922 / 1,390
九百二十話 爆散
しおりを挟む
「ッ!!!!!! ギィイイイイイイェアアアアアアアアアアア」
黒色ハーピィが、ファルがうっかり零してしまった失笑に反応してしまい、怒りに感情を支配された。
このタイミングで、ファルも魔力も惜しまず攻撃を放ち始めた。
「っ!!! ジッ!!! ギィアアアアア゛ア゛ッ!!!!!」
まさかの反応に、少しだけ焦りかけるも、黒色ハーピィは圧されることなく、怒りに身を任せた攻撃を連続で放つ。
ファルはなるべく自分から攻撃を仕掛け、意識を自分だけに仕向ける、
相変わらず、黒色ハーピィが放つ遠距離攻撃が明後日の方向に放たれた場合、ソルたちが危ない。
だからこそ、自分だけに攻撃が仕向けられるように動く。
「…………」
「ッ!!!! ギィィイイイイイイェエエエエエエッ!!!!!」
先程よりも攻撃の数、威力は増した。
にもかかわらず、ファルの表情は先程までと関わらず、いたって冷静なまま。
そんな余裕とも取れる表情が、更に黒色ハーピィの怒りを爆発させ……今回は翼や脚の爪からではなく、口からブレスを放った。
ブレスという攻撃は、風を放つハーピィたちの中でも、扱える者は滅多にいない。
その珍しさを考えれば、黒色ハーピィはハーピィの中でも才能がある個体と言える。
しかし……ブレスに関しては、ストームファルコンであるファルにとって、そう珍しい攻撃ではない。
自分も扱える攻撃であり、黒色ハーピィが隠し持っている切り札がブレスだと予想していたということもあって、ファルは放たれる前兆を冷静に確認し……自身も同じくブレスを放ち、激突。
一方の属性は風単体、もう一方の属性は闇と風の複合属性。
そこだけを見れば、複合属性のブレスの方が火力が高いように思われる。
実際、その通りではある。
ただ……それは、両者がブレスという攻撃に関して、どれだけ慣れている。そこが同じであればの話。
結果、ブレスの練度に関してはファルの方が高く、両者のブレスが激突した結果……相殺という形で終わった。
「ッ!!!!!!」
そうなるだろうという結果まで読んでいたファルは自身のブレスと黒色ハーピィのブレスが相殺された瞬間、爆風に紛れて急降下。
そして直ぐに急上昇し、黒色ハーピィの背後を取った。
例え本来持つ筈のない属性を手に入れたとしても、防御力まで上がる訳ではない。
ファルの爪撃がぶちかまされれば……どう足掻いても、黒色ハーピィには致命傷となる。
そう…………間違いなく、それは戦いを決める致命傷となる。
だが、その瞬間、黒色ハーピィは嗤いながら振り返った。
「キィイイェアアアッ!!!!!!」
振り返った黒色ハーピィは、自身の脚を振り回した。
同じ爪撃を放ち、ファルの風爪を相殺させる……のが目的ではなかった。
闇竜から闇の力を授かり、全身に闇の力が馴染んだハーピィ。
この個体が手にした力は……闇の力だけではなかった。
振り返り、ファルに向かって放たれた爪には、闇ではなく毒が纏われた。
確かにブレスも黒色ハーピィが隠し持っていた切り札ではあるが、切り札は一人一つまで……なんていうルールはない。
爪に纏われた毒は、魔力を大量に消費する代わりに、即死はしないが……即効性のある麻痺毒。
魔力を殆ど使用してしまったとしても、それでも動けなくなれば、ファルの頭を潰す、もしくは首や心臓を破壊することは難しくない。
決まった……私の勝ちだ……最後に嗤うのは、私だ……お前じゃなく、この私なのだ。
そう言いたげな笑みを浮かべる黒色ハーピィ。
「っ!!!!!?????」
だが、毒を纏った爪撃は……ファルの爪撃にぶつかることはなかった。
「…………」
確かに、ファルは爪撃をぶつけようと考えていた。
自分の攻撃力なら、黒色ハーピィを仕留めることが出来る、それは間違いない。
しかし、黒色ハーピィの背後を取った瞬間、振り向くタイミング……そこに、焦りを全く感じなかった。
『予想が合てっていたようだな』
切り札は一人一つとは限らない。
それは、主人の友人を見ていれば、嫌と言うほど解かる。
だからこそ、ファルはブレス以外にももう一つ……翼か、爪。そこに何かしらの手札があると考えていた。
そこに、背後という最悪の死角に回り込まれたにもかかわらず、焦りを全く感じなかったという点がピースとなり、ファルは万が一に備えていたもう片方の足に止めていた風を放出。
何十メートルも移動できるような突風ではない。
ただ、一メートルほど動くには、それで十分だった。
「ギべっ!!!!????」
約一メートルの上昇。
それだけで、黒色ハーピィの真上を取れる。
ファルはその頭を掴み……翼で仰ぎ、急降下。
空中で戦っていたとはいえ、それは洞窟内での話。
上昇できる高さは限られており、ファルの加速力があれば……ほんの一瞬で地面は訪れる。
まだ自由に動かせる爪で抉る? それとも翼から大量の鋭い羽を放つ? もしくは、自爆覚悟で闇風のブレスを放つか。
「…………クルルルゥ」
そんな突破案を考える間もなく、黒色ハーピィは頭から地面に激突。
ファルに頭を抑えられていたため、運良く助かる……なんて奇跡は起きることなく、頭部は見事に爆散した。
「ッ!!!!!」
ホッと一安心……したのも束の間、まだ戦闘は終っていない。
そんな現実を思い出させる寒感がファルを襲った。
黒色ハーピィが、ファルがうっかり零してしまった失笑に反応してしまい、怒りに感情を支配された。
このタイミングで、ファルも魔力も惜しまず攻撃を放ち始めた。
「っ!!! ジッ!!! ギィアアアアア゛ア゛ッ!!!!!」
まさかの反応に、少しだけ焦りかけるも、黒色ハーピィは圧されることなく、怒りに身を任せた攻撃を連続で放つ。
ファルはなるべく自分から攻撃を仕掛け、意識を自分だけに仕向ける、
相変わらず、黒色ハーピィが放つ遠距離攻撃が明後日の方向に放たれた場合、ソルたちが危ない。
だからこそ、自分だけに攻撃が仕向けられるように動く。
「…………」
「ッ!!!! ギィィイイイイイイェエエエエエエッ!!!!!」
先程よりも攻撃の数、威力は増した。
にもかかわらず、ファルの表情は先程までと関わらず、いたって冷静なまま。
そんな余裕とも取れる表情が、更に黒色ハーピィの怒りを爆発させ……今回は翼や脚の爪からではなく、口からブレスを放った。
ブレスという攻撃は、風を放つハーピィたちの中でも、扱える者は滅多にいない。
その珍しさを考えれば、黒色ハーピィはハーピィの中でも才能がある個体と言える。
しかし……ブレスに関しては、ストームファルコンであるファルにとって、そう珍しい攻撃ではない。
自分も扱える攻撃であり、黒色ハーピィが隠し持っている切り札がブレスだと予想していたということもあって、ファルは放たれる前兆を冷静に確認し……自身も同じくブレスを放ち、激突。
一方の属性は風単体、もう一方の属性は闇と風の複合属性。
そこだけを見れば、複合属性のブレスの方が火力が高いように思われる。
実際、その通りではある。
ただ……それは、両者がブレスという攻撃に関して、どれだけ慣れている。そこが同じであればの話。
結果、ブレスの練度に関してはファルの方が高く、両者のブレスが激突した結果……相殺という形で終わった。
「ッ!!!!!!」
そうなるだろうという結果まで読んでいたファルは自身のブレスと黒色ハーピィのブレスが相殺された瞬間、爆風に紛れて急降下。
そして直ぐに急上昇し、黒色ハーピィの背後を取った。
例え本来持つ筈のない属性を手に入れたとしても、防御力まで上がる訳ではない。
ファルの爪撃がぶちかまされれば……どう足掻いても、黒色ハーピィには致命傷となる。
そう…………間違いなく、それは戦いを決める致命傷となる。
だが、その瞬間、黒色ハーピィは嗤いながら振り返った。
「キィイイェアアアッ!!!!!!」
振り返った黒色ハーピィは、自身の脚を振り回した。
同じ爪撃を放ち、ファルの風爪を相殺させる……のが目的ではなかった。
闇竜から闇の力を授かり、全身に闇の力が馴染んだハーピィ。
この個体が手にした力は……闇の力だけではなかった。
振り返り、ファルに向かって放たれた爪には、闇ではなく毒が纏われた。
確かにブレスも黒色ハーピィが隠し持っていた切り札ではあるが、切り札は一人一つまで……なんていうルールはない。
爪に纏われた毒は、魔力を大量に消費する代わりに、即死はしないが……即効性のある麻痺毒。
魔力を殆ど使用してしまったとしても、それでも動けなくなれば、ファルの頭を潰す、もしくは首や心臓を破壊することは難しくない。
決まった……私の勝ちだ……最後に嗤うのは、私だ……お前じゃなく、この私なのだ。
そう言いたげな笑みを浮かべる黒色ハーピィ。
「っ!!!!!?????」
だが、毒を纏った爪撃は……ファルの爪撃にぶつかることはなかった。
「…………」
確かに、ファルは爪撃をぶつけようと考えていた。
自分の攻撃力なら、黒色ハーピィを仕留めることが出来る、それは間違いない。
しかし、黒色ハーピィの背後を取った瞬間、振り向くタイミング……そこに、焦りを全く感じなかった。
『予想が合てっていたようだな』
切り札は一人一つとは限らない。
それは、主人の友人を見ていれば、嫌と言うほど解かる。
だからこそ、ファルはブレス以外にももう一つ……翼か、爪。そこに何かしらの手札があると考えていた。
そこに、背後という最悪の死角に回り込まれたにもかかわらず、焦りを全く感じなかったという点がピースとなり、ファルは万が一に備えていたもう片方の足に止めていた風を放出。
何十メートルも移動できるような突風ではない。
ただ、一メートルほど動くには、それで十分だった。
「ギべっ!!!!????」
約一メートルの上昇。
それだけで、黒色ハーピィの真上を取れる。
ファルはその頭を掴み……翼で仰ぎ、急降下。
空中で戦っていたとはいえ、それは洞窟内での話。
上昇できる高さは限られており、ファルの加速力があれば……ほんの一瞬で地面は訪れる。
まだ自由に動かせる爪で抉る? それとも翼から大量の鋭い羽を放つ? もしくは、自爆覚悟で闇風のブレスを放つか。
「…………クルルルゥ」
そんな突破案を考える間もなく、黒色ハーピィは頭から地面に激突。
ファルに頭を抑えられていたため、運良く助かる……なんて奇跡は起きることなく、頭部は見事に爆散した。
「ッ!!!!!」
ホッと一安心……したのも束の間、まだ戦闘は終っていない。
そんな現実を思い出させる寒感がファルを襲った。
563
あなたにおすすめの小説
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
玉の輿を狙う妹から「邪魔しないで!」と言われているので学業に没頭していたら、王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
王立学園四年生のリーリャには、一学年下の妹アーシャがいる。
昔から王子様との結婚を夢見ていたアーシャは自分磨きに余念がない可愛いらしい娘で、六年生である第一王子リュカリウスを狙っているらしい。
入学当時から、「私が王子と結婚するんだからね!お姉ちゃんは邪魔しないで!」と言われていたリーリャは学業に専念していた。
その甲斐あってか学年首位となったある日。
「君のことが好きだから」…まさかの告白!
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
妹から私の旦那様と結ばれたと手紙が来ましたが、人違いだったようです
今川幸乃
恋愛
ハワード公爵家の長女クララは半年ほど前にガイラー公爵家の長男アドルフと結婚した。
が、優しく穏やかな性格で領主としての才能もあるアドルフは女性から大人気でクララの妹レイチェルも彼と結ばれたクララをしきりにうらやんでいた。
アドルフが領地に次期当主としての勉強をしに帰ったとき、突然クララにレイチェルから「アドルフと結ばれた」と手紙が来る。
だが、レイチェルは知らなかった。
ガイラー公爵家には冷酷非道で女癖が悪く勘当された、アドルフと瓜二つの長男がいたことを。
※短め。
行き遅れ令嬢の婚約者は王子様!?案の定、妹が寄越せと言ってきました。はあ?(゚Д゚)
リオール
恋愛
父の代わりに公爵家の影となって支え続けてるアデラは、恋愛をしてる暇もなかった。その結果、18歳になっても未だ結婚の「け」の字もなく。婚約者さえも居ない日々を送っていた。
そんなある日。参加した夜会にて彼と出会ったのだ。
運命の出会い。初恋。
そんな彼が、実は王子様だと分かって──!?
え、私と婚約!?行き遅れ同士仲良くしようって……えええ、本気ですか!?
──と驚いたけど、なんやかんやで溺愛されてます。
そうして幸せな日々を送ってたら、やって来ましたよ妹が。父親に甘やかされ、好き放題我が儘し放題で生きてきた妹は私に言うのだった。
婚約者を譲れ?可愛い自分の方がお似合いだ?
・・・はああああ!?(゚Д゚)
===========
全37話、執筆済み。
五万字越えてしまったのですが、1話1話は短いので短編としておきます。
最初はギャグ多め。だんだんシリアスです。
18歳で行き遅れ?と思われるかも知れませんが、そういう世界観なので。深く考えないでください(^_^;)
感想欄はオープンにしてますが、多忙につきお返事できません。ご容赦ください<(_ _)>
何でも奪っていく妹が森まで押しかけてきた ~今更私の言ったことを理解しても、もう遅い~
秋鷺 照
ファンタジー
「お姉さま、それちょうだい!」
妹のアリアにそう言われ奪われ続け、果ては婚約者まで奪われたロメリアは、首でも吊ろうかと思いながら森の奥深くへ歩いて行く。そうしてたどり着いてしまった森の深層には屋敷があった。
ロメリアは屋敷の主に見初められ、捕らえられてしまう。
どうやって逃げ出そう……悩んでいるところに、妹が押しかけてきた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる