(完結)好きな人には好きな人がいる

いちみやりょう

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律葉視点 律葉の恋6

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辰巳先輩と偽装交際をすることが決定した翌日。
学校へ行くと、道があまり話したことのないクラスメイトと楽しそうに会話していた。
道が僕以外と話しているところなんて、あんまり見たことがない。

楽しそうに話す道に、僕のつまらない相談なんて出来なかった。
せめて先輩と偽装交際することになったことを伝えたかったけど、隣にはいつもあのクラスメイトが居て、近づくことが出来なかった。
そうして僕がウジウジしている間に、道との距離はどんどん開いていった。

きっと、僕が嫌になったからあのクラスメイトと居ることにしたんだ。
だって、道はたまに僕と目が合うと慌ててそらして気まずそうな顔をする。

「ストーカーの件は今、協力者と調べているから。何も心配せず勉強に集中すると良い」

そう言ってくれた先輩に甘えて、僕はもうガムシャラに勉強した。
余計なことを考える暇がないくらい、全部の時間を勉強に注ぎ込んだ。
そうして現実逃避に使われた学業は、僕に良い成績をくれた。

学年38位。
申し分なく、生徒会選考に立候補できるラインだった。

けれどテストが終わって、現実逃避する上での目標を失って、やっと冷静に考えることができた。
僕がお願いごとをたくさん頼んで、道に甘えてしまったから。だから道から嫌われて、道が僕から離れていったのなら、もう遅いかもしれないけど、これからはそんなことをしないからと誓って、許してもらえるまで謝りたい。

そう思っていた僕の願いが、どうにか天に届いたのか、その日、道が1人でいた。
道はテスト結果の順位の張り出しを見て「律葉、すごいな」と、呟いていた。


それを見て、ふわりと希望が湧いた。
もしかしたら、道は僕を嫌ったりなんかしていないじゃないか。僕がわがままを言うのをやめたら、また一緒にいてくれるんじゃないかって。

「道」
「っ、律葉」

僕が話しかけると、道は目を見開いて僕を見た。

「道。話したいことがあるんだ。放課後、いつもの自習室にきてくれる?」
「や、俺は」

焦った様な道に断られそうだと思った。

「お願い、道。僕、何時になっても待ってるからね」

必死にそう頼むと、道は小さくうなずてくれた。
道は絶対、約束を破ったりしないから、僕はホッとした。

けれどその日、自習室でいくら待っても道は来なくて、しばらくして『やっぱり今日は行けない。ごめん』とメッセージが来た。体から一気に力が抜けた。

やっぱり、人にお願いばかりしていたからバチが当たったんだ。

「道……」

僕は1人になったんだ。

それでも。やっぱりそうだとしても、道に謝りたい。
道は許してくれないかもしれないけど、せめて謝るだけでも。

翌日思い足で学校へ行くと、道はもう半端ないくらいにアルファの……、辰巳先輩の匂いを纏っていた。ぴったりと収まる所に収まった。そんな感じにしっくり来た。

恐る恐る道に謝りに行くと、逆に道から謝られて、お互いの気持ちを確かめ合った。
その話の中で道は僕のお願い事を聞くのは好きだと言ってくれたけど、それでもやっぱり道に甘えすぎるのは我慢しようと誓った。

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