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七百三十一話 十人前以上があっさり消えた
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上級者向けダンジョンの仮想を探索している間、ソウスケは愛剣のグラディウスは使わず、水龍の蒼剣を実戦で使い続けた。
そのお陰で一応……水龍の蒼剣の扱いは上達した。
しかし、どのモンスターと戦っても、刃が触れれば必ず切れてしまうため、どんな敵と戦っても直ぐに終わってしまう。
(上達するには、実戦が一番……それを実感できる時間ではあったけど、あっさりと終わり過ぎなんだよな……やっぱり、CランクやBランクを相手に使う武器じゃないな)
道中でBランクのモンスターと遭遇することはあったが、それでも基本的に数分も掛からず実戦は終ってしまった。
ダンジョン探索という状況を考えれば、モンスターとの戦いが速攻で割るに越したことはない。
寧ろ、良いことでしかないが……ソウスケは少し退屈さを感じていた。
あまり強化系のスキルや魔力などは使わず、純粋の剣技の腕を上げるつもりで戦っていたが……振れてしまえば、斬れてしまう。
斬れれば、そこから血が流れて……ある程度強いモンスターであっても、大量出血でアウトになる。
(溶岩竜が相手だったら、水龍の蒼剣による斬撃でも、そう簡単に攻めきれないか?)
ダンテたちから依頼を受けて戦った溶岩竜の防御力は身に染みて覚えている。
もしまた、溶岩竜と遭遇できたら……と思わなくもないが、Aランクのモンスターはダンジョンの中であっても、簡単に遭遇できる存在ではない。
実際に、ソウスケたちはガルムと遭遇できたのを最後に、最下層のボス部屋前に到達するまでにAランクのモンスターと遭遇することはなかった。
そしてソウスケたちが最下層のボス部屋に到着すると……目の前には当然、ソウスケたちよりも先に到着した冒険者パーティーが数組。
ただ、一グループの総人数は一般的なパーティーの人数よりも多い。
数は戦力であり、安全面の強化にも繋がる。
クランメンバーのトップ帯での挑戦や、他の街から来たレベルの高いパーティー同士が一時的に組んでいるところもある。
そんな中で……三人だけでラスボスに挑戦しようとするのは、ソウスケたちぐらい。
「とりあえず腹ごしらえだな」
腹が減っては戦は出来ぬとばかり、亜空間の中からモンスターの肉などを取り出し、調理開始。
そうすると当然……ダンジョンで作れる飯だけでは満足できない面子たちが、対価を払うからソウスケに飯を売って欲しいとやって来る。
「勿論良いっすよ」
ソウスケはこうなるのを見越して料理を作っていたので、十人前以上の料理をせっせとミレアナと一緒に作っていた。
だが、そんな料理もあっという間になくなり、二人はもう一度自分たちの料理を作り始めた。
(全部ブレてしまうのは想定外だったな)
しかし、ソウスケたちの番が回ってくるのにはまだまだ時間が掛かるので、料理を作る時間も食べる時間もある。
自分たちの番が回ってくるまでに食事と休息を済ませ、いざラスボス戦へ。
「構成は四十階層のボスと同じだな」
三人の視界に映るモンスターは……Bランクのエルダーリッチが二体。
そして、Aランクのクリムゾンリビングナイトが一体。
エルダーリッチは通常のエルダーリッチとは違い、回復魔法を使える個体なので、エルダーリッチを潰さない限り、クリムゾンリビングナイトを潰すのは難しい。
「約束通り、俺があの紅い騎士と戦う」
「オーケー。俺とミレアナは一騎打ちが邪魔されないように、残り二体を抑えとくよ」
そう簡単に抑えられるモンスターではないから、三人より前に並んでいた冒険者たちは大勢で攻略に臨んだのだが、ソウスケとミレアナも高ランクのモンスター並みに色々とおかしい。
「おっと!! 開戦だな」
しびれを切らした二体のエルダーリッチが開幕のファイヤーランスを発動し、それをミレアナとソウスケが同じランス系の魔法で相殺。
「っし!!!!」
気合十分なザハークは自作のロングソードを握り、クリムゾンリビングナイトとの一騎打ちに臨んだ。
そのお陰で一応……水龍の蒼剣の扱いは上達した。
しかし、どのモンスターと戦っても、刃が触れれば必ず切れてしまうため、どんな敵と戦っても直ぐに終わってしまう。
(上達するには、実戦が一番……それを実感できる時間ではあったけど、あっさりと終わり過ぎなんだよな……やっぱり、CランクやBランクを相手に使う武器じゃないな)
道中でBランクのモンスターと遭遇することはあったが、それでも基本的に数分も掛からず実戦は終ってしまった。
ダンジョン探索という状況を考えれば、モンスターとの戦いが速攻で割るに越したことはない。
寧ろ、良いことでしかないが……ソウスケは少し退屈さを感じていた。
あまり強化系のスキルや魔力などは使わず、純粋の剣技の腕を上げるつもりで戦っていたが……振れてしまえば、斬れてしまう。
斬れれば、そこから血が流れて……ある程度強いモンスターであっても、大量出血でアウトになる。
(溶岩竜が相手だったら、水龍の蒼剣による斬撃でも、そう簡単に攻めきれないか?)
ダンテたちから依頼を受けて戦った溶岩竜の防御力は身に染みて覚えている。
もしまた、溶岩竜と遭遇できたら……と思わなくもないが、Aランクのモンスターはダンジョンの中であっても、簡単に遭遇できる存在ではない。
実際に、ソウスケたちはガルムと遭遇できたのを最後に、最下層のボス部屋前に到達するまでにAランクのモンスターと遭遇することはなかった。
そしてソウスケたちが最下層のボス部屋に到着すると……目の前には当然、ソウスケたちよりも先に到着した冒険者パーティーが数組。
ただ、一グループの総人数は一般的なパーティーの人数よりも多い。
数は戦力であり、安全面の強化にも繋がる。
クランメンバーのトップ帯での挑戦や、他の街から来たレベルの高いパーティー同士が一時的に組んでいるところもある。
そんな中で……三人だけでラスボスに挑戦しようとするのは、ソウスケたちぐらい。
「とりあえず腹ごしらえだな」
腹が減っては戦は出来ぬとばかり、亜空間の中からモンスターの肉などを取り出し、調理開始。
そうすると当然……ダンジョンで作れる飯だけでは満足できない面子たちが、対価を払うからソウスケに飯を売って欲しいとやって来る。
「勿論良いっすよ」
ソウスケはこうなるのを見越して料理を作っていたので、十人前以上の料理をせっせとミレアナと一緒に作っていた。
だが、そんな料理もあっという間になくなり、二人はもう一度自分たちの料理を作り始めた。
(全部ブレてしまうのは想定外だったな)
しかし、ソウスケたちの番が回ってくるのにはまだまだ時間が掛かるので、料理を作る時間も食べる時間もある。
自分たちの番が回ってくるまでに食事と休息を済ませ、いざラスボス戦へ。
「構成は四十階層のボスと同じだな」
三人の視界に映るモンスターは……Bランクのエルダーリッチが二体。
そして、Aランクのクリムゾンリビングナイトが一体。
エルダーリッチは通常のエルダーリッチとは違い、回復魔法を使える個体なので、エルダーリッチを潰さない限り、クリムゾンリビングナイトを潰すのは難しい。
「約束通り、俺があの紅い騎士と戦う」
「オーケー。俺とミレアナは一騎打ちが邪魔されないように、残り二体を抑えとくよ」
そう簡単に抑えられるモンスターではないから、三人より前に並んでいた冒険者たちは大勢で攻略に臨んだのだが、ソウスケとミレアナも高ランクのモンスター並みに色々とおかしい。
「おっと!! 開戦だな」
しびれを切らした二体のエルダーリッチが開幕のファイヤーランスを発動し、それをミレアナとソウスケが同じランス系の魔法で相殺。
「っし!!!!」
気合十分なザハークは自作のロングソードを握り、クリムゾンリビングナイトとの一騎打ちに臨んだ。
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