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第3章 兄さまと学園生活

15歳

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さて、俺は15歳になり王立学園の高等部に入学することになった。

通常は12歳から14歳まで王立学園初等部に通うのが通例だが、俺はハリカ先生とユリウスから講義を受けることと引き換えに免除になっていた。

――――何故こんなことになったのかと言うと、以前第2王子がウチに電撃訪問した事件が関係しているらしい。

王子が関わり、国王の甥っ子でもある俺が関わったその事件のこともあって俺には特別プログラムが組まれたらしく、例外的に初等部に通わなくていいことになってしまった。

兄さまと一緒に通うこともちょっと楽しみだったのだが、兄さまに【第2王子】と学園内で遭遇したらどうすると聞かれ戦慄した。

確かに、恐い。兄さまは2学年上、王子が兄さまの目に入らない場所で何かしでかすかもしれない。父さまもユリウスも、兄さまもハリカ先生もたんたんも、みんな過保護が過ぎる気もするのだが。しかし、この件に関して義父さまと兄さまが何だか団結してきたような気がして、ちょっと嬉しかったのはナイショだ。

そんなこともあって、初等部に通うことはなく、俺は高等部から通うことになったのだ。とはいえ、高等部の3年に第2王子もいるのでは……?と、兄さまに問えば。

――――あれなら外国に行っているから大丈夫。

だそうだ。留学に行っているってことかな?それならばそれで安心なんだけども。兄さまたち、何かしてないよね?何となく回答が恐くて聞けずじまいである。

しかしながら、転生・ピンクっぽい髪・学園。何だかこのキーワードにフラグ臭を感じてしまう。あぁ、前世で小説やら漫画に親しみ過ぎたのだろうか。

おなじみの前世で読んでいた小説、やっていたゲームにそっくりな世界と言う可能性も考えたが、やっぱり記憶にない。

――――ってか、兄さまと似たキャラが前世で親しんでいた小説やゲームなどに出てきていたら忘れるはずがない。

もしかしたら、該当しないパターンと、単に俺が知らないだけのパターンもある。
あぁ、前世で親しんでいた小説やゲームなどに似た世界に転生した転生主人公やヒロインが羨ましい!いや、それはそれで苦労があるのかもしれないが。

しかしながら重要なのは、ピンク頭は……。

大体逆ざまぁされるキャラだと言うこと!!

特徴は、

1 大体かわいい顔をしている。
2 お花畑
3 尻軽
この3点が重要だろうか。

まず、1に関しては、―――いや、普通だよな、俺?
※あくまでもヴィン個人の意見です

2に関しては、頭をお花畑にしなければいいのではないだろうか。
※あくまでもヴィン個人の見解です

―――つまりは。

「兄さまのことだけで脳内をいっぱいにすればいい」
うん、俺天才!

3に関しては、大体のピンク頭のヒロイン(♂も可)は王子と宰相の息子と騎士団長の息子とか、ラスボス的な隠し攻略キャラにとっかえひっかえ手を出して好感度を上げるのだ。
※あくまでもヴィン個人の印象です

それならば俺がやることは決まっている。

「俺の脳内を兄さまで満たし、そして兄さまだけを追っかけ、兄さまだけを愛せばいい!」
これでフラグ回避は確実だ!ルーセルさんは兄さまの友人で、俺も親しいけれど俺にとっても友人のような感じだし、好感度上げようとかそう言うのないし。だいじょぶっ!
※あくまでもヴィン個人の考察です

「……そうか、嬉しい。ヴィン」

ぎゅむっ

いきなり後ろから抱きしめられた。その温もりを与えてくれる主が誰なのか。そんなことは分かり切っている。後ろを振り向こうとすれば、すりすりと頬を擦り付けてくれる。

「兄さま」
「ふふっ。そんなことを言ってくれるなんて。もう、屋敷から出したくなくなってしまう」

「いや、そんな。さすがに高等部には通わなきゃだし」
俺が初等部への通学を免除されたのは、第2王子が原因だ。今年入学するにあたって、3年生になる第2王子は留学中でこの国にいない。ならば安心して通えるし。

「そうだな。同じ学舎で学ぶとしても、教室や棟は別々だから結局会えないし、その間ヴィンに何かあったらと考えると気が気ではない」

「兄さまと会えないのは寂しいけど、同じ学園内にいられるから、それだけでも嬉しいよ?」

「ヴィン……」

「それに、護身術もしっかり身に着けたし!」
「それでも、心配なんだ。ヴィン」
そう言って、兄さまが抱擁を強くする。

「兄さま」

「口づけ、してもいいか」

「くっ、口づけ!?」
つまりはキス!?

「じゃないと、ヴィンを学園に通わせるなんて無理だ」

ええぇぇっ、そ、その。俺も嫌ではないし。嫌なわけはないし。

「あの、多分俺、下手、だよ?」
「やったことがあるのか?」
何か一瞬氷点下まで冷え込んだ気がしたんだけど。

「ない、から」

「ならば、ヴィンの初めては、俺のものだな」
そう言って、兄さまがふふっと微笑む。

はうああぁぁっ!!

兄さまにくるりと身体の向きを変えられれば、目と鼻の先に兄さまの美しい顔がある。

「ヴィンはかわいいから、心配なんだ」
「いや、そんなことは」
――――ないんじゃぁ?

「全く、わかっていないな」
「へっ?――――んむっ!?」

不意に唇を塞がれ、ぢゅぷっとむしゃぶるようにくちゅくちゅと唇を重ね合わせ、兄さまの唇が離れていく。

「ふあぁっ」
「ふふっ、かわいい。ヴィン」

ちゅぷっ

再び唇を塞がれ、柔らかい兄さまの唇の感触に酔いしれる。そして兄さまの生温かい舌がぬるっと俺の口のナカに入ってきて、俺の口のナカを蹂躙するようにまさぐってくる。

「んん~~~っ」
そして俺の舌に兄さまの舌がぬとっと絡まってきて、れろれろと舌を絡め合う。舌を絡め合ったまま、ふぅっと唇を放せば、空中で再びちゅぷちゅぷと舌を絡め、そのまま兄さまの口のナカに招かれた俺の舌を、兄さまが吸うようにむしゃぶってきた。

「んむぅ~~~っ」
ようやく兄さまの舌から解放されたかと思えば、何だか身体が熱くて、火照っていて。本当に、兄さまにとろとろにされてしまったみたいで。

兄さまに抱き寄せられるままにその身を委ねたのだった。



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