サクラブストーリー

桜庭かなめ

文字の大きさ
上 下
60 / 194
本編-新年度編-

第27話『新人さんいらっしゃい-前編-』

しおりを挟む
 4月12日、日曜日。
 今日は午前10時からバイトがあるけど、午前6時半に目が覚めた。スッキリと目覚められたのは、昨日サクラとデートしたからかな。昨日のデートは本当に楽しかった。
 今日も朝からよく晴れており、清々しい気分になれる。
 昨日はサクラとデートを楽しんだから、今日のバイトは今まで以上に頑張れそうだ。これからは日曜日だけバイトがあるときは、必ず土曜日にサクラと2人でお出かけしたり遊んだりするといいんじゃないか?

「それにしても、『今日は少し早めに来てほしい』ってどういうことなんだろう?」

 実は昨日の夜に萩原店長から電話がかかってきて、

『すまないけど、明日は少し早めに来てくれるかな。大事な話があるんだ』

 と言われたのだ。大事な話って何だろう? もしかして、萩原店長が異動して別の店長になるとか? もし、異動だとしても、俺が普段よりも早く出勤する必要性は感じられない。
 あと、考えられるのは……俺に何か役職が与えられるとか? バイトリーダーとか。ただ、現在のリーダーは数年以上バイトしている方だし、その方が辞めそうだという話は聞いたことがない。それに、百花さんなどの先輩がたくさんいるから、きっとその話でもないだろう。
 百花さんにも訊いてみると、彼女も俺と同じことを店長に言われたという。どんな内容なのか心当たりはないらしい。

「まあ、それも出勤すれば分かる話か」

 萩原店長のことだ。俺にとって、不利益になる事態になることは避けてくれるだろう。

『文香ちゃん、ちょっと話があるんだけどいいかしら』
『はい、何ですか?』

 廊下から母さんとサクラのそんな会話が聞こえてくる。母さんの声色からして、何か不測の事態が起こったように思える。もしかして、哲也てつやおじさんと美紀さんの身に何かあったのか?
 部屋の扉を開けてサクラの部屋の方を見ると、

「ありがとう、助かるわ」
「気にしないでください。1年の頃から、週末に単発のバイトとか、夏休みや冬休みに短期のバイトをやっていましたから。お金が入るのは嬉しいです」
「ありがとう。じゃあ、9時半を過ぎたら一緒に行こうね」

 母さんがサクラの頭を撫でていた。2人とも笑顔を浮かべているので、まずい事態にはなっていないようだ。

「母さん、サクラ。何かあったのか?」
「パート先のスーパーで、今日のシフトに入る人が何人も来られなくなっちゃって。シフトに入っていない人も、外せない用事がある人が多くて」
「だから、私が助っ人に呼ばれたの。午前10時から午後1時までの3時間。試食コーナー中心のお仕事になるみたい」
「文香ちゃんは料理の腕は確かだし、笑顔が素敵だから適任だと思って」
「母さんの言う通りだな」

 サクラにピッタリな仕事内容だと思う。料理上手だし、接客も……去年、オリオの中にあるお店で期間限定の商品を販売している姿を見たとき、サクラは笑顔でこなしていた。だから、きっと今回も大丈夫だろう。
 バイトの制服姿のサクラを見て、彼女の作ったものを試食してみたかったけど、午前10時から午後1時までだと俺のバイトと丸被り。近いから休憩時間に抜け出してスーパーに行くのも可能だけど、そこまでの度胸はない。

「じゃあ、今日はお互いにバイトか。頑張ろうな、サクラ」
「うん。頑張ろうね、ダイちゃん! 気が向いたら、マスバーガーに行こうかなと思っていたんだけど、バイトをしてからだと疲れて行けないかもしれない。そうなったらごめんね」
「気にしないでいいよ。バイトが終わって、店に行く元気があれば来てくれ。サクラもバイトしていると思うと、今日の仕事を頑張れそうだよ」

 俺がそう言うと、サクラは頬をほんのりと赤くして笑顔を見せる。

「……私も。ダイちゃんが頑張っていると思うと頑張れそう。スーパーの中には優子さんもいるし」
「私が文香ちゃんの面倒を見るから安心してね」

 母さんと一緒なら、急なバイトでも安心だな。サクラも今のような笑顔を見せられれば、お客さんにも好印象を与えられるんじゃないだろうか。
 それにしても、サクラがバイトをすることになるとは。予想してなかったな。俺も予想外のことを店長に言われそうで不安になってきたのであった。



 午前9時40分。
 萩原店長に言われた通り、今日は普段よりも早めに出勤する。スタッフルームに行くと、そこには萩原店長と制服姿の百花さんの姿があった。2人とも微笑んでおり、特に深刻そうな様子は見られない。

「おはようございます、店長、百花さん」
「おはよう、大輝君!」
「大輝君、おはよう。早めに来てくれてありがとう」
「いえいえ、すぐに制服に着替えてきますね」

 俺は男性用のロッカールームに行き、マスバーガーの制服へと着替える。
 さっき、2人は微笑んでいたな。余計に何を言われるのか分からなくなってきた。悩ましそうな様子であれば、こちらも心構えができるんだけど。
 着替え終わり、スタッフルームに戻ると、店長はホットコーヒー、百花さんはホットティーを飲んでゆっくりとしていた。

「着替えてきました。さっそくですけど……俺に話したい大事な話って何ですか? 百花さんにも連絡したそうですが」
「あたしも萩原店長からああいう連絡を受けたのは初めてなので、全然分からないです」
「ははっ、そうかい」

 萩原店長は上品に笑うと、ホットコーヒーを一口飲む。

「モヤモヤさせてしまったならすまなかったね。大輝君と百花君に早めに来てもらったのは他でもない、今日から新しいバイトの子が入ることになったんだよ。その子はバイト自体初めてだそうだ。その子にはフロア担当になってもらう。なので、2人に指導係を頼まれてほしい。メインは大輝君で、サポート的な立場は百花君がいいと私は考えている」
「指導係ですか……」

 大事な話っていうのは、新人のバイトさんの指導係の打診だったのか。最悪、バイトをクビになるかもしれないとも考えていたのでほっとした。

「大輝君はバイトを初めてから1年近く経ちますし、フロアの仕事は1人で難なくこなせていますもんね。指導する方になってもいい頃だと思うけど、大輝君はどう?」
「勉強はともかく、仕事を教えた経験はあまりありませんが……百花さんもサポートについてくださるのであればやれそうです」
「もちろんサポートするよ!」
「うん。2人からいい返事を聞けて良かった。私もサポートしていくから安心してほしい」
「分かりました」

 今日から、バイトで後輩ができるのか。2年生になってから初めて登校する日に、サクラも「後輩ができてもきっと大丈夫だと思う」と言ってくれた。バイトの先輩として頑張るか。

「そういえば、今日からバイトを始める人ってどんな方なんですか? バイトをするのが初めてだと言っていましたが」

 高校1年か大学1年の可能性が高そうかな。同い年か年下ならまだしも、年上だったらちょっとやりにくそうだ。

「もうすぐ来るし、来てからのお楽しみということで。きっと、大輝君と百花君ならすぐに仲良くなれる人だと思うよ」

 そう言ってウインクし、再びホットコーヒーを一口飲む萩原店長。ここでお茶目な部分を発揮しないでくれませんかね。まあ、もう少しで分かるなら訊かないでおくか。
 でも、俺や百花さんならすぐに仲良くなれそうな人って誰なんだ? サクラ……は既に仲直りしているし、そのことは店長も知っている。それに、サクラは母さんのパートするスーパーに助っ人として行っているし。まさか、一紗か? ただ、一紗も俺の友人だと紹介しているしなぁ。
 ――コンコン。
 従業員用の出入り口の方からノック音が聞こえた。

「……来たかな」

 そう呟くと、萩原店長はカップをテーブルに置いて、従業員用出入口に向かう。既に働いている従業員ならノックしないだろうから、おそらく例の新人さんだろう。

「おはようございます!」
「おはよう。時間前にちゃんと来てくれたね」

 ……あれ? この元気で可愛らしい声……今までに何度も聞いたことあるし、つい最近もこの声の持ち主と話したような。昨日あたりに。

「君の指導係になる人と、他にも何人かスタッフルームにいるから、まずはその人達に挨拶しようか」
「はい!」

 ゆっくり振り返ると……そこには店長と私服姿の小鳥遊さんの姿が。小鳥遊さんは俺と目が合うとニッコリ笑ってくれる。確かに、小鳥遊さんとならすぐに仲良くなれそうかな。

「みなさん。お話があります。こちら、今日からうちで働くことになった小鳥遊杏奈さんです。フロア担当になります。ですので、特にフロア担当の方は気にかけてあげてください。……小鳥遊さん、簡単でいいから挨拶をしてくれるかな」
「はい。初めまして、四鷹高校1年の小鳥遊杏奈といいます。バイトは初めてですが頑張ります。これからよろしくお願いします!」

 明るい笑顔でそう自己紹介すると、小鳥遊さんは俺達に向かって頭を下げた。そんな小鳥遊さんに、スタッフルームにいる従業員達は拍手を送るのであった。
しおりを挟む
読んでいただきありがとうございます。お気に入り登録や感想をお待ちしております。

『クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。』の続編がスタートしました!(2025.2.8) 学園ラブコメです。是非、読みに来てみてください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/89864889

『高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。』は全編公開中です。 学園ラブコメ作品です。是非、読みに来てみてください。宜しくお願いします。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/441389601

『まずはお嫁さんからお願いします。』は全編公開中です。高校生夫婦学園ラブコメです。是非、読みに来て見てください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/120759248
感想 1

あなたにおすすめの小説

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2024.8.2)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

向日葵と隣同士で咲き誇る。~ツンツンしているクラスメイトの美少女が、可愛い笑顔を僕に見せてくれることが段々と多くなっていく件~

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の加瀬桔梗のクラスには、宝来向日葵という女子生徒がいる。向日葵は男子生徒中心に人気が高く、学校一の美少女と言われることも。  しかし、桔梗はなぜか向日葵に1年生の秋頃から何度も舌打ちされたり、睨まれたりしていた。それでも、桔梗は自分のように花の名前である向日葵にちょっと興味を抱いていた。  ゴールデンウィーク目前のある日。桔梗はバイト中に男達にしつこく絡まれている向日葵を助ける。このことをきっかけに、桔梗は向日葵との関わりが増え、彼女との距離が少しずつ縮まっていく。そんな中で、向日葵は桔梗に可愛らしい笑顔を段々と見せていくように。  桔梗と向日葵。花の名を持つ男女2人が織りなす、温もりと甘味が少しずつ増してゆく学園ラブコメディ!  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしています。

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?

みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。 普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。 「そうだ、弱味を聞き出そう」 弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。 「あたしの好きな人は、マーくん……」 幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。 よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?

管理人さんといっしょ。

桜庭かなめ
恋愛
 桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。  しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。  風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、 「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」  高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。  ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!  ※特別編10が完結しました!(2024.6.21)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※続編がスタートしました!(2025.2.8)  ※1日1話ずつ公開していく予定です。  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

処理中です...