サクラブストーリー

桜庭かなめ

文字の大きさ
上 下
61 / 194
本編-新年度編-

第28話『新人さんいらっしゃい-後編-』

しおりを挟む
 今日から新しくバイトを始めるのは、四鷹高校の後輩の小鳥遊杏奈さん。
 小鳥遊さんは元気に挨拶すると、とても明るい笑顔で俺達を見てくる。
 つい最近まで、カウンターで何度も接客した人がスタッフルームにいて、しかもバイトを始めると知ると不思議な気持ちになる。

「小鳥遊さん。君の指導係はこちらの速水大輝君だ。あと、合田百花君もサポートしてくれるから。分からないことがあったり、何かあったりしたときは主に彼らと私に言ってほしい」
「分かりました! 速水先輩、合田先輩、ご指導ご鞭撻のほどお願いします」
「こちらこそよろしくな、小鳥遊さん」
「これまで、お客さんとしてたくさん来てくれた杏奈ちゃんがバイトを始めるなんて。これからは同僚としてよろしくね!」

 可愛い常連客の女の子がバイトを始めるからか、百花さんは嬉しそうな様子で小鳥遊さんと握手する。

「あと、あたしのことは名前で呼んでいいからね」
「分かりました。……百花先輩」
「うん、いいね! 下の名前で呼ばれるの。あと、先輩呼びも」

 百花さん、凄くいい笑顔になっているなぁ。このお店で百花さんを先輩と呼ぶ人はいないし、百花さんは大学2年生になったばかり。先輩と呼ばれるのはひさしぶりなのかもしれない。

「速水先輩も名前で呼んだ方がいいですか?」
「小鳥遊さんの好きな呼び方でかまわないよ」
「では、先輩のことも名前で呼びますね。……大輝先輩」
「……名前で呼ばれるのっていいですね、百花さん」
「でしょ?」

 まさか、バイト先で学校の後輩に「大輝先輩」と呼んでもらえるとは。いい響きだなぁ。感動すら覚える。もしかして、これが「エモい」ってやつか?

「大輝先輩。あたしが名前で呼んでいるので、先輩もあたしのことを名前で呼んでくれると嬉しいのですが」
「そうか? じゃあ……杏奈」
「……いいですね」

 頬をほんのりと赤くしながらも笑みを浮かべてくれる杏奈。この様子なら、これから杏奈を名前呼びしても大丈夫だろう。

「ただ、男の俺が指導係で大丈夫か? 同じ女性の百花さんの方がいいなら、遠慮なく言ってくれていいんだよ」
「そんなこと言うつもりはないですよ。大輝先輩とは今までにたくさん話してきましたから。それに、大輝先輩なら、失敗しても許してくれそうですから」
「……必要に応じて叱るつもりだよ」

 春休みまで、俺は店員としてお客様である杏奈と接してきた。だから、何があっても、自分に優しく接してくれる人間だと思っているのかもしれない。それとも……まさか、俺のことを馬鹿にしているとか? 昨日、猫カフェで猫と戯れてデレデレしたからなぁ。
 常連客の子が高校でもバイトでも後輩になったのは何かの縁だ。先輩として杏奈の面倒をしっかりと見ていこう。
 顔合わせが終わったので、女性用のロッカールームの説明と着替えのために、杏奈と百花さんはロッカールームへ入っていった。

「まさか、杏奈がバイトを始めることになるとは思いませんでした」
「木曜日に連絡があって、金曜日の夕方に面接したんだよ」
「俺がバイトしているときに来ていたんですね」

 金曜はたくさんのお客様が来店されていたから、最初の休憩を取るのが結構遅かったことは覚えている。
 まさか、金曜日に杏奈が面接に来ていたとは。さっきみたいに従業員用の出入口から入ったとしたら、カウンターで接客していると気付かないな。

「ああ、そうだ。大輝君が頑張っているときにね。今まで常連客として来ていたから、明るい性格と笑顔が素敵なところは分かっていた。面接での受け答えもしっかりしていたから、彼女が面接から帰った時点で採用は決めていたよ」
「そうだったんですね」

 そういえば、休憩を取る直前、萩原店長がフロアにやってきて「春が来たねぇ」と嬉しそうに呟いていた。あれは、新しく杏奈がバイトを始めるからだったんだな。

「昨日の午前中に杏奈君に採用の連絡をしたんだ。指導係に大輝君がいいと思って、今日来てもらうことにした。これからしばらくの間は、杏奈君と一緒に働いてもらうよ」
「分かりました。去年、俺がバイトを始めたときは百花さんと一緒でしたもんね。百花さんに教えてもらったときのことを思い出しながら、杏奈に仕事を教えていければと思います」
「ああ、よろしく頼むよ。指導係になったし、今月からバイト代を上乗せするからね」
「……頑張らせてください」
「ははっ、期待しているよ」

