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オオワシ王国に向けて
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オオワシ王国は風の国。
山岳地帯にある。
切り立った崖と赤い岩肌が目立つ。
崖崩れが心配になるから、魔法でちょっと補強しておいてあげよう。
急に大雨なんかきたら、土砂崩れが心配。
乾いた空気で水分が欲しい。
途中でコブラみたいな大きな蛇のモンスターが出たから、駆除してアイテムボックスに保存しておく。
まずは冒険者ギルドにご挨拶かな。
女神が言った聖女になるべき女の子はどこにいるんだろう。
「あんたバカね!本当、使えないんだからっ!私があんたの代わりに王太子の婚約者になったから嫌がらせしてんの!?」
「きゃあ!」
パアン、と平手打ちされて、小柄な少女は吹き飛んだ。
「私は王太子の婚約者よ?アンドレ様の瞳の色の赤いドレスがいいわけ!なのになんで青いドレスなんか用意するのよ!青は第二王子の色でしょ!」
「も、申し訳っ」
「あと、私の代わりにアンドレ様に渡す刺繍は終わってるんでしょうね!」
「えっ………」
「あんたまた聞いてなかったの!徹夜してでも仕上げなさいよ!」
屋根裏部屋に少女は向かい、暗い部屋の中で刺繍を始める。
少女は赤と青の区別が分からない。
聴力も生まれつき弱かった。
彼女の名前は、オリーブ=モスグリーン。
オオワシ王国のモスグリーン公爵家の一人娘だった。
父が娶った後添えとその連れ子は、父が亡くなった途端に牙を剥いた。
出来損ないの令嬢。
婚約者もあっさりオリーブを捨てた。
「ふぉう。」
屋根裏部屋に遊びにくるオオワシの子どもが、オリーブの友だち。
「ありがとう。ハピネス。あなたは私を慰めてくれるのね。でも大丈夫よ。世界には私よりもっとたいへんな想いをしている人がいるわ。」
皆が今日も一日幸せでありますように。
窓から彼女は今日も願う。
山岳地帯にある。
切り立った崖と赤い岩肌が目立つ。
崖崩れが心配になるから、魔法でちょっと補強しておいてあげよう。
急に大雨なんかきたら、土砂崩れが心配。
乾いた空気で水分が欲しい。
途中でコブラみたいな大きな蛇のモンスターが出たから、駆除してアイテムボックスに保存しておく。
まずは冒険者ギルドにご挨拶かな。
女神が言った聖女になるべき女の子はどこにいるんだろう。
「あんたバカね!本当、使えないんだからっ!私があんたの代わりに王太子の婚約者になったから嫌がらせしてんの!?」
「きゃあ!」
パアン、と平手打ちされて、小柄な少女は吹き飛んだ。
「私は王太子の婚約者よ?アンドレ様の瞳の色の赤いドレスがいいわけ!なのになんで青いドレスなんか用意するのよ!青は第二王子の色でしょ!」
「も、申し訳っ」
「あと、私の代わりにアンドレ様に渡す刺繍は終わってるんでしょうね!」
「えっ………」
「あんたまた聞いてなかったの!徹夜してでも仕上げなさいよ!」
屋根裏部屋に少女は向かい、暗い部屋の中で刺繍を始める。
少女は赤と青の区別が分からない。
聴力も生まれつき弱かった。
彼女の名前は、オリーブ=モスグリーン。
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父が娶った後添えとその連れ子は、父が亡くなった途端に牙を剥いた。
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婚約者もあっさりオリーブを捨てた。
「ふぉう。」
屋根裏部屋に遊びにくるオオワシの子どもが、オリーブの友だち。
「ありがとう。ハピネス。あなたは私を慰めてくれるのね。でも大丈夫よ。世界には私よりもっとたいへんな想いをしている人がいるわ。」
皆が今日も一日幸せでありますように。
窓から彼女は今日も願う。
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