普段は優しいけど夜はドSのDOM彼氏ができました

いちみやりょう

文字の大きさ
上 下
4 / 8

しおりを挟む
朝起きると体のあちこちが痛い。
その割にはアナルは違和感だけだった。

僕の体は綺麗になっていて、服も着せられて布団をぴっちりかけられた状態だった。
そして僕を抱き抱えるように眠っている先生。

「起きました?」

少し身動いだだけで気付かれて声をかけられた。

「ん……はい」
「おはようございます。どこか体が痛いところはありませんか?」
「身体中、痛い」
「ああ。初めてだったからそうなりますよね、ごめんね。今日は私が看病するからトイレ以外ベットを出たらダメですよ?」
「え」
「言うこと聞けますよね?」
「……はい」
「えらい、えらい」

先生は俺の頭を撫でて褒めてくれた。
褒められた。嬉しい。

「昨日は本当にいい子でしたね。喉が乾いているんじゃないですか?」

そう言って先生はベットから出て行った。
先生の温もりがなくなって少し寂しく感じる。

「ほら、飲んでください」

先生はストローを刺したペットボトルを僕に差し出してくれて飲まされた飲み物はよく冷えたスポーツドリンクだった。
ゴクゴクと勢いよく飲んで半分くらいになったペットボトルは先生が受け取ってまた冷蔵庫にしまいに行ってくれた。

「何か食べたいものありますか? 簡単なものなら作れますが」
「そば、食べたい」
「そばですか。うーん。今家にないからなぁ」
「やっぱいい。家にあるもので。なんでもいい」

蕎麦がいいって言ったら先生が買いに行ってしまうかも。
そしたら寂しいと思った。
先生はしばらく考えてどこかへ電話し始めた。
隣の部屋に行ったからなんの話をしているかは分からないけど、出前を頼んでくれるのかもしれない。
それだったら先生が離れないからいいな。

先生はすぐに戻ってきて僕の隣に潜り込んで、また僕を抱き抱えてくれた。
暖かいし、この体制先生と密着できて好きだなぁ。

だけど昨日の夜の先生とはまるで違う穏やかさな気がする。
でも激しかったけど、僕が求めていたものだって思った。

元々先生のことは好きだったけど体の相性もバッチリだったなんて。

「先生?」
「ん? なんですか」

先生の声が耳の後ろで響いてくすぐったい。

「好きです」

先生が後ろで息を飲むのが分かった。

「先生?」
「あ……いえ。私も透が好きです。あんな抱き方しか出来ないですがいいんですか?」
「僕……恥ずかしいけど。あんな感じで激しく愛されたいって思ってたんだ」
「ああ、透。やっぱり可愛い。愛してます。すぐに首輪を準備しないと。ああ……あと、私から逃げようとしないでくださいね」
「逃げるわけない」
「そんなことは分からないでしょう。でも、もしも逃げたら追いかけて捕まえて、二度と逃げる気を無くさせるのでそうされたいなら逃げてみてください」

優しい笑顔でそう言われて僕は少しだけ逃げてみたくなった。

だってそんなことを言われたら逃げたらどんなことをされてしまうのか少し気になってしまう。

でもやっぱりSubの僕としてはなるべく先生には従いたいから今のところは逃げないでおこうと思った。

しばらくしてチャイムがなって先生はベットを出て行った。
それから隣の部屋ではガチャガチャと音がしていて、その音が何だか心地良くてうとうとしていたら先生に揺り起こされた。

「透、蕎麦できましたよ。起き上がって」

そう言って僕の背中に腕を回して起こしてくれて、背中のとこに大きいクッションを置いて座りやすくしてくれた。

「ふふ。本当に介護みたい」
「透が介護が必要になったら私がしてあげるから安心してください」
「えっ、絶対先生の方が先でしょ」
「そうなったら透が私を介護してくれるんでしょう?」
「もちろん!」
「はは。嬉しいなぁ。ほら口を開けて熱いから気をつけてくださいね」

先生が口に運んでくれる蕎麦をすすったらめちゃくちゃ美味しかった。

「めっちゃ美味しい。ありがとう先生。でも蕎麦の麺なんて出前できるの?」
「今は色々と便利なので買い物して持ってきてくれるサービスがあるんですよ。透の食べたいもの作れてよかった」
「本当美味しい。先生はなんでも出来てすごいなぁ」
「そんなことはないですけど、気に入ってくれたのなら毎日でも作りますよ。なので早くここに引っ越してきてくださいね」
「本当!? すぐ引っ越す!」
「ああ。透は本当に可愛いなぁ」

先生はそう言って幸せそうに笑った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。

かとらり。
BL
 セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。  オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。  それは……重度の被虐趣味だ。  虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。  だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?  そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。  ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

嫁さんのいる俺はハイスペ男とヤレるジムに通うけど恋愛対象は女です

ルシーアンナ
BL
会員制ハッテンバ スポーツジムでハイスペ攻め漁りする既婚受けの話。 DD×リーマン リーマン×リーマン

待てって言われたから…

ふみ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。 //今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて… がっつり小スカです。 投稿不定期です🙇表紙は自筆です。 華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)

かわいい息子がバリタチだった

湯豆腐
BL
主人公は、中田 秀雄(なかた ひでお)36歳サラリーマン。16歳の息子と2人暮らし。 残業で深夜に帰宅したとき、息子・真央(まお)が男と性行為をしている姿を目撃してしまう! 【注意】BL表現、性描写がかなりあります。

処理中です...