冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

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少年期[944]優れた者たちであっても

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「こ、これは……も、もしかしなくても……」

「実際に戦ったんで、当然と言えば当然なんですけどね。一応証拠は見せないと駄目だと思ったんで」

ゼルートがアイテムバッグの中から取り出した素材は……ウォータードラゴンとフォーシックタートルの一部。

全てを出せば個室が埋まってしまうので、取り出したのは牙と甲羅。

「しょ、少々お待ちください!!!」

職員はダッシュで部屋から飛び出し……ダッシュで戻ってきた。
そして鑑定の効果が付与されたモノクルで確認。

「ほ、本物……」

「はは! 流石に偽物を出したりしませんよ」

「こ、これは失礼しました」

見た目故に忘れられることが多いが……ゼルートが持つ爵位は男爵。
男爵家の令息ではなく、男爵なのであろう。

普通に考えれば、失礼な発言をしてしまうと罰せられてもおかしくない。

「なんなら、他のボスの素材も出しましょうか」

そう言って取り出した物は、ダイドシャークとヴィールクラブの素材。

「こ、こちらも……本当に、ダイドシャークと、ヴィールクラブ……」

職員が先程の発言を忘れて驚いてしまうのも無理はない。

上手くいけば……定期的にこれらの素材が手に入る。
確定ではないが、そうなれば自分たちの給料が上がってもおかしくない!!! という欲望が湧き出るのも致し方ない。

「まっ、そもそもダンジョンの中に入るまでが大変っすけどね。出来る限り陸地から移動したとしても……本当に運が良ければ、海中で魔物に襲われずに済むかって感じですから」

「そ、そうでしたね」

稀に出現する凶悪な魔物や、ボス部屋に出現する魔物を倒すのが困難なのではない。

まずダンジョンの中に入るまでに困難が待っている。
完全に一般的なダンジョンと違うことを思い出し、職員はハッとした表情になり……頭の中で浮かんでいた楽しいイメージが霧散。

通常のダンジョンと違い、ダンジョン周辺まで冒険者やその他の挑戦者たちが無事に入れるように整備することが出来ない。

「それと個人的な感想ですが、フォーシックタートルの防御力は異常でした」

「ッ……ゼルートさんたちで、た……倒せたんです、よね」

「えぇ、倒せましたよ。自分とルウナ、それとラルで倒すことが出来ました」

結果として、たった三人だけで倒した。
それを聞いてホッと一安心……出来るほど頭はぱっぱらぱーではない。

「……その戦闘内容について、詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか」

「勿論ですよ」

正直……腹が減ってきた。
がっつり飯を食べたい。
パーティーメンバーたちが今、思いっきり美味い料理を食べていると思うと、余計に腹が減る。

しかし、今はそれよりも自分たちが得た知識を誰かに伝えたい。
そういった欲が食欲よりも勝っていた。

(………………ボス部屋内の環境が、魔物に適しているのは当たり前。でも、これは……)

フォーシックタートルとの戦闘時、ゼルートから自分は標的をなるべく海中に潜らせない様にサポートを行った。

職員は冒険者の友人がおり、海での……水中での戦闘がどれだけ大変なのかを、人から聞いた話ではあるが、知っていた。
それもあって、ゼルートが行ったサポートがどれだけ重要な事なのか、嫌でも解る。

「上から目線かもしれませんが、例え魔物との戦闘に優れた冒険者たちであっても、それなりに縛りがある状況で戦い慣れていないと、数分程度で殺される可能性があります」

「いえいえ、覇王戦鬼の大事なアドバイスで。しっかりと書き残させていただきます」

職員は非常に真剣な表情で……本当にゼルートから渡された地図の端っこに、そのアドバイス内容を記した。

(……頼むから、そんな真剣な表情でその二つ名を口にしないでくれ)

本人にその気がなく、寧ろ尊敬の意すら籠っていたとしても、本人からすれば恥ずかしいことこの上ない。
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