ドアマットヒロインにはなりません！

学院生活の始まり

「ここが私の通う学院ね……」

　今日は入学初日、学院の門をくぐり校舎の前にいた。

　校舎は木造で３階建て、歴史を感じる古い建物だ。

　制服は無く、それぞれ学院に相応しい格好で登校している。

　私もなるべく目立たない服装にしている。

(さて、どんな学院生活になるのかしら……？)

　期待と不安を抱えつつ私は校舎の中に入っていった。


(クラスは３クラス、１クラス２０人ぐらいね)

　教室に入ると既に何人か来てお喋りしている。

　私は自分の名前が書いてある席に座り机の上に置いてある教科書を確認する。

(まぁ王妃教育である程度の知識はあるけど……、余り目立たない方が良いわね)

　長年の王妃教育で一応知識はあるつもりだけどあくまで王族貴族の知識だ、平民となるとまた違うと思う。

　そして、時間になり教師が入って来て説明を受けた。

　カリキュラムとして『一般科目』と『専門科目』がある。

　専門科目とは将来就く職業の為に必要な知識を得る為の科目だそうだ。

　ただあくまで基礎を覚えるだけでありより上を目指す為には騎士学園や魔法学園等に進学する事も選択肢の１つだと言う。

(まぁ、私には関係無いか)

　その後、自己紹介タイムとなった。

　平民と言ってもそれぞれあって親が商売をやっていたり、将来の夢が明確にあったりと個性があった。

　そして私の番となったけど流石に元公爵令嬢である事は伏せた。

　名前と親の都合で一人暮らしをしている事だけを言った。

　まぁ無難だった、と思う。

　こうして私の学院生活の始まった。