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ハイド・パークの昼食、あるいはデート
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誰が、どれだけの人間が、自分より前に、レジナルドに近いところに立っているのだろうか。
これまで、付き合っている相手の周囲に誰がいようと、気にしたことはなかった。他に男を作り、別れを告げられても何とも思わなかった。
でも今は駄目だ。
学生時代のような、ただの問題児と監督生の付き合いでは物足りない。ぬるま湯に浸るような心地よさでは満たされない。独り占めしたいと思っている、あの聖母の微笑みを。いつでも望む時にその姿を見て声を聞き、手を伸ばせば触れることができる距離、つまりは手元に置いておきたい。だからこそ自分はレジナルドを従僕にと望み、固執するのだ。
あのたおやかな笑顔の奥を知りたい。昼も夜も知り尽くしたい。
夜――思い掛けない熱が、体の奥からゆらりと鎌首をもたげる。レジナルドを求めて咆哮する。
もう迷うことはない。間違えることもない。
堂々と告げて、堂々と奪う。それが最良の二人の形だとジェイムズが決めた以上、レジナルドに選択肢はないのだ。
これまで、付き合っている相手の周囲に誰がいようと、気にしたことはなかった。他に男を作り、別れを告げられても何とも思わなかった。
でも今は駄目だ。
学生時代のような、ただの問題児と監督生の付き合いでは物足りない。ぬるま湯に浸るような心地よさでは満たされない。独り占めしたいと思っている、あの聖母の微笑みを。いつでも望む時にその姿を見て声を聞き、手を伸ばせば触れることができる距離、つまりは手元に置いておきたい。だからこそ自分はレジナルドを従僕にと望み、固執するのだ。
あのたおやかな笑顔の奥を知りたい。昼も夜も知り尽くしたい。
夜――思い掛けない熱が、体の奥からゆらりと鎌首をもたげる。レジナルドを求めて咆哮する。
もう迷うことはない。間違えることもない。
堂々と告げて、堂々と奪う。それが最良の二人の形だとジェイムズが決めた以上、レジナルドに選択肢はないのだ。
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