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三百七十七話 黒幕は変態? それとも復讐者?
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平均より高めの宿に泊まろうとしたアラッドは、ほんの少し店員に驚かれながらも、部屋を確保することに成功。
そして翌日、起きてから直ぐに冒険者ギルドへ向かう。
先日は行わなかった情報収集を行う……もしくは、墓荒しに繋がる依頼を受けたい。
(黒幕が何を思って行動してるのか知らないが、ただ死体を芸術品として見てるのであれば、一応一般市民とか俺たちに害はない……って、最悪の場合貴族が黒幕の可能性があるのか)
世の中には、どうしようもない変態がいる。
個性を否定するのは良くないという思いを持つアラッドでも「いや、それはさすがにちょっと……」とドン引きする趣味を持つ者は確かにいる。
加えて、その趣味を持つ者たちは自分が異常だとは思っていない。
(でも、可能性としては死体を利用して、誰かに復讐しようと考えてる奴が黒幕だよな……悪いイメージしか浮かばないな)
死体を完全言いなりの奴隷に変え、更に強化。
奴隷と奴隷を合体させる強化、なんて最悪の強化をイメージしたアラッドは、思わず顔を歪めた。
(人の努力、執念が極まれば、絶対に出来ないとは言えないよな)
出来れば変な方向にそれらの意志を向けてほしくないと思っている間に、冒険者ギルドに到着。
クロには外で待ってもらい、中へと入る。
(ギルドの外装や内装も、ゴルドスのとは違うというか……気品を感じるな)
冒険者という職業柄、本人の才能なども相まって、割合としては接近戦スタイルで戦う者が多い。
しかし、マジリストンのギルド内にいる冒険者たちは、比較的魔法職が多いと感じたアラッド。
(とりあえず、クエストボードの方に行くか)
初めてマジリストンの冒険者ギルドに訪れたアラッドだが、ゴルドスの時ほど注目されることはなかった。
魔法職の冒険者が比較的多いが、接近戦スタイルの冒険者少ない訳ではない。
アラッドが魔法関連で有名な貴族の令息ではないということもあり、一人で現れた同業者に注目する者は殆どいなかった。
ただ……注目される要因は、全部が全部、本人が理由になるとは限らない。
「ねぇ、少し良い?」
「? えっと……」
クエストボードの前に到着する前に、一人のギルド職員がアラッドに声を掛けてきた。
容姿は顔面偏差値が高い凛々しいタイプの美人だが、青色の髪は非常に短く、ベリーショート。
身長は百七十後半と、女性の中では長身な部類。
(……大きいな)
年頃であるアラッドが、一瞬とはいえ制服の上からでも解かる豊満な胸に目が行くのも、無理はない。
(というか、この人絶対に強いよな)
ゴルドスの冒険者ギルドにも、明らかにただの職員とは思えない強さを持つ者がいた。
しかし、目の前の女性からは、更に強いオーラを本能的に感じ取った。
「私はギルド職員のマジットだ。よろしく」
「アラッドです。よろしくお願いします」
少し緊張しながらも、差し出された手を握る。
ただの握手ではあるが、次の瞬間……アラッドに殆ど意識を向けていなかった同業者たちが、一気に注視し始めた。
(やっぱり、ただの受付嬢じゃないよな)
自身に向けられた視線の種類から、目の前の女性……マジットの強さ、凄さを多くの意味で感じ取ったアラッド。
「敬語はいらない。普通に喋ってくれると嬉しい」
「っ……分かった」
「「「「「「「っ!!!!」」」」」」」
アラッドがマジットに言われた通り、本当に普通に……タメ語で話すと、更に視線が集まる。
そして視線の種類は、殆どが嫉妬や怒りに変わった。
マジットに言われた通り変えただけなのに、アラッドからすれば理不尽極まりなはい反応。
