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46 ベルガリュードは兄を許せない
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ベルガリュード視点
「はぁ!? ルートとの婚約を解消した!?」
皇帝の執務室に呼び出されたベルガリュードは、皇帝から婚約解消の話を聞いた時叫び声をあげた。
「それも、私に婚約解消をサプライズで伝えるために、私に確認することもなく勝手になんて。帝国の皇帝としてあるまじき稚拙さですよ!」
「な、なんでそんなに怒ってるんだ。婚約はあんなに嫌がってただろ」
「一体いつの話をしているんですか! というかその後、ちゃんと嫌だと思っていたのは思い違いだったと報告しましたよね!」
「そ、そうだが、忙しい俺に気を使ってくれてるのかと。俺だって可愛い弟が意に添わぬ婚約を結ぶなんてかわいそうに思ったんだから仕方がないだろう」
「仕方なくありません。今の私は、ルート……、ルーナスト以外と結婚なんて考えることすらできません。兄上の行動は本気で許しがたい」
「す、すまない」
グランツェは、ベルガリュードのあまりの怒りように、自分の仕出かしたことの重大さを思いしった。
「すぐに婚約解消の撤回を求めに、ブラクルト辺境伯領へ向かいます」
「あ、まて!」
「なんです!」
「ルーナスト嬢はブラクルト辺境伯領にはいない」
「は? じゃあどこにいるんですか」
「今は……、帝国内にはいない」
言い淀むグランツェをベルガリュードは冷たく睨みつけた。
「どこにいるか聞いてるんだ!」
「隣国に諜報に」
「は!? 兄上、もしかして」
「すまない。ルーナスト嬢は帝国軍に入ることを望んでいたため、お前が気まずい思いをしないように、特殊部隊に入隊させた」
ベルガリュードは言葉を失った。
特殊部隊は普通の部隊にいるよりもはるかに危険の伴う部隊だ。
婚約を解消させた上に、そんな部隊に入れるなどという鬼畜を、自分の兄がしたということに怒りを覚えた。
「私は、兄上が皇帝として国を治める日が来た時に、それを支えられるように武を極めました。私は兄上を尊敬していました。ですが、私に関わることを、私抜きで決定した、ルーナストを傷つけ、私の大切なルーナストとの結婚という未来を取り消した。とても許すことはできません。」
「ベルガリュード……、本当にすまなかった。本当に喜ぶと思っていたんだ」
肩を落とし、謝罪してくるグランツェに、それでもベルガリュードの怒りは治らなかった。
こんなに声を荒げたことは生まれた時の産声くらいのものだろうと、ベルガリュードの中の冷静な自分が笑う。
怒りで力が入っていた体から、意識して力を抜き、一つ息を吐き出した。
「……今回のことは、あなたのように誰彼構わず、人に惚気ることをしなかった私にも責任があるとして、ルーナストの心を私に戻す協力をしていただいて、そしてそれがうまく行った場合には、水に流す事にいたします」
「……はい」
そうしてまずはルーナストが今やっている任務が落ち着くのを待った。
ベルガリュードはルーナストを調べさせたが、なんだかんだ任務を楽しんでいるようで少し安心した。その間に女性のパートのダンスの練習などをこなした。
ルーナストの侍従であり、友人であるショーンにこっそりと連絡を取り今回の事情について話すとショーンは笑って『そんなことだと思いました』と答えた。
「ルーナストは、女性らしいと言われる大概のことは苦手です。自分のそんな部分にルーナストは人一倍引け目を感じているんです。閣下とならうまくいくと思っていたんですけど」
「すまない……」
「まぁ、今回のことはルーナストもしっかり閣下に確認しなかったのが悪いと思ってるし、ルーナストには幸せになってもらいたいから、僕も協力できることがあればします」
「っ、助かる。ありがとう」
ショーンから聞いた話によると、ルーナストは自分の苦手分野をかなり気にしているようだ。
(一般的に女性らしくと言われることができないことは、俺と結婚するのに何も必要はない)
むしろそんなところを好ましく思っているのに、ルーナストには全く伝わっていなかったのかと思うと、ベルガリュードは悔しさでいっぱいになった。
もっと他に伝え方があったのか。
それこそグランツェのように誰彼構わず、惚気を聞かせてやれば良かったのか。
後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
(私は、ルーナストが女性だから好きになったのではないというのに)
ベルガリュードはルーナストにせめてそれを分かってもらうために、仮面舞踏会を使うことにした。
