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婚活再開しました
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その日結局、俺は仕事を休んだ。
病院に行くためだ。
緊急避妊薬、アフターピルを処方してもらいに……。
昨日なし崩しにあんなことになって、勿論避妊してなかったし、あれだけ中で出されたら俺、かなり高い確率で妊娠しちまうと思って。
ーーでも、心情的には行きたくなかった。
もしあれで俺の身体の中に犬塚さんの赤ちゃんが来てくれんなら、それでもいいってくらいの気持ちだったから。
だけど、それがどんなに甘い考えか、母子家庭で育った俺には何となく分かる訳で……。
病院で、アフターピル下さいって言うのは流石に勇気がいることだった。
いつも俺を見てくれてる掛かりつけの男の先生は平静な感じで受け止めてくれたけど、やっぱり心配はされたよな。「数ヶ月前に発情が乱れてましたよね。今でも続いていたんですか?」って。
どう答えたらいいのかわからなかった。
だって俺の発情が乱れる原因は全部ひとりのヒトが原因なわけで。
ピルを出してもらって、説明を受けて飲んだ後、吐き気で立ち上がれなくて、午後から出るつもりだった仕事にも行けなくなった。
受精卵の着床を阻害する薬……。
病院のベッドで横になって休ませてもらいながら、出来ればもう、二度とこんなものは飲みたくないと思った。
ーーそれから、また婚活始めようという決心がつくまでには、たっぷり2ヶ月は時間がかかった。
自分の蒔いた種とはいえ、まあショックがデカかったんだ。あんなちょっと、相手に申し訳ない感じで処女も失っちまったし。
でも、俺にとってはそれが結果的には有り難かったというか……お陰でようやく踏ん切りついたというかさ。
男!ってことへのこだわりっつーのか、そういう、意味もなく後生大事に守ってきたもんをあの時失ってみて……それって、そんなに大事なもんでもなかったわ、って気付いて。
……心の底から思ったんだ。
あの時みたいにかえってドツボにハマるくらいなら、男とか女とかに拘るのはやめようって……。
そういう意味では、この際人類じゃなくてもいい。
トラウマなんて贅沢なこと言ってられん。
俺みたいなどうしようもないのは、誰でもウエルカムになんねーと多分、結婚できねぇわ。
もう、何でも来やがれだ。
いやむしろ俺が行く方か。
……若干ヤケクソ気味かと言われれば正にその通りだ。
ヤケクソになってでも、もう終わったことーー犬塚さんのことを未練がましく考えるのをやめたかった。
俺のしたことは消えないしチャラにしようなんて思わねぇけど、この思いを断ち切らないと、またどこかで彼に迷惑を掛ける事になるかも知れないから。
その代わり……なんて言ったら失礼かもしれねーけど、念願の犬を飼おうと決意した。
俺、落ち込んでる間にやっと人生最初の引越しの意志を固めたんだ。
標的はペットオーケーの新築マンションだ。
……大人になってからいつの間にか、新しいこととか、今までと違うことをするのに極端に臆病になってた。
俺が臆病じゃなかったら、婚活ももっと早くから始めてたし、夏美さんに対して自分から身を引くこともなかったし、犬塚さんとあんなに拗れることもなかったんだと思う。
……その後で、後悔することも……。
いい加減、俺も変わりたい。
いきなりガラッと性格変えんのは無理だから、せめて家庭環境から……?
引っ越し物件の方はここ数日で大体固まったから、次は婚活を頑張る番だ。
けどちょっと、こっちの方はもう俺一人でやるには限界かなと思う。
そんなわけで、新生・鳩羽湊は、再びBLネット池袋支店の門を叩いた。
あの人にもう一度会うために。
アスファルトも煮えそうな夏真っ盛りの日曜日。
BLネット池袋支社のパーテーションに仕切られた相談ブースの中で、俺はまたいつかのように蛇の目さんに泣きついた。
「蛇の目さ~ん。俺、婚活行き詰まりました。しかも今月で34になっちまうし……どうしたらいいと思います?」
蛇の目さんは相変わらずの貫禄で、対面の椅子から肩がはみ出る感じで座っている。
丸テーブルを挟んで向かい合う俺は、さながら名医の前に出てきた患者だ。
「……鳩羽さん……」
ピンクの上下スーツを身に付けた化粧した鬼瓦が、身を乗り出して鋭い視線で俺の全身を上から下までチェックする。
「……あなた、色気が出たわね」
「いっ!? いろけ!?」
相談に行っていの一番にそんな反応が来るとは思っておらず、椅子からズリ落ちそうになった。
「ガードが、かった~~い感じだったのが、いい意味で隙が出たってことよ。……外見もまだまだ老けてないし、幾らでもチャンスはあります。ーー貴方にオススメなのは、一対一の条件マッチングよりもこれね」
筋の発達した手がテーブルの上に置かれた透明なファイルをビャラッと開く。
そこには数々の婚活パーティーのチラシが入っていた。
医者限定とか、公務員限定とか、そんな謳い文句もチラッと見える。
「鳩羽さん。あなた、今はどういう条件でお相手を探してらっしゃるの」
「うーん……。しばらく女性って条件で探してたんですけど、うまくいかなくて……」
「そうでしょうね」
そうでしょうね!?
