【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

終章 魔王と勇者

報告

「リチャード様、マシュー様。ありがとうございます。」

報告を受けて、真梨恵は緊張を緩めた。


「無事、保護できたか。」
盛高社長も胸をなでおろす。


「警視総監リチャードから、事情聴取したら、家へ送るって。医師マシューからは、もう悪さできないよう、ちょん切るからって。」


「その方がいいよ。でも、あの人どうなるの？小山圭太。」
杏は気になるらしい。


「あの子は、味方になってくれたからな。全力で私が守るとも。」

将来、家で雇ってもいい。






「あの!アホボンがあ!　裏切りやがって！」
留置所でくだを巻く。

「城島。来い。」

チッ。

取り調べ室に呼び出され、圭太以外全員が捕まり、組が解散になったことを聞かされ、城島は怒りに囚われた。

(ムショを出たら、復讐してやる。)


だが、取り調べ室を出た時、彼の中には復讐心はなかった。



「ボン…。俺たちのためにっ。それなのに俺たちはっ。」


ボンは、あの人妻が要人の妻であると気づき、横恋慕をやめ、組のことを考えて、止めようとしてくださっていたのだ。

それなのに、俺たちは！

それに、組長は、男色家でこれまでも組の若い衆を毒牙にかけ、邪魔になると罪を擦り付けて、服役させてきていた。

その中には、かつて自分が慕っていた兄貴分もいた。


ボンは、あの組長の魔の手からも俺たちを救うため、父親のちんこを潰したのだ。

ああ、ありがたや!


『心を入れ替えれば、種田財閥で面倒を見てくださるそうだよ。(監視下に置いた方が安心だから)』


ああ、ありがたや!


一生、ボンについていきます!!






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リチャードは、マキシミリアン陛下の時の騎士団長で、アンジュの父親です。
マシューは、スノーフォレストの最後の王族で、研究者であり、医師であった人です。