蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉（BL）

色香を隠していても…2-5

 月曜日 PM20:00 涼也.英士.心紀.倫side
 リモート会議中

心紀「風ちゃんが同居を承諾した？」

倫「マジ？」

英士「マジ。けどさ…」

涼也「素直に喜べないというか…」

倫「何でだよ？」

 涼也「金曜日『分かったから着替えとかだけ取りに戻らせてくれ』って風ちゃん」

英士「何かあったのかな？って思うくらい中々戻って来なくてさ」

涼也「何があったか聞ける様な雰囲気じゃなかったの…風ちゃん」

智「上の空…だしさ。風ちゃん」

 心紀「風ちゃんの部屋で何かがあったって事？」

 涼也「うん。だって『シャワー借りるね』そう言ってシャワーしに行って『なんか…今日疲れたから先に休むね』って風ちゃんが…」

 英士「暑いのにさタオルケットを頭から被ってさ。まるで俺オイラ達からその姿を隠す様にさ…風ちゃん」

  英士.涼也「「うっ、う…」って小さく嗚咽を洩らしてたの。可哀想に…綺麗な顔に頬に涙の筋が…」

倫「深刻じゃん…」

英士「だからさ。ダメ元でオイラ達と３人で暮らさないか？って 言ってみたんだ」

涼也「 そしたらさ。拍子抜けするぐらいアッサリと『いいよ』って言ったんだ風ちゃん」

英士「着替えだって、オイラ達のマンションに『置いておいたら』って言っても絶対に置こうとはしなかったのに…置いていったし」

涼也「 土曜の夜は、俺のマンションに泊まったんだけどさ。一旦マンションに戻って、別のお泊まりセット持って来てさ。日曜日の夜帰る時に置いていったんだ」

心紀「 どうしちゃったんだろう…風ちゃん」

英士「『 とりあえず、３日ずつ、エイシくんとリョウの家に泊まらせて貰うね』って風ちゃん」

涼也「あのさ。 今日は俺のマンションにいるんだけどさ。仕事終わりが3人で帰えって来る時 『一旦自分のマンションに寄ってくれる』って風ちゃんが言ったんだ」

 ガチャ

英士「風ちゃんが、 風呂から上がってきた。じゃあゴメンまた(小声)」

心紀.倫side

倫「風くん、なんか証拠を探ってる気がする… 変わった人を見掛けたり、 気が付いた事はないか近所の人とかに聞いてみるよ」

心紀「うん」

風.英士.涼也side

英士.涼也「風ちゃん顔色悪いよ？」

風「 今日は、外暑かったからかな？大丈夫心配ないよ」

  具合い悪いって認めてるし…