蛇の目さん、結構酷くね!?
あなた俺のアドバイザーでしょ!?
「おっ、俺っ、前ほどワガママ言ってません。ちゃんと出産NGも外したんですよっ、偉くないっすか!?」
「そんなことは普通ですよ。あなた、産めるっていうのは婚活市場では強い武器なんですから、自分から捨てちゃうなんて勿体ないのよ」
「は、はぁ……。でも、中々、性格の合う人がいなくてですね……」
「鳩羽さんはそんな見た目と性格なのに、じつは引っ込み思案でらっしゃるものね」
分かっていらっしゃる……。
「だけど、理想の家庭への憧れは強いから、自分の思い描くご結婚像に合わないようなお相手はダメなんでしょう?」
どきっとした。
「は、はぁ……」
「従来の結婚の枠には当てはまらないような家庭を望むのが、オメガと結婚したいと思う女性達なのよ。でも、あなたはそうではない」
そうか……。思い出すと、確かにそうだ。
家事は絶対にしたくないとか、子供を産まずに仕事をして、その種も家庭外の男性に外注したい、みたいな考え方は、別に間違ってるわけじゃない。俺自身が無理だと思っただけで。
「……貴方にはきっと、あなたを引っ張ってくれるような直情的な方で、なおかつある程度常識的な家庭観念を持つ、男性の方が合っていると思うの。……前にご紹介したのも、そんな方だったわね?」
コクンと頷いた。
蛇の目さん、そこまで考えて俺に犬塚さんを紹介してくれたんだ……。
しかも、あんな引く手あまたそうな人の初めての相手に、優先的に回してくれた訳で。
「すみません……犬塚さんのことは、全部俺が悪かったんです。ほんとは交際解消したくなかったけど、色々あって……」
蛇の目さんの付けまつ毛に囲まれた瞳が一瞬、優しく光ったような気がした。
けど、すぐにサバサバっとした口調で話しながら目の前のファイルをめくり始める。
「サヨナラした人のことなんて考えても仕方ないわ。鳩羽さんはお辛かったかもしれないけど、お陰であなた、どんなお相手となら合うのかが、ご自分でやっと分かったんでしょう? 凄い進歩じゃないですか。しっかり反省して、次に同じような人を見つけた時は絶対離さないのよ!」
「はい、師匠! 俺頑張ります!」
拳を握って返事をする。
「あら~、いい心意気じゃないの。じゃあ、そんな鳩羽さんにオススメのイベントを紹介するわ」
蛇の目さんの太い指が、ファイルから一枚の紙を取り出した。
「獣人男性と、オメガ男女限定!の婚活パーティーよ」
病院に行くためだ。
緊急避妊薬、アフターピルを処方してもらいに……。
昨日なし崩しにあんなことになって、勿論避妊してなかったし、あれだけ中で出されたら俺、かなり高い確率で妊娠しちまうと思って。
ーーでも、心情的には行きたくなかった。
もしあれで俺の身体の中に犬塚さんの赤ちゃんが来てくれんなら、それでもいいってくらいの気持ちだったから。
だけど、それがどんなに甘い考えか、母子家庭で育った俺には何となく分かる訳で……。
病院で、アフターピル下さいって言うのは流石に勇気がいることだった。
いつも俺を見てくれてる掛かりつけの男の先生は平静な感じで受け止めてくれたけど、やっぱり心配はされたよな。「数ヶ月前に発情が乱れてましたよね。今でも続いていたんですか?」って。
どう答えたらいいのかわからなかった。
だって俺の発情が乱れる原因は全部ひとりのヒトが原因なわけで。
ピルを出してもらって、説明を受けて飲んだ後、吐き気で立ち上がれなくて、午後から出るつもりだった仕事にも行けなくなった。
受精卵の着床を阻害する薬……。
病院のベッドで横になって休ませてもらいながら、出来ればもう、二度とこんなものは飲みたくないと思った。
ーーそれから、また婚活始めようという決心がつくまでには、たっぷり2ヶ月は時間がかかった。
自分の蒔いた種とはいえ、まあショックがデカかったんだ。あんなちょっと、相手に申し訳ない感じで処女も失っちまったし。
でも、俺にとってはそれが結果的には有り難かったというか……お陰でようやく踏ん切りついたというかさ。
男!ってことへのこだわりっつーのか、そういう、意味もなく後生大事に守ってきたもんをあの時失ってみて……それって、そんなに大事なもんでもなかったわ、って気付いて。
……心の底から思ったんだ。
あの時みたいにかえってドツボにハマるくらいなら、男とか女とかに拘るのはやめようって……。
そういう意味では、この際人類じゃなくてもいい。
トラウマなんて贅沢なこと言ってられん。
俺みたいなどうしようもないのは、誰でもウエルカムになんねーと多分、結婚できねぇわ。
もう、何でも来やがれだ。
いやむしろ俺が行く方か。
……若干ヤケクソ気味かと言われれば正にその通りだ。
ヤケクソになってでも、もう終わったことーー犬塚さんのことを未練がましく考えるのをやめたかった。
俺のしたことは消えないしチャラにしようなんて思わねぇけど、この思いを断ち切らないと、またどこかで彼に迷惑を掛ける事になるかも知れないから。
その代わり……なんて言ったら失礼かもしれねーけど、念願の犬を飼おうと決意した。
俺、落ち込んでる間にやっと人生最初の引越しの意志を固めたんだ。
標的はペットオーケーの新築マンションだ。
……大人になってからいつの間にか、新しいこととか、今までと違うことをするのに極端に臆病になってた。
俺が臆病じゃなかったら、婚活ももっと早くから始めてたし、夏美さんに対して自分から身を引くこともなかったし、犬塚さんとあんなに拗れることもなかったんだと思う。
……その後で、後悔することも……。
いい加減、俺も変わりたい。
いきなりガラッと性格変えんのは無理だから、せめて家庭環境から……?
