真面目ちゃんの裏の顔

てんてこ米

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第八章 芽生え

8 心臓に悪い悪戯

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 早めに寝たおかげでスッキリと目を覚ました呉宇軒ウーユーシュェンは、幼馴染より先に身支度を済ませると朝食の準備に取り掛かった。
 起きる時間が早かったので、二人の他には誰も起きてきていない。叔父たちはまだしばらく寝ているだろうと考えた呉宇軒ウーユーシュェンは、ひとまず自分たちの分だけ粥を作ることにした。
 トッピングに入れる具材を切り、昨夜祖父が土産で持ってきてくれた帆立の干物を出汁に使う。贅沢に多めに入れて茹でていると、そう経たないうちにいい香りが漂ってきた。
 味見をしてみると貝の旨みがぎゅっと詰まった濃厚なスープの味がして、呉宇軒ウーユーシュェンは思わず顔を綻ばせる。祖父が買ってきてくれたものは一級品だ。
 粥をグツグツと煮込んでいると、身支度を終えた李浩然リーハオランがキッチンへやってくる気配がした。背中を向けたまま鍋に集中していた呉宇軒ウーユーシュェンは、振り返って声をかけようとしたものの、目に飛び込んできた光景に思わず息を呑んだ。
 今日の李浩然リーハオランの髪型は、いつものように前髪をサイドに流すのではなくそのまま下ろしている。どこか影のある美青年風になった幼馴染に言葉が出ず、彼は何も言わないままそっと鍋に視線を戻した。
 一体急にどうしたというのか。見慣れない彼の姿に胸がドキドキして、呉宇軒ウーユーシュェンは意味もなく鍋をぐるぐるかき混ぜる。そんな風に落ち着こうとしていると、ふとすぐ近くに彼の気配を感じた。

阿軒アーシュェン

 耳元で響く掠れた低い声に背筋がぞくりとする。呉宇軒ウーユーシュェンは思わずお玉をギュッと握り締め、振り返らずにぎこちなく返事をした。

「……な、なに?」

 鍋が焦げないように見張っているふりをしながらも、彼の全神経は幼馴染の一挙一動に集中していた。そうして李浩然リーハオランが話すまで待っていると、彼は呉宇軒ウーユーシュェンの腹に腕を回して抱きつき、肩にそっと顎を乗せた。

「どうして何も言わないんだ? この髪型は嫌い?」

 視界の端に、いつになくミステリアスな雰囲気を醸し出している彼の顔がちらりと見えるが、呉宇軒ウーユーシュェンは頑なに鍋から目を逸らさずにいた。もし彼と目が合ってしまったら、絶対に冷静ではいられない。

「すっ……ごくいいと思う」

 思わず好き!と返しそうになり、すんでのところで思い留まる。幼馴染の言葉に李浩然リーハオランは不満そうに眉をひそめ、抱きしめる力を一層強めながら鍋の中を覗き込んだ。

「混ぜすぎでは?」

 真っ当な指摘に返す言葉もなく、呉宇軒ウーユーシュェンはハハハ、と誤魔化すように笑って手を止めた。
 ここしばらく李浩然リーハオランは大人しかったが、幼馴染としていた恋愛指南の約束を今になって思い出したらしい。朝から甘ったるい空気を漂わせる彼に、呉宇軒ウーユーシュェンはどうしたものかと頭を悩ませる。しばらく考えていたものの、結局いい案は思い浮かばなかったので、彼は何食わぬ顔で無視することにした。

「よし、完成かな。先に二人で食べちゃおう」

 煮込みすぎたせか混ぜすぎたせいか、いつもよりもドロドロになった粥を掬って器によそっていく。彼がよそい始めると李浩然リーハオランはすぐに体を離し、隣で器が回ってくるのを静かに待っていたが、呉宇軒ウーユーシュェンは手渡す時にうっかり彼の顔をまともに見てしまった。
 普段は真面目な優等生といった出立ちの彼は、前髪を下ろすことによって少し影ができ、謎めいた雰囲気の美青年になっている。惜しむらくは後ろ髪が短すぎることだろう。短い方がさっぱりして見えるが、今の彼の髪型なら少し長めの方が垢抜けて見えるはずだ。

「……あっつ!」

 器を持った親指に、急に熱いものが触れてびくっとする。いつもと違った雰囲気の李浩然リーハオランに見惚れていたせいで、いつの間にか器が斜めになっていることに気が付かなかったのだ。
 先ほどまでグツグツと沸騰していたお粥は、ちょっと触れただけでも熱くて飛び上がりそうになる。そんなものが素肌に触れたら堪ったものではなく、呉宇軒ウーユーシュェンは慌てて舐め取って冷水で冷やそうと思い、器を傍に置いた。ところが彼が親指を口に入れる前に、李浩然リーハオランはその手を掴み、火傷した呉宇軒ウーユーシュェンの指を口に含んでしまった。

「なっ、ちょっ……」

 目の前で起きた出来事が信じられず、呉宇軒ウーユーシュェンはたちまち真っ赤になって言葉に詰まる。幼馴染の薄い唇はしっかりと彼の指を挟み込んでいるが、その表情には全く動揺が見られず、普段の李浩然リーハオランそのままだ。
 柔らかな唇に挟まれた指先から、生温かくてざらりとした舌の感触が伝わってくる。ヒリヒリする指の腹を舐められる度に、痛みだけではなく痺れるようなじんわりとした感覚が広がっていき、信じ難い光景に目を逸らすこともできない。
 衝撃的な出来事すぎて、どれくらいの時間そうしていたか分からないが、呉宇軒ウーユーシュェンの指先は唐突に解放された。柔らかな唇の隙間から指が引き抜かれる光景は妙に艶かしくて、彼は思わず食い入るように見入ってしまいごくりと生唾を飲む。くらくらと眩暈がしてぼうっとしていると、李浩然リーハオランは普段と変わらない声で言った。

阿軒アーシュェン、冷やしたