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54修繕魔法による人体への応用
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父ヘンリーは、とりあえずヘンリー子爵家の家敷の別棟にある騎士宿舎に、アルザスを連れて行った。ここには20人ほどの騎士が、常に常駐している。彼らの役目は屋敷の警備と町の警備、および有事の際の出撃であった。むろん騎士宿舎でなくて町に家族とともに家に住んだり、貸部屋に住んでいる騎士もいる。それらは本人の希望次第であった。
ミュラー家は辺境領に近く、そのため騎士も多めに雇っていた。ヘンリーはむろん此度の戦でも騎士たちは出撃し、その中には手や足を亡くした重症のものがいた。
ヘンリーはその重傷者をアドラスに見せることにした。まだ8歳なので1日にどれくらい治癒させれるかわからないが、むろん無理させるつもりはなかった。
「これは子爵さ…腕はどうなさったんですか!!?」
ミュラー家お抱えの医師と、医師の手伝いをしている従者は、右腕はこのようにあるぞとプラプラさせて見せた子爵に唖然となった。
「アドラスが修繕魔法で治してくれたのだ」
「えへへへへ」
照れたように笑う子爵の一人息子アドラス坊ちゃま。
だが修繕魔法で腕が生えるなんて初めて聞いた医師たちはわが耳を疑った。
「本当なんだ、」
「いやしかしその」
「論より証拠、アドラス出来るな」
「できます、でも1日に何人直せるかわかりません、人への応用は意外と魔力を食うようです。」
「そうか、ではあとどれくらいできそうだ?」
「うーん、よくわからないけどあと1人か2人でしょうか。」
「それでも今まで聖女しかできなかったことを考えればすごいことだ。重傷者のいる部屋に案内せよ」
「はい」
アドラスは騎士宿舎の病室にはいったのは初めてだった。
鉄さびのようなにおいがプーンとする、血の匂いだと瞬時にきずいた。
ベットが6つ、それぞれに騎士たちが包帯で患部をぐるぐる巻かれて横たわっていた。
「この中で手や足を無くしたものは3人でございます」
騎士達はあれって顔をしてヘンリーを見た。たしか領主様右腕の肘から下を敵兵に切り飛ばされたはずでは?
「皆さん、今から手や足を亡くした方を順番に僕が回ります。ただし僕はまだ8歳の子供なので1日に何人もいやせません、その場合は明日ということになりますので必要いじょうにがっかりしないでください。」
「アドラス様は聖魔法が使えるのですか?」
それには答えずアドラスは論より証拠と、南側の窓際に右ひざから下を失くした騎士のベッドに進み、近くの椅子に腰を下ろし精神統一をした。
「はー」と息を吐くと騎士の包帯を解いていく。
騎士は大丈夫かって顔をしているがアドラスはにっこり笑って見せ、心の中で修繕魔法発動と唱えると、父の時と同じキラキラした光が騎士の右足に集まり、金色に輝くと足が徐々に再生を始めたのだ、お抱え医師も騎士も周りの患者たちも、言葉を失くしてその様子を見つめた。やがて足が形作られ足が完全再生するとわぁっと、治療した騎士から喜びにあふれた歓声が起こった。
「足を動かしてみてください」
騎士は言われたとおりひざを曲げたり足の指を動かしたりした。
「大丈夫ですか?」
「はい!!うごきます!!ありがとうございますアドラス様」
アドラスは次に隣のベッドに寝ている右腕の手首上から切り飛ばされた騎士に、またも修繕魔法を発動しなおしたがここまでが限界だったらしい、意識がふっと失いかけ、慌てて父親のヘンリーは息子を背後から支え、お姫様抱っこした。
「どうやらここらが限界らしいな、明日は休ませた方がいいか、様子を見るとしよう」
「そうですね、その方がいいと思います」
お抱え医師はヘンリーの言葉に同意した。
ヘンリーは自分とアドラスを見るほかの病室のものたちに、
「ほかに手足を失くしたものは、またアドラスに見させるからその時を待ちなさい」
「はい、子爵様!!」
こうしてアドラスの初めての診療は終わったのである。
後で騎士達の間でアドラスのことが話題沸騰になったのは当然であった。
ミュラー家は辺境領に近く、そのため騎士も多めに雇っていた。ヘンリーはむろん此度の戦でも騎士たちは出撃し、その中には手や足を亡くした重症のものがいた。
ヘンリーはその重傷者をアドラスに見せることにした。まだ8歳なので1日にどれくらい治癒させれるかわからないが、むろん無理させるつもりはなかった。
「これは子爵さ…腕はどうなさったんですか!!?」
ミュラー家お抱えの医師と、医師の手伝いをしている従者は、右腕はこのようにあるぞとプラプラさせて見せた子爵に唖然となった。
「アドラスが修繕魔法で治してくれたのだ」
「えへへへへ」
照れたように笑う子爵の一人息子アドラス坊ちゃま。
だが修繕魔法で腕が生えるなんて初めて聞いた医師たちはわが耳を疑った。
「本当なんだ、」
「いやしかしその」
「論より証拠、アドラス出来るな」
「できます、でも1日に何人直せるかわかりません、人への応用は意外と魔力を食うようです。」
「そうか、ではあとどれくらいできそうだ?」
「うーん、よくわからないけどあと1人か2人でしょうか。」
「それでも今まで聖女しかできなかったことを考えればすごいことだ。重傷者のいる部屋に案内せよ」
「はい」
アドラスは騎士宿舎の病室にはいったのは初めてだった。
鉄さびのようなにおいがプーンとする、血の匂いだと瞬時にきずいた。
ベットが6つ、それぞれに騎士たちが包帯で患部をぐるぐる巻かれて横たわっていた。
「この中で手や足を無くしたものは3人でございます」
騎士達はあれって顔をしてヘンリーを見た。たしか領主様右腕の肘から下を敵兵に切り飛ばされたはずでは?
「皆さん、今から手や足を亡くした方を順番に僕が回ります。ただし僕はまだ8歳の子供なので1日に何人もいやせません、その場合は明日ということになりますので必要いじょうにがっかりしないでください。」
「アドラス様は聖魔法が使えるのですか?」
それには答えずアドラスは論より証拠と、南側の窓際に右ひざから下を失くした騎士のベッドに進み、近くの椅子に腰を下ろし精神統一をした。
「はー」と息を吐くと騎士の包帯を解いていく。
騎士は大丈夫かって顔をしているがアドラスはにっこり笑って見せ、心の中で修繕魔法発動と唱えると、父の時と同じキラキラした光が騎士の右足に集まり、金色に輝くと足が徐々に再生を始めたのだ、お抱え医師も騎士も周りの患者たちも、言葉を失くしてその様子を見つめた。やがて足が形作られ足が完全再生するとわぁっと、治療した騎士から喜びにあふれた歓声が起こった。
「足を動かしてみてください」
騎士は言われたとおりひざを曲げたり足の指を動かしたりした。
「大丈夫ですか?」
「はい!!うごきます!!ありがとうございますアドラス様」
アドラスは次に隣のベッドに寝ている右腕の手首上から切り飛ばされた騎士に、またも修繕魔法を発動しなおしたがここまでが限界だったらしい、意識がふっと失いかけ、慌てて父親のヘンリーは息子を背後から支え、お姫様抱っこした。
「どうやらここらが限界らしいな、明日は休ませた方がいいか、様子を見るとしよう」
「そうですね、その方がいいと思います」
お抱え医師はヘンリーの言葉に同意した。
ヘンリーは自分とアドラスを見るほかの病室のものたちに、
「ほかに手足を失くしたものは、またアドラスに見させるからその時を待ちなさい」
「はい、子爵様!!」
こうしてアドラスの初めての診療は終わったのである。
後で騎士達の間でアドラスのことが話題沸騰になったのは当然であった。
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