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七百十一話 何体かドボン
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ケルベロスとラミア二体をあっさりと倒し、報酬である宝箱をゲットした三人は特に休むことなく……地上に戻ることなく、そのまま四十一階層へと足を踏み入れた。
「……暑い暑い。けど、三十一階層から四十階層までと比べたら、若干緩いか?」
「そうですね。肌がひりつく様な熱さありませんが……暑いことには変わりありませんね」
四十一階層からも、基本的には火山地帯。
三十一階層から四十階層までと比べて高低差は激しいが、それでも暑さが極端に下がることはない。
ただ、基本的にはレベル三十から四十のモンスターが多く。
Cランクのモンスターですら、レベルによるステータスの向上を考えると、どいつもこいつもBランクに片足突っ込んでいると言っても過言ではない。
「暑さが軽くなったのなら、丁度良い。動きやすい状態で高レベルのモンスターたちと戦えるということだろう」
「相変わらずそればかりですね。全く……高レベルのモンスターたちなら、直ぐにやって来ますよ」
ミレアナの言葉通り……本当に直ぐやってきた。
現れたモンスターはレッドウルフ。
しかも一体ではなく、十数体の群れがソウスケたち目掛けて全力疾走。
「先程はソウスケさんに譲った。今度は俺がやろう」
そう言いながらザハークは戦意全開で一歩前に出る。
「「「「「「ッ!!!!」」」」」」
その瞬間、レッドウルフたちは後ろの二人を無視しで目の前のオーガだけに集中しなければならないと、本当に敵に理解した。
「ほぅ、賢いではないか」
ザハークと十数体のレッドウルフは直ぐにぶつかり、乱戦開始……と思ったら、どんどんレッドウルフが吹っ飛び、宙を舞う。
「あれは……ちょっとやり過ぎなんじゃないか?」
「そうですね。どう考えてもやり過ぎかと」
戦闘が始まり、十秒程度が経つ頃には、一体もザハークの前にレッドウルフは立っていなかった。
「ザハーク、ちょっと張り切り過ぎたんじゃないか? ほら見ろ、頭が爆散した死体がいっぱいだぞ」
「……そうだな。少しやり過ぎてしまった」
「マグマの海に落ちてしまった個体もありますしね」
体は狙わず、頭だけ潰せばそこまで素材を破壊せずに済む。
その考えは体に残っており、なんとか打撃を頭だけに集中して与えることが出来た。
しかし本人も自覚してる通り、四十一階層に降りてきた……今までと比べてモンスターの強さが上がっていると思い、つい高威力の打撃を繰り出してしまった。
実際、地上の平均的なレッドウルフと比べて、四十一階層以降に出現するレッドウルフのレベルが高く、なんなら体もやや大きい。
「うぐ……す、すまない」
「き、気にすんなって! レッドウルフぐらい直ぐにまた遭遇するって」
ただ、ちょっと本気になってしまったザハークが相手だと、強化系のスキルを使ってもワンパンされるのが最終的な結果だった。
「にしても……少し前の階層と違って、遺跡? みたいなのもあるんだな……あの中で冒険者とモンスターが暴れたら、余裕でぶっ壊れそうだな」
散らばっているレッドウルフの死体を回収しながら、ソウスケの目は階層の奥の方に存在する遺跡に向いていた。
「ダンジョン内での遺跡ですし、そう時間を掛けずに直ぐ復活するのでしょう」
「それもそうか」
「……遺跡内に、下へ続く階段は殆どありませんが、宝箱などは多いそうですよ。罠もたくさんあるらしいですが……どうしますか、ソウスケさん」
遺跡内にある罠は、サクッと人を殺せるぐらいのものもあり、以前ソウスケたちが中級者向けダンジョンでうっかり引っ掛かってしまった転移系のトラップも多い。
ただ……宝箱が多いと言われ、ソウスケの好奇心が疼かないわけがなかった。
「ふふ、そんなの決まってるだろ!!!! とりあえず遺跡は全部探索するぞ!!!」
「かしこまりました」
「遺跡内は遺跡内で強いモンスターが潜んでいそうだな」
リーダーの決定に異論はなく、三人は真っすぐ四十一階層にある遺跡へと歩を進めた。
「……暑い暑い。けど、三十一階層から四十階層までと比べたら、若干緩いか?」
「そうですね。肌がひりつく様な熱さありませんが……暑いことには変わりありませんね」
四十一階層からも、基本的には火山地帯。
三十一階層から四十階層までと比べて高低差は激しいが、それでも暑さが極端に下がることはない。
ただ、基本的にはレベル三十から四十のモンスターが多く。
Cランクのモンスターですら、レベルによるステータスの向上を考えると、どいつもこいつもBランクに片足突っ込んでいると言っても過言ではない。
「暑さが軽くなったのなら、丁度良い。動きやすい状態で高レベルのモンスターたちと戦えるということだろう」
「相変わらずそればかりですね。全く……高レベルのモンスターたちなら、直ぐにやって来ますよ」
ミレアナの言葉通り……本当に直ぐやってきた。
現れたモンスターはレッドウルフ。
しかも一体ではなく、十数体の群れがソウスケたち目掛けて全力疾走。
「先程はソウスケさんに譲った。今度は俺がやろう」
そう言いながらザハークは戦意全開で一歩前に出る。
「「「「「「ッ!!!!」」」」」」
その瞬間、レッドウルフたちは後ろの二人を無視しで目の前のオーガだけに集中しなければならないと、本当に敵に理解した。
「ほぅ、賢いではないか」
ザハークと十数体のレッドウルフは直ぐにぶつかり、乱戦開始……と思ったら、どんどんレッドウルフが吹っ飛び、宙を舞う。
「あれは……ちょっとやり過ぎなんじゃないか?」
「そうですね。どう考えてもやり過ぎかと」
戦闘が始まり、十秒程度が経つ頃には、一体もザハークの前にレッドウルフは立っていなかった。
「ザハーク、ちょっと張り切り過ぎたんじゃないか? ほら見ろ、頭が爆散した死体がいっぱいだぞ」
「……そうだな。少しやり過ぎてしまった」
「マグマの海に落ちてしまった個体もありますしね」
体は狙わず、頭だけ潰せばそこまで素材を破壊せずに済む。
その考えは体に残っており、なんとか打撃を頭だけに集中して与えることが出来た。
しかし本人も自覚してる通り、四十一階層に降りてきた……今までと比べてモンスターの強さが上がっていると思い、つい高威力の打撃を繰り出してしまった。
実際、地上の平均的なレッドウルフと比べて、四十一階層以降に出現するレッドウルフのレベルが高く、なんなら体もやや大きい。
「うぐ……す、すまない」
「き、気にすんなって! レッドウルフぐらい直ぐにまた遭遇するって」
ただ、ちょっと本気になってしまったザハークが相手だと、強化系のスキルを使ってもワンパンされるのが最終的な結果だった。
「にしても……少し前の階層と違って、遺跡? みたいなのもあるんだな……あの中で冒険者とモンスターが暴れたら、余裕でぶっ壊れそうだな」
散らばっているレッドウルフの死体を回収しながら、ソウスケの目は階層の奥の方に存在する遺跡に向いていた。
「ダンジョン内での遺跡ですし、そう時間を掛けずに直ぐ復活するのでしょう」
「それもそうか」
「……遺跡内に、下へ続く階段は殆どありませんが、宝箱などは多いそうですよ。罠もたくさんあるらしいですが……どうしますか、ソウスケさん」
遺跡内にある罠は、サクッと人を殺せるぐらいのものもあり、以前ソウスケたちが中級者向けダンジョンでうっかり引っ掛かってしまった転移系のトラップも多い。
ただ……宝箱が多いと言われ、ソウスケの好奇心が疼かないわけがなかった。
「ふふ、そんなの決まってるだろ!!!! とりあえず遺跡は全部探索するぞ!!!」
「かしこまりました」
「遺跡内は遺跡内で強いモンスターが潜んでいそうだな」
リーダーの決定に異論はなく、三人は真っすぐ四十一階層にある遺跡へと歩を進めた。
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