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英国紳士の恋の作法
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果敢に仕掛け無残に迎撃、撃沈された二人は、愛する者が自分を放って楽しいピクニックの計画を立てるのを黙って見守るしかなかった。
――自分が、あの曇りのない明るい笑顔と共にピクニックに行く日は、一体いつ訪れるのか。
悪童二人のため息は深い。
「…忌々しいが」
気を殺がれたジェイムズが、向かいに座るアルバートに憮然としたまま声を掛ける。
「先人の言葉は時として残酷なまでに正しい」
「…ああ」
長い付き合いの悪友同士、すぐにジェイムズの言わんとすることを察したらしい。アルバートは重々しい調子で頷き、続く言葉は寸分違わず、ジェイムズのそれに重なった。
「真の恋の道は、茨の道である」
――自分が、あの曇りのない明るい笑顔と共にピクニックに行く日は、一体いつ訪れるのか。
悪童二人のため息は深い。
「…忌々しいが」
気を殺がれたジェイムズが、向かいに座るアルバートに憮然としたまま声を掛ける。
「先人の言葉は時として残酷なまでに正しい」
「…ああ」
長い付き合いの悪友同士、すぐにジェイムズの言わんとすることを察したらしい。アルバートは重々しい調子で頷き、続く言葉は寸分違わず、ジェイムズのそれに重なった。
「真の恋の道は、茨の道である」
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