 荻原店長はいつもの落ち着いた笑みを浮かべると、俺の右肩をポンポンと叩いた。
 バイトは1年近くやっているけど、本格的に指導するのはこれが初めてだ。しっかりとやっていかないと。

「お待たせしました!」

 すると、女性用のロッカールームの方から、制服姿の杏奈と百花さんが姿を現した。杏奈の着ている制服の胸には『小鳥遊』の名札と、『研修中』のバッジが付けられている。あの『研修中』バッジ懐かしいなぁ。

「おぉ、似合っているじゃないか、杏奈君」
「ありがとうございます、店長。百花さんの制服姿を見て、この制服を着てみたいと思っていたんですよ。大輝先輩は……どうですか?」

 そう問いかけ、上目遣いで俺のことを見つめてくる杏奈。目が合うと、ちょっと首を傾げるところが可愛らしい。

「よく似合ってるよ」
「……えへへっ、ありがとうございます」
「本当によく似合ってるよ、杏奈ちゃん。あと、大輝君。今日のバイトが終わった後、あたしの家で杏奈ちゃんの歓迎会するつもりだけど、予定は空いてる?」
「空いていますよ。ですから、参加しますね」

 そういえば、去年、俺がバイトを始めたときも歓迎会をしてくれたな。ただ、俺と2人きりだったので、喫茶店でスイーツを食べながら百合作品などを語り合ったんだけど。
 アニメイクなどのお店には行ったことがあるけど、百花さんの家には行ったことがなかったな。本の貸し借りもこのスタッフルームでしていたし。彼女の家がどんな感じなのか楽しみにしておくか。

「大輝君、まずはこのマニュアルを使って杏奈君への指導をしていこうか」
「分かりました。……これ、懐かしいですね。百花さんと店長がこれを使って教えてくださったのを思い出します」
「ははっ、そうだね。当たり前だけど、当時よりも頼りがいのある存在になったよ」
「……ありがとうございます」
「これからもよろしく頼むよ。大輝君は杏奈君への指導、百花君はいつも通りフロアの方に向かってくれ」
「分かりました」
「分かりました! フロアに行ってきますね!」

 百花さんは俺達の方に手を振って、スタッフルームを後にした。その直後に俺は萩原店長に従業員のマニュアルを渡される。

「じゃあ、杏奈。まずは接客の際の心構えや言葉遣いから覚えていこうか」
「はい、よろしくお願いします」

 小さなメモ帳とボールペンを取り出す杏奈。学ぶ姿勢があってよろしい。
 それから、マニュアルを使って杏奈に心構えや言葉遣いなどについて教えていく。たまに、店長からアドバイスをいただきながら。それは自分にとってのいい復習にもなる。あと、自分がバイトを始めたときの頃を思い出す。
 言葉遣いを教えるときは、実際に声に出して練習していく。笑顔も声も可愛らしいので凄く印象がいい。慣れない言葉遣いがあるのか、たまに噛んでしまうときもあるけど、それも可愛らしい。

「だいぶ良くなったね、杏奈君。少し休憩をしたらフロアに出て、実際に接客してみようか」
「は、はい!」
「大輝君は杏奈君のすぐ側にいて、彼女の接客をサポートしてくれるかな」
「分かりました」

 去年、俺もバイトを始めたときに、百花さんが後ろについていてくれたっけ。
 俺はお手洗いで用を足した後、スマホを確認する。すると、サクラからスーパーでのバイトの制服姿の写真が送られていた。一緒に送られてきたメッセージによると、母さんが撮影したものらしい。さっそくスマホに保存。
 写真のお礼と、杏奈がうちでバイトを始めて杏奈の指導係になったという旨のメッセージをサクラに送った。
 スタッフルームに戻ると、杏奈は萩原店長と一緒にホットコーヒーを飲んでいた。

「勉強した後のコーヒーは美味しいですね」
「ははっ、休憩中のコーヒーや紅茶は美味しいものだよ。これからも休憩するときは遠慮なくコーヒーや紅茶を飲んでくれ」
「はい!」

 杏奈はよくコーヒーや紅茶を頼んでいたな。きっと、これからはここでコーヒーや紅茶を楽しむ杏奈の姿を見ることになるだろう。

「あぁ、ごちそうさまでした」
「じゃあ、そろそろ行こうか」
「はい!」

 俺は杏奈と一緒にフロアに向かう。
 百花さんの隣のレジが空いていたので、俺はそこで杏奈にレジの使い方を教えていく。また、ドリンクのディスペンサーなどの説明も行う。
 そして、実際に接客の様子を見てもらうため、まずは俺がお手本にお客さんが一段落するまで数人ほど接客をしていった。

「一段落したし、次からは杏奈が接客をしてみようか」
「わ、分かりました」
「頑張ってね、杏奈ちゃん!」
「はい!」

 杏奈は俺と入れ替わる形でカウンターに立つ。

「お客さんが来たら、俺と一緒に『いらっしゃいませ』って言おうな」
「分かりました」

 そう言う杏奈は笑顔を見せていたけど、緊張しているようにも見える。実際にお客さんの見える場所に立つと緊張してしまうのだろう。
 すると、穏やかそうな年配の女性が俺達の前に立つ。杏奈がチラッと俺の方を見たので、俺は小さく頷く。

『いらっしゃいませ』
「店内でお召し上がりですか?」
「持ち帰りで」
「お持ち帰りですね。ご注文は何になさいますか?」
「アップルパイ一つとアイスコーヒーのSサイズを一ついただけるかしら」
「アップルパイとアイスコーヒーのSサイズをお一つずつですね。ええと……」
「ガムシロップとミルクはいかがいたしましょうか」

 緊張しているから、杏奈は注文を聞いてレジ操作をするのに精一杯なのかもしれない。初めての接客だし、それは仕方ないな。
 すると、年配の女性は微笑み、

「どちらもいりません。以上で」
「はい。確認いたします。アップルパイお一つとアイスコーヒーのSサイズをお一つですね」
「はい」
「合計で430円になります」
「では、500円で」
「500円お預かりします。70円のお返しになります。少々お待ちください」

 杏奈は注文されたアップルパイとSサイズのアイスコーヒーを用意していく。お持ち帰りなので、それらを紙の手提げ袋に丁寧に入れていった。

「お待たせしました。アップルパイとアイスコーヒーのSサイズになります」
「ありがとう。バイト頑張ってね、お嬢ちゃん」
「ありがとうございます。またお越しくださいませ」

 杏奈の明るく一生懸命な接客が良かったのか、年配の女性のお客様はこちらに笑いかけてお店を後にした。

「最初にしてはとても良かったよ」
「横でチラッと見ていたけど、あたしも良かったと思うよ」
「ありがとうございます。緊張しました。優しそうなお客様で良かったです。あと、緊張しすぎてガムシロップとミルクのことを忘れちゃいました」
「最初はそんなものだよ。忘れないように気を付けていこう。俺もバイトを始めた頃は百花さんに何度も助けてもらっていたし」
「そうだったねぇ」

 ふふっ、と百花さんは楽しそうに笑う。
 バイトを始めた頃は自分のことで精一杯で、他の店員に仕事を教える日が来るとは想像もできなかった。きっと、杏奈もこれからそういう存在になっていくのだろう。
 それからも、たまに俺が助けながら、杏奈は接客していく。
 接客時の声や笑顔がとてもいいので、俺よりも早く仕事ができるんじゃないだろうか。杏奈のポテンシャルの高さを彼女のすぐ後ろで感じている中、

『いらっしゃいませ』
「いらしゃいまし……た」

 事前にバイトのシフトを教えていたからか、一紗が来店してくれた。しかし、杏奈のすぐ側に立っているからなのか、一紗は見開いた目で俺達を見るのであった。
しおりを挟む
読んでいただきありがとうございます。お気に入り登録や感想をお待ちしております。

『クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。』の続編がスタートしました!(2025.2.8) 学園ラブコメです。是非、読みに来てみてください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/89864889

『高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。』は全編公開中です。 学園ラブコメ作品です。是非、読みに来てみてください。宜しくお願いします。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/441389601

『まずはお嫁さんからお願いします。』は全編公開中です。高校生夫婦学園ラブコメです。是非、読みに来て見てください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/120759248
感想 1

あなたにおすすめの小説

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2024.8.2)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

向日葵と隣同士で咲き誇る。~ツンツンしているクラスメイトの美少女が、可愛い笑顔を僕に見せてくれることが段々と多くなっていく件~

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の加瀬桔梗のクラスには、宝来向日葵という女子生徒がいる。向日葵は男子生徒中心に人気が高く、学校一の美少女と言われることも。  しかし、桔梗はなぜか向日葵に1年生の秋頃から何度も舌打ちされたり、睨まれたりしていた。それでも、桔梗は自分のように花の名前である向日葵にちょっと興味を抱いていた。  ゴールデンウィーク目前のある日。桔梗はバイト中に男達にしつこく絡まれている向日葵を助ける。このことをきっかけに、桔梗は向日葵との関わりが増え、彼女との距離が少しずつ縮まっていく。そんな中で、向日葵は桔梗に可愛らしい笑顔を段々と見せていくように。  桔梗と向日葵。花の名を持つ男女2人が織りなす、温もりと甘味が少しずつ増してゆく学園ラブコメディ!  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしています。

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?

みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。 普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。 「そうだ、弱味を聞き出そう」 弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。 「あたしの好きな人は、マーくん……」 幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。 よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?

管理人さんといっしょ。

桜庭かなめ
恋愛
 桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。  しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。  風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、 「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」  高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。  ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!  ※特別編10が完結しました!(2024.6.21)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※続編がスタートしました!(2025.2.8)  ※1日1話ずつ公開していく予定です。  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

処理中です...