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八百四十六話 神秘的な美しさ
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ミレアナは当初、パーティーが始まると自分は貴族の令息、今回の戦場で関わってなかった男性騎士に囲まれると思い、どう丁寧にあしらおうかと考えていた。
しかし……予想外なことに、ミレアナの周辺にはザハークと同じ貴族令嬢たち……もしくは、ソウスケの周辺にいる当主たちの妻たちが囲っていた。
「そ、それでミレアナさんたちはどうしたのですか!!」
「やはり真っ先に反応したのはソウスケさんでした:
ミレアナのエルフ(ハイ・エルフ)としての容姿にプラス、翡翠色のソウスケが金を惜しむことなく購入したドレスを身に付けていることもあって、美しさは限界突破していると言っても過言ではない。
加えて、ミレアナの場合は単純な美しさだけではなく、そこに男装騎士の様なカッコ良さまで加わっている。
そのため、周囲の令嬢や婦人たちは色々とドキドキしながらミレアナの語りを聞いていた。
「あ、あの。差し出がましいかもしれませんが、ミレアナさんとソウスケさんの出会いを教えてもらっても、よろしいでしょうか」
現在ミレアナが語る内容はザハークと同じ戦争中の内容であるため、急にガラッと変わってしまう。
しかし、二人に出会いを知りたいと申した令嬢に対して「今余計な発言をしないでよ!!!」といった鋭い視線を向ける者はいなかった。
寧ろ令嬢や婦人たちからすれば、二人がどうやって出会ったのか……そういったエピソードは大好物だった。
「えぇ、構いませんよ。そうですね……ソウスケさんは、私にとって救世主でした」
もう始まりからドキドキワクワクが加速する。
ミレアナが奴隷という立場だったことに驚くも、神秘的という言葉に近い美しさを持っていることもあり、そんな要素どうでも良いと思ってしまう。
「そこでソウスケさんは私は奴隷という立場から解放してくれたのです。一人の仲間として接したいと」
「「「「「「ッ!!!!!」」」」」」
これは決してラブストーリーではない。
ラブストーリーではないのだが……そんなこと関係無しに、ソウスケの行動に女性たちは大盛り上がり。
お茶会という女性だけの集まりではないため、声を抑えるのに必死である。
「も、もう、こう……紳士という言葉を越えていると言いますか」
「え、えぇそうですよ」
奴隷から解放する。
つまり、解放した時点で購入した主としては、逃げられても文句は言えない。
そんな事を戦争で大活躍したソウスケが理解してないとは思えない。
「紳士、と言うよりもソウスケさんはただ純粋だったのだと思います。信用出来る仲間が欲しい……だからこそ、真っすぐ……曇りのない誠意を見せてくれたのです」
紳士という言葉を超えた純粋さ。
その言葉にときめかない者はいなかった。
「それでは、ミレアナさんとしては、ソウスケさん以上の実戦での強さを持つ方以外は、人生の伴侶にするつもりはない、と」
婦人の問いにミレアナは少したりとも悩むことなく答えた。
「そうなりますね」
ノータイムでの返答に、主に令嬢たちが必死で悲鳴に近い歓声を抑える。
「それに、皆さんも既に存じ上げていると思いますが……ソウスケさんは、物凄く稼ぎます」
何名かの婦人たちが目をキラリと輝かせた。
「どれぐらい稼ぐのかと申しますと、個人情報になりますので正確にはお伝え出来ませんが、ソウスケさんはとにかくお金の消費具合を気にすることがありません」
「それは、本当に素晴らしいですわ!」
お金を持っている貴族とはいえ、家の金を湯水の如く使える訳ではない。
街、納めている村の発展や大飢饉が起こった時への対策など、まともな思考を持っていれば、金はどれだけあっても困るものではない物。
(……どうやら、それなりに良い牽制になったようですね)
少し嫌な自慢をしたのには、自分に声をかけようと機会を窺っている面倒な野郎たちへ牽制する為だった。
しかし……予想外なことに、ミレアナの周辺にはザハークと同じ貴族令嬢たち……もしくは、ソウスケの周辺にいる当主たちの妻たちが囲っていた。
「そ、それでミレアナさんたちはどうしたのですか!!」
「やはり真っ先に反応したのはソウスケさんでした:
ミレアナのエルフ(ハイ・エルフ)としての容姿にプラス、翡翠色のソウスケが金を惜しむことなく購入したドレスを身に付けていることもあって、美しさは限界突破していると言っても過言ではない。
加えて、ミレアナの場合は単純な美しさだけではなく、そこに男装騎士の様なカッコ良さまで加わっている。
そのため、周囲の令嬢や婦人たちは色々とドキドキしながらミレアナの語りを聞いていた。
「あ、あの。差し出がましいかもしれませんが、ミレアナさんとソウスケさんの出会いを教えてもらっても、よろしいでしょうか」
現在ミレアナが語る内容はザハークと同じ戦争中の内容であるため、急にガラッと変わってしまう。
しかし、二人に出会いを知りたいと申した令嬢に対して「今余計な発言をしないでよ!!!」といった鋭い視線を向ける者はいなかった。
寧ろ令嬢や婦人たちからすれば、二人がどうやって出会ったのか……そういったエピソードは大好物だった。
「えぇ、構いませんよ。そうですね……ソウスケさんは、私にとって救世主でした」
もう始まりからドキドキワクワクが加速する。
ミレアナが奴隷という立場だったことに驚くも、神秘的という言葉に近い美しさを持っていることもあり、そんな要素どうでも良いと思ってしまう。
「そこでソウスケさんは私は奴隷という立場から解放してくれたのです。一人の仲間として接したいと」
「「「「「「ッ!!!!!」」」」」」
これは決してラブストーリーではない。
ラブストーリーではないのだが……そんなこと関係無しに、ソウスケの行動に女性たちは大盛り上がり。
お茶会という女性だけの集まりではないため、声を抑えるのに必死である。
「も、もう、こう……紳士という言葉を越えていると言いますか」
「え、えぇそうですよ」
奴隷から解放する。
つまり、解放した時点で購入した主としては、逃げられても文句は言えない。
そんな事を戦争で大活躍したソウスケが理解してないとは思えない。
「紳士、と言うよりもソウスケさんはただ純粋だったのだと思います。信用出来る仲間が欲しい……だからこそ、真っすぐ……曇りのない誠意を見せてくれたのです」
紳士という言葉を超えた純粋さ。
その言葉にときめかない者はいなかった。
「それでは、ミレアナさんとしては、ソウスケさん以上の実戦での強さを持つ方以外は、人生の伴侶にするつもりはない、と」
婦人の問いにミレアナは少したりとも悩むことなく答えた。
「そうなりますね」
ノータイムでの返答に、主に令嬢たちが必死で悲鳴に近い歓声を抑える。
「それに、皆さんも既に存じ上げていると思いますが……ソウスケさんは、物凄く稼ぎます」
何名かの婦人たちが目をキラリと輝かせた。
「どれぐらい稼ぐのかと申しますと、個人情報になりますので正確にはお伝え出来ませんが、ソウスケさんはとにかくお金の消費具合を気にすることがありません」
「それは、本当に素晴らしいですわ!」
お金を持っている貴族とはいえ、家の金を湯水の如く使える訳ではない。
街、納めている村の発展や大飢饉が起こった時への対策など、まともな思考を持っていれば、金はどれだけあっても困るものではない物。
(……どうやら、それなりに良い牽制になったようですね)
少し嫌な自慢をしたのには、自分に声をかけようと機会を窺っている面倒な野郎たちへ牽制する為だった。
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