ルーナストがもう一度ベルガリュードを好きだと思ってくれるようになればいい。
ただそれだけを考えて行動した。
「はぁ!? ルートとの婚約を解消した!?」
皇帝の執務室に呼び出されたベルガリュードは、皇帝から婚約解消の話を聞いた時叫び声をあげた。
「それも、私に婚約解消をサプライズで伝えるために、私に確認することもなく勝手になんて。帝国の皇帝としてあるまじき稚拙さですよ!」
「な、なんでそんなに怒ってるんだ。婚約はあんなに嫌がってただろ」
「一体いつの話をしているんですか! というかその後、ちゃんと嫌だと思っていたのは思い違いだったと報告しましたよね!」
「そ、そうだが、忙しい俺に気を使ってくれてるのかと。俺だって可愛い弟が意に添わぬ婚約を結ぶなんてかわいそうに思ったんだから仕方がないだろう」
「仕方なくありません。今の私は、ルート……、ルーナスト以外と結婚なんて考えることすらできません。兄上の行動は本気で許しがたい」
「す、すまない」
グランツェは、ベルガリュードのあまりの怒りように、自分の仕出かしたことの重大さを思いしった。
「すぐに婚約解消の撤回を求めに、ブラクルト辺境伯領へ向かいます」
「あ、まて!」
「なんです!」
「ルーナスト嬢はブラクルト辺境伯領にはいない」
「は? じゃあどこにいるんですか」
「今は……、帝国内にはいない」
言い淀むグランツェをベルガリュードは冷たく睨みつけた。
「どこにいるか聞いてるんだ!」
「隣国に諜報に」
「は!? 兄上、もしかして」
「すまない。ルーナスト嬢は帝国軍に入ることを望んでいたため、お前が気まずい思いをしないように、特殊部隊に入隊させた」
ベルガリュードは言葉を失った。
特殊部隊は普通の部隊にいるよりもはるかに危険の伴う部隊だ。
婚約を解消させた上に、そんな部隊に入れるなどという鬼畜を、自分の兄がしたということに怒りを覚えた。
「私は、兄上が皇帝として国を治める日が来た時に、それを支えられるように武を極めました。私は兄上を尊敬していました。ですが、私に関わることを、私抜きで決定した、ルーナストを傷つけ、私の大切なルーナストとの結婚という未来を取り消した。とても許すことはできません。」
「ベルガリュード……、本当にすまなかった。本当に喜ぶと思っていたんだ」
肩を落とし、謝罪してくるグランツェに、それでもベルガリュードの怒りは治らなかった。
こんなに声を荒げたことは生まれた時の産声くらいのものだろうと、ベルガリュードの中の冷静な自分が笑う。
怒りで力が入っていた体から、意識して力を抜き、一つ息を吐き出した。
「……今回のことは、あなたのように誰彼構わず、人に惚気ることをしなかった私にも責任があるとして、ルーナストの心を私に戻す協力をしていただいて、そしてそれがうまく行った場合には、水に流す事にいたします」
「……はい」
そうしてまずはルーナストが今やっている任務が落ち着くのを待った。
ベルガリュードはルーナストを調べさせたが、なんだかんだ任務を楽しんでいるようで少し安心した。その間に女性のパートのダンスの練習などをこなした。
ルーナストの侍従であり、友人であるショーンにこっそりと連絡を取り今回の事情について話すとショーンは笑って『そんなことだと思いました』と答えた。
「ルーナストは、女性らしいと言われる大概のことは苦手です。自分のそんな部分にルーナストは人一倍引け目を感じているんです。閣下とならうまくいくと思っていたんですけど」
「すまない……」
「まぁ、今回のことはルーナストもしっかり閣下に確認しなかったのが悪いと思ってるし、ルーナストには幸せになってもらいたいから、僕も協力できることがあればします」
「っ、助かる。ありがとう」
ショーンから聞いた話によると、ルーナストは自分の苦手分野をかなり気にしているようだ。
(一般的に女性らしくと言われることができないことは、俺と結婚するのに何も必要はない)
むしろそんなところを好ましく思っているのに、ルーナストには全く伝わっていなかったのかと思うと、ベルガリュードは悔しさでいっぱいになった。
もっと他に伝え方があったのか。
それこそグランツェのように誰彼構わず、惚気を聞かせてやれば良かったのか。
後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
(私は、ルーナストが女性だから好きになったのではないというのに)
ベルガリュードはルーナストにせめてそれを分かってもらうために、仮面舞踏会を使うことにした。
ルーナストがもう一度ベルガリュードを好きだと思ってくれるようになればいい。
ただそれだけを考えて行動した。
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