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新たな人生の始まり 

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 家を出た後、私は新しい住まいとなるアパートの一室へとやって来た。

「ここが今日から私の家になるのね……」

 勿論一人暮らしは初めてなので不安はある。

 しかし、あの家にいるよりずっとマシだ。

「貴族学院に入学する前で本当に良かった……」

 改めて自分の決断にホッとした。

「でも、平民の学院に通わないと行けないのよね」

 そう、この国の国民には3年間の義務教育があり平民にも学院があるのだ。

 学院で優秀な成績を残すと貴族学院に特待生として編入出来るらしいが勿論そんなつもりはない。

 目立たず騒がす地味に過ごす、これがこれからの私のモットーだ。

「それにお祖母様達に援助してもらった分、手に職をつけてしっかり働かないと」

 今回の一人暮らしの件ではお祖父様達が色々動いてくれて援助してくれた。

 3年間の学費も出してくれたので卒業したら働いて返していくつもりだ。

 お祖父様達は『戸籍上の縁は切れてもリリアナは私達の孫だ。 困った事があったらいつでも言いなさい』と言ってくれた。

 その気持ちだけで十分満足している。

 一方でお父様達はお祖父様達に性根を叩き直される予定だそうだ。

 特に再婚相手親子はしつけ直すとお祖父様達は意気込んでいる。

 うん、茨の道を頑張って歩いてもらいたい。

 私は机の上にお母様の写真と位牌を置いた。

 お祖父様達のご厚意で持ってきたのだ。

「お母様、どうか私を見守ってください……」

 私は手を組んで写真と位牌に祈りを捧げた。 
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