スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

文字の大きさ
644 / 1,390

六百四十三話 そういう関係ではない

しおりを挟む
「なるほど……それは盲点って感じね」

「そうだろ。おそらく、あのダンジョンに足りないピースだと思うんだ」

アラッドから伝えられた内容に、ガルーレは面白そうな笑みを浮かべながらも、伝えられた内容に対してかなり納得していた。

「そうね。半ダンジョン化した場所の特性? を考えると、確かに現状ではそこが足りないと言えなくもないわね」

「リバディス鉱山の大きさを考えると、妙に何かが足りないなと思ってな」

何が足りないのか……二人の話を聞いていたバーテンダーでさえ、アラッドが考え付いた内容に対して思わずなるほど! といった感情が顔に出た。

「でも、そう考えると…………やっぱりまた時間がって話になりそうね」

「それはそうかもしれないが、何年もという時間にはならないと思うぞ。半ダンジョン化の特性? を考えれば、数か月以内には現れるかもしれない」

「それじゃあ……とりあえず、後二か月ぐらいを目安に探索してみる?」

「そうだな。それだけ探しても発見出来なかったら、正直ギブアップだ」

この後、二人はまだまだ盛り上がりながら互いに五杯以上のカクテルを飲み干し、既に潰れているスティームを背負って宿へと戻った。

そしてそれから二十日後……アラッドは主に鉱石の採掘を楽しみながら過ごしていた。
半分とはいえ、それでもダンジョン化した鉱山。

探せばレアな鉱石が手に入る手に入る。
比較的強いモンスターが多く徘徊しているエリアであっても、クロたちが楽しく蹴散らしてくれるため、アラッドはモンスターの襲撃を気にせず集中して採掘が出来る。

「おほっ!!! ミスリルじゃねぇか!!!!」

こうしてレアどころか、スーパーレアな鉱石まで採掘することができ、キャバリオンといった独自のマジックアイテムを製作するアラッドとしては非常に楽しい日々が続いていた。

「ご満悦だね、アラッド」

休息時、まだ残っていた轟炎竜の焼肉を食べながら腹を満たしていた三人。

「まだ何かをイメージはないが、それでも高品質な素材はあって困ることはないからな」

「それもそうだね。それに、ミスリルなら……フローレンスさん専用のキャバリオンを造るのにピッタリの素材だもんね」

「うげっ…………まぁ、そりゃそうかもな」

「フローレンス? フローレンスって…………アラッドが大会の決勝戦で戦った、あのフローレンス・カルロスト?」

ガルーレの言葉に、二人そろって首を縦に動かした。

「…………………………えっ、二人ってもしかしてそういう関係だったの?」

頭をフル回転させた結果、そういう結論に至ったガルーレ。
しかし、その答えに対してアラッドは……猛烈に嫌そうな顔をしながらハッキリ違うと答えた。

「そういうもクソも関係無い間柄だ」

「えっ、じゃあなんで大会の決勝で戦った相手にキャバリオンを? もしかして普通に依頼されただけ?」

「別に依頼はされてないぞ」

「…………………………えっ、じゃあなんで?」

もう一度あまり良くない頭をフル回転させるが、それらしい答えが全く浮かばなかった。

「……あれだ、木竜が消えた一件は知ってるんだろ」

「もち、知ってるよ」

「それにな、アルバース王国じゃない連中が関わってたんだよ」

「…………い゛……ま、マジで?」

あまり頭は良くないが、察する能力は高いガルーレ。

「もしかしたら面倒な事態に発展するかもしれない。そうなると、フローレンスの奴も参加するだろうから……その時になれば、必要かもしれないと考えてるだけだ」

「はぁ……そんな事もあったのね」

「あまり言いふらさないでくれると助かる」

親しくなった人物ということもあってポロっと口にしてしまったが、あまりほいほい一般的な冒険者に伝えて良い内容ではない。

「ほいほい、任せといて。アラッドたちと敵対とか、ぜ~~~ったいに嫌だし」

「ふふ、そう言ってくれると嬉しいよ」

「にしても……やっぱり、アラッドは何だかんだでそのフローレンスさんの事を認めてるんだね」

「……それは、どういう事だ?」

気に入らない、という訳ではないが、何故ガルーレがそう思ったのかは気になるところ。

「だって、アラッドって多分だけど、普通の人って言うか……強くて常識が欠けてない人を嫌いになることはないでしょ」

あまり詳しくフローレンス・カルロストという人物を知らないガルーレだが、人格者ではあると勝手に思っており……それは決して間違えてはいなかった。

「でも、そのフローレンスさんの事について話すとき、かなり嫌そうな顔になるじゃん」

「だろうな」

「それって、フローレンスさんの事を認めてるのと一緒じゃない」

「…………………………他の奴らとは違う意識は持ってるかもな」

ちょっと良く解らないが、とりあえず珍しい感情を持つ相手ということは本人も自覚している。

「でしょでしょ。それってやっぱり珍しいな~~って思って」

「アラッドが嫌いながらも認めてる人って……確かにフローレンスさん以外はいないかもね」

「…………」

弟であるドラングは嫌ってはいないため、色々と否定出来なかったアラッドだった。
しおりを挟む
感想 483

あなたにおすすめの小説

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

側妃ですか!? ありがとうございます!!

Ryo-k
ファンタジー
『側妃制度』 それは陛下のためにある制度では決してなかった。 ではだれのためにあるのか…… 「――ありがとうございます!!」

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

玉の輿を狙う妹から「邪魔しないで!」と言われているので学業に没頭していたら、王子から求婚されました

歌龍吟伶
恋愛
王立学園四年生のリーリャには、一学年下の妹アーシャがいる。 昔から王子様との結婚を夢見ていたアーシャは自分磨きに余念がない可愛いらしい娘で、六年生である第一王子リュカリウスを狙っているらしい。 入学当時から、「私が王子と結婚するんだからね!お姉ちゃんは邪魔しないで!」と言われていたリーリャは学業に専念していた。 その甲斐あってか学年首位となったある日。 「君のことが好きだから」…まさかの告白!

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

妹から私の旦那様と結ばれたと手紙が来ましたが、人違いだったようです

今川幸乃
恋愛
ハワード公爵家の長女クララは半年ほど前にガイラー公爵家の長男アドルフと結婚した。 が、優しく穏やかな性格で領主としての才能もあるアドルフは女性から大人気でクララの妹レイチェルも彼と結ばれたクララをしきりにうらやんでいた。 アドルフが領地に次期当主としての勉強をしに帰ったとき、突然クララにレイチェルから「アドルフと結ばれた」と手紙が来る。 だが、レイチェルは知らなかった。 ガイラー公爵家には冷酷非道で女癖が悪く勘当された、アドルフと瓜二つの長男がいたことを。 ※短め。

行き遅れ令嬢の婚約者は王子様!?案の定、妹が寄越せと言ってきました。はあ?(゚Д゚)

リオール
恋愛
父の代わりに公爵家の影となって支え続けてるアデラは、恋愛をしてる暇もなかった。その結果、18歳になっても未だ結婚の「け」の字もなく。婚約者さえも居ない日々を送っていた。 そんなある日。参加した夜会にて彼と出会ったのだ。 運命の出会い。初恋。 そんな彼が、実は王子様だと分かって──!? え、私と婚約!?行き遅れ同士仲良くしようって……えええ、本気ですか!? ──と驚いたけど、なんやかんやで溺愛されてます。 そうして幸せな日々を送ってたら、やって来ましたよ妹が。父親に甘やかされ、好き放題我が儘し放題で生きてきた妹は私に言うのだった。 婚約者を譲れ?可愛い自分の方がお似合いだ? ・・・はああああ!?(゚Д゚) =========== 全37話、執筆済み。 五万字越えてしまったのですが、1話1話は短いので短編としておきます。 最初はギャグ多め。だんだんシリアスです。 18歳で行き遅れ?と思われるかも知れませんが、そういう世界観なので。深く考えないでください(^_^;) 感想欄はオープンにしてますが、多忙につきお返事できません。ご容赦ください<(_ _)>

何でも奪っていく妹が森まで押しかけてきた ~今更私の言ったことを理解しても、もう遅い~

秋鷺 照
ファンタジー
「お姉さま、それちょうだい!」  妹のアリアにそう言われ奪われ続け、果ては婚約者まで奪われたロメリアは、首でも吊ろうかと思いながら森の奥深くへ歩いて行く。そうしてたどり着いてしまった森の深層には屋敷があった。  ロメリアは屋敷の主に見初められ、捕らえられてしまう。  どうやって逃げ出そう……悩んでいるところに、妹が押しかけてきた。

処理中です...