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しおりを挟むそしてようやくアンネロッタと二人っきりになったシルバレッドは深く息を吐くと、言いづらそうに口を開いた。
「まず……その鷹は本物の鷹じゃない。建国王が残した「黄金の鷹」という宝でな……建国王の血を受け継ぐ者だけがその鷹に意識を乗り移らせて操る事が出来るんだ」
「い、意識を……?王家にその様な宝があるとは存じ上げませんでしたが……」
「ああ、曾祖父の代に紛失していたからな。僕も父上から話には聞いていたが、実物を見たのは昨日が初めてだったから……お前が知らなくても無理はない」
「そ、そうでしたか……」
アンネロッタはシルバレッドの話に納得した様に頷く。普通の人間ならば今のシルバレッドの話を到底受け入れられる事など出来ないだろうが、アンネロッタは建国王が実は普通の人間ではなく魔法という不思議な力を扱えた特別な人間であったという王家の秘密を知っていた為、すんなりとシルバレッドの話を受け入れる事が出来た。
しかし、まだ一番重要な部分を聞いていないと思ったアンネロッタは続きを促す様にジッとシルバレッドの黄金の瞳を見つめる。と、シルバレッドは「ウッ」と小さな呻き声を漏らし、アンネロッタから視線を逸らそうとしたが……寸前で思い直して、真っ直ぐアンネロッタの青い瞳を見据えると気まずそうな顔をして絞り出す様な声で言った。
「その……最初に名乗らなかったのは純粋に恥ずかしかったからだ。本当はもう少し『鷹』として仲良くなってから正体を明かすつもりだった。ほら、アンネロッタ、お前は動物が好きだから……」
「え? え、ええ。確かに動物は好きですが……それとシルバレッド様が『黄金の鷹』を使ってわざわざ私に会いに来られた理由がーー……」
「あ~~!!もうお前は僕にここまで言わせるつもりか!?お前の体温、声、匂い……その全てを直で感じたかったから『黄金の鷹』を使ってお前に会いに行ったんだろうが!!」
半ば切れ気味で叫んだシルバレッドの言葉にアンネロッタは一瞬呆気に取られる。が、徐々にシルバレッドの言葉を理解していくにつれ、頬に熱が集まってくる。
「そ、そうだったんですね……私とした事が……全く気付きませんでしたわ……」
「フッ、フン。お前は意外と鈍感なところがあるからな……まあ、そういうところも好きなんだが……」
「ッ」
約一年振りになるシルバレッドの『デレ』にますますアンネロッタの頬が赤くなり、シルバレッドも気まずそうな顔をしつつも約一年振りに嫌味を交えず普通にアンネロッタと会話を出来ている事に嬉しさを感じており、穏やかな空気が寝室に漂い始めた。
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