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兄の物語[113]惜しまず使うべき
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「ちゃちゃっと見つけちまいたいな!!」
二度目の探索時の朝、今日も元気に朝から朝食をモリモリと食べるバルガス。
「そうね。早く発見して、終わらせられるのに越したことはないわ。とはいえ、バジリスク以外の魔物にも注意しなければなさそうだけど」
「? なんかそういう話を耳にしたんか?」
「元々バジリスクは流れの魔物らしいのよ。それを考えると、この辺りで一番有名だった魔物が今だけは息を潜めている可能性があるのよ」
ペトラの情報共有を聞き、リーダーであるクライレット、そしてカルディアも同意するように頷く。
「魔物だったら、野性むき出しバチバチに戦り合うもんだろ」
「この虎と同意見ね~~。そんな軟弱なモンスターとかいる?」
「解りやすい例だと、通常種のゴブリンやスライムとかが軟弱の部類に入ると思うのだけど」
「…………」
本能的にペトラの言葉に反論してしまったジェリスだが、思考力と情報力を持つペトラにあっさりと返されてしまい、黙るしかなかった。
「話を戻すわ。確かに、ランク的に……もしくは実力的にはバジリスクと釣り合っている魔物が居たとしても、本能的に石化という能力に恐怖を感じる筈よ」
「あぁ~~~……なるほど、な。人間ですら結構困ってるのに、魔物が困らないはずねぇか」
「そういう事よ。毒に関しては耐性を持っている魔物もいるでしょう。魔物の回復力を考えれば、そのまま治すことも出来るかもしれない。けど、石化っていう状態異常は、根本的から毒とかとは違うのよ」
「ペトラの言う通りだぜ。食らえば、その体が石になっちまう。感触が無くなって、まるで自分の体じゃねぇみたいに感じる……らしいぜ」
「魔物からしたら、本当に混乱してしまう状態異常でしょうね」
自然界には魔物だけではなく、食べられるが毒が含まれている果実。
そして果実だけではなく毒草、毒花などがある。
元からそういった知識がなかったとしても、生きていく中で近づかない方が良い、これは食えないといった毒といった存在を認識するようになる。
だが、触れれば石化してしまう花や草、果実は基本的に存在せず、そういった超特殊な鉱石なども存在しない。
加えて、石化という状態異常攻撃を使用する魔物も非常に少ない。
「つまり、この街に到着する前に予想してた、バジリスクを討伐した後に、別の魔物が襲撃してくる可能性がそこそこあるってわけだな」
「理解が速いじゃない、バルガス。そういうことだから、バジリスクを討伐することが最優先ではあるけれど、何人かは奇襲に対応出来るように魔力を温存しておいた方が良いでしょうね」
「バジリスク相手に魔力を温存か~~……それって、ちょっとリスクがある感じだよね」
昇格試験に合格する為に討伐するBランク魔物。
当然、絶対に勝つ闘志は既に備わっており、イメージもある程度出来ている。
しかし……決して楽に勝てる相手ではない。
「そうなると、俺がある程度調整するべきだな」
「わ、私も上手く調節して、無駄に魔力を消費しない様にするね」
「二人ともありがとう」
クライレット、バルガス、メリル、ジェリスの四人は前衛として戦わなければならない。
四人もいるとはいえ、そう簡単に余裕をつくることは出来ない。
だが、後衛であるカルディアとミシェルは魔法をメインに使う後衛であるため、魔力の消費量は多いが、それでも前衛四人と比べて安全に魔力を回復出来るタイミングが多い。
「……やっぱり、私もそうすべきよね」
「いや、ペトラはバジリスクの妨害に魔力も惜しまず使うべきだ。前衛組の実力を疑っている訳ではないが、一人でも石化すれば、必ず隙が生まれる。それを妨害し続けるには、魔力も集中力も惜しまず使った方が良い」
「俺もカルディアと同じだな。余裕をもって動ける奴が大いに越したことはねぇが、それでバジリスクの討伐をしくったら元も子もねぇだろ」
「…………そうですね」
改めて、諸々の攻め方などが決まった。
後はバジリスクと遭遇し勝利を掴み……邪魔者がいれば、纏めて叩き潰すだけである。
二度目の探索時の朝、今日も元気に朝から朝食をモリモリと食べるバルガス。
「そうね。早く発見して、終わらせられるのに越したことはないわ。とはいえ、バジリスク以外の魔物にも注意しなければなさそうだけど」
「? なんかそういう話を耳にしたんか?」
「元々バジリスクは流れの魔物らしいのよ。それを考えると、この辺りで一番有名だった魔物が今だけは息を潜めている可能性があるのよ」
ペトラの情報共有を聞き、リーダーであるクライレット、そしてカルディアも同意するように頷く。
「魔物だったら、野性むき出しバチバチに戦り合うもんだろ」
「この虎と同意見ね~~。そんな軟弱なモンスターとかいる?」
「解りやすい例だと、通常種のゴブリンやスライムとかが軟弱の部類に入ると思うのだけど」
「…………」
本能的にペトラの言葉に反論してしまったジェリスだが、思考力と情報力を持つペトラにあっさりと返されてしまい、黙るしかなかった。
「話を戻すわ。確かに、ランク的に……もしくは実力的にはバジリスクと釣り合っている魔物が居たとしても、本能的に石化という能力に恐怖を感じる筈よ」
「あぁ~~~……なるほど、な。人間ですら結構困ってるのに、魔物が困らないはずねぇか」
「そういう事よ。毒に関しては耐性を持っている魔物もいるでしょう。魔物の回復力を考えれば、そのまま治すことも出来るかもしれない。けど、石化っていう状態異常は、根本的から毒とかとは違うのよ」
「ペトラの言う通りだぜ。食らえば、その体が石になっちまう。感触が無くなって、まるで自分の体じゃねぇみたいに感じる……らしいぜ」
「魔物からしたら、本当に混乱してしまう状態異常でしょうね」
自然界には魔物だけではなく、食べられるが毒が含まれている果実。
そして果実だけではなく毒草、毒花などがある。
元からそういった知識がなかったとしても、生きていく中で近づかない方が良い、これは食えないといった毒といった存在を認識するようになる。
だが、触れれば石化してしまう花や草、果実は基本的に存在せず、そういった超特殊な鉱石なども存在しない。
加えて、石化という状態異常攻撃を使用する魔物も非常に少ない。
「つまり、この街に到着する前に予想してた、バジリスクを討伐した後に、別の魔物が襲撃してくる可能性がそこそこあるってわけだな」
「理解が速いじゃない、バルガス。そういうことだから、バジリスクを討伐することが最優先ではあるけれど、何人かは奇襲に対応出来るように魔力を温存しておいた方が良いでしょうね」
「バジリスク相手に魔力を温存か~~……それって、ちょっとリスクがある感じだよね」
昇格試験に合格する為に討伐するBランク魔物。
当然、絶対に勝つ闘志は既に備わっており、イメージもある程度出来ている。
しかし……決して楽に勝てる相手ではない。
「そうなると、俺がある程度調整するべきだな」
「わ、私も上手く調節して、無駄に魔力を消費しない様にするね」
「二人ともありがとう」
クライレット、バルガス、メリル、ジェリスの四人は前衛として戦わなければならない。
四人もいるとはいえ、そう簡単に余裕をつくることは出来ない。
だが、後衛であるカルディアとミシェルは魔法をメインに使う後衛であるため、魔力の消費量は多いが、それでも前衛四人と比べて安全に魔力を回復出来るタイミングが多い。
「……やっぱり、私もそうすべきよね」
「いや、ペトラはバジリスクの妨害に魔力も惜しまず使うべきだ。前衛組の実力を疑っている訳ではないが、一人でも石化すれば、必ず隙が生まれる。それを妨害し続けるには、魔力も集中力も惜しまず使った方が良い」
「俺もカルディアと同じだな。余裕をもって動ける奴が大いに越したことはねぇが、それでバジリスクの討伐をしくったら元も子もねぇだろ」
「…………そうですね」
改めて、諸々の攻め方などが決まった。
後はバジリスクと遭遇し勝利を掴み……邪魔者がいれば、纏めて叩き潰すだけである。
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