「この後、何か予定はあるか?」
「いや、特にないが」
冒険者といての嗅覚が反応し、咄嗟に予定はないと答えた。
「なら、少し場所を変えようか」
そして翌日、起きてから直ぐに冒険者ギルドへ向かう。
先日は行わなかった情報収集を行う……もしくは、墓荒しに繋がる依頼を受けたい。
(黒幕が何を思って行動してるのか知らないが、ただ死体を芸術品として見てるのであれば、一応一般市民とか俺たちに害はない……って、最悪の場合貴族が黒幕の可能性があるのか)
世の中には、どうしようもない変態がいる。
個性を否定するのは良くないという思いを持つアラッドでも「いや、それはさすがにちょっと……」とドン引きする趣味を持つ者は確かにいる。
加えて、その趣味を持つ者たちは自分が異常だとは思っていない。
(でも、可能性としては死体を利用して、誰かに復讐しようと考えてる奴が黒幕だよな……悪いイメージしか浮かばないな)
死体を完全言いなりの奴隷に変え、更に強化。
奴隷と奴隷を合体させる強化、なんて最悪の強化をイメージしたアラッドは、思わず顔を歪めた。
(人の努力、執念が極まれば、絶対に出来ないとは言えないよな)
出来れば変な方向にそれらの意志を向けてほしくないと思っている間に、冒険者ギルドに到着。
クロには外で待ってもらい、中へと入る。
(ギルドの外装や内装も、ゴルドスのとは違うというか……気品を感じるな)
冒険者という職業柄、本人の才能なども相まって、割合としては接近戦スタイルで戦う者が多い。
しかし、マジリストンのギルド内にいる冒険者たちは、比較的魔法職が多いと感じたアラッド。
(とりあえず、クエストボードの方に行くか)
初めてマジリストンの冒険者ギルドに訪れたアラッドだが、ゴルドスの時ほど注目されることはなかった。
魔法職の冒険者が比較的多いが、接近戦スタイルの冒険者少ない訳ではない。
アラッドが魔法関連で有名な貴族の令息ではないということもあり、一人で現れた同業者に注目する者は殆どいなかった。
ただ……注目される要因は、全部が全部、本人が理由になるとは限らない。
「ねぇ、少し良い?」
「? えっと……」
クエストボードの前に到着する前に、一人のギルド職員がアラッドに声を掛けてきた。
容姿は顔面偏差値が高い凛々しいタイプの美人だが、青色の髪は非常に短く、ベリーショート。
身長は百七十後半と、女性の中では長身な部類。
(……大きいな)
年頃であるアラッドが、一瞬とはいえ制服の上からでも解かる豊満な胸に目が行くのも、無理はない。
(というか、この人絶対に強いよな)
ゴルドスの冒険者ギルドにも、明らかにただの職員とは思えない強さを持つ者がいた。
しかし、目の前の女性からは、更に強いオーラを本能的に感じ取った。
「私はギルド職員のマジットだ。よろしく」
「アラッドです。よろしくお願いします」
少し緊張しながらも、差し出された手を握る。
ただの握手ではあるが、次の瞬間……アラッドに殆ど意識を向けていなかった同業者たちが、一気に注視し始めた。
(やっぱり、ただの受付嬢じゃないよな)
自身に向けられた視線の種類から、目の前の女性……マジットの強さ、凄さを多くの意味で感じ取ったアラッド。
「敬語はいらない。普通に喋ってくれると嬉しい」
「っ……分かった」
「「「「「「「っ!!!!」」」」」」」
アラッドがマジットに言われた通り、本当に普通に……タメ語で話すと、更に視線が集まる。
そして視線の種類は、殆どが嫉妬や怒りに変わった。
マジットに言われた通り変えただけなのに、アラッドからすれば理不尽極まりなはい反応。
「この後、何か予定はあるか?」
「いや、特にないが」
冒険者といての嗅覚が反応し、咄嗟に予定はないと答えた。
「なら、少し場所を変えようか」
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