上っていった。



「誕プレに婚約指輪もらったのかな。兄さんみたいなタイプでもやっぱ指輪は嬉しいんだな。僕も僕の恵にプレゼントしよっと。」