引っ越し物件の方はここ数日で大体固まったから、次は婚活を頑張る番だ。
けどちょっと、こっちの方はもう俺一人でやるには限界かなと思う。
そんなわけで、新生・鳩羽湊は、再びBLネット池袋支店の門を叩いた。
あの人にもう一度会うために。
アスファルトも煮えそうな夏真っ盛りの日曜日。
BLネット池袋支社のパーテーションに仕切られた相談ブースの中で、俺はまたいつかのように蛇の目さんに泣きついた。
「蛇の目さ~ん。俺、婚活行き詰まりました。しかも今月で34になっちまうし……どうしたらいいと思います?」
蛇の目さんは相変わらずの貫禄で、対面の椅子から肩がはみ出る感じで座っている。
丸テーブルを挟んで向かい合う俺は、さながら名医の前に出てきた患者だ。
「……鳩羽さん……」
ピンクの上下スーツを身に付けた化粧した鬼瓦が、身を乗り出して鋭い視線で俺の全身を上から下までチェックする。
「……あなた、色気が出たわね」
「いっ!? いろけ!?」
相談に行っていの一番にそんな反応が来るとは思っておらず、椅子からズリ落ちそうになった。
「ガードが、かった~~い感じだったのが、いい意味で隙が出たってことよ。……外見もまだまだ老けてないし、幾らでもチャンスはあります。ーー貴方にオススメなのは、一対一の条件マッチングよりもこれね」
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そこには数々の婚活パーティーのチラシが入っていた。
医者限定とか、公務員限定とか、そんな謳い文句もチラッと見える。
「鳩羽さん。あなた、今はどういう条件でお相手を探してらっしゃるの」
「うーん……。しばらく女性って条件で探してたんですけど、うまくいかなくて……」
「そうでしょうね」
そうでしょうね!?
蛇の目さん、結構酷くね!?
あなた俺のアドバイザーでしょ!?
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「は、はぁ……。でも、中々、性格の合う人がいなくてですね……」
「鳩羽さんはそんな見た目と性格なのに、じつは引っ込み思案でらっしゃるものね」
分かっていらっしゃる……。
「だけど、理想の家庭への憧れは強いから、自分の思い描くご結婚像に合わないようなお相手はダメなんでしょう?」
どきっとした。
「は、はぁ……」
「従来の結婚の枠には当てはまらないような家庭を望むのが、オメガと結婚したいと思う女性達なのよ。でも、あなたはそうではない」
そうか……。思い出すと、確かにそうだ。
家事は絶対にしたくないとか、子供を産まずに仕事をして、その種も家庭外の男性に外注したい、みたいな考え方は、別に間違ってるわけじゃない。俺自身が無理だと思っただけで。
「……貴方にはきっと、あなたを引っ張ってくれるような直情的な方で、なおかつある程度常識的な家庭観念を持つ、男性の方が合っていると思うの。……前にご紹介したのも、そんな方だったわね?」
コクンと頷いた。
蛇の目さん、そこまで考えて俺に犬塚さんを紹介してくれたんだ……。
しかも、あんな引く手あまたそうな人の初めての相手に、優先的に回してくれた訳で。
「すみません……犬塚さんのことは、全部俺が悪かったんです。ほんとは交際解消したくなかったけど、色々あって……」
蛇の目さんの付けまつ毛に囲まれた瞳が一瞬、優しく光ったような気がした。
けど、すぐにサバサバっとした口調で話しながら目の前のファイルをめくり始める。
「サヨナラした人のことなんて考えても仕方ないわ。鳩羽さんはお辛かったかもしれないけど、お陰であなた、どんなお相手となら合うのかが、ご自分でやっと分かったんでしょう? 凄い進歩じゃないですか。しっかり反省して、次に同じような人を見つけた時は絶対離さないのよ!」
「はい、師匠! 俺頑張ります!」
拳を握って返事をする。
「あら~、いい心意気じゃないの。じゃあ、そんな鳩羽さんにオススメのイベントを紹介するわ」
蛇の目さんの太い指が、ファイルから一枚の紙を取り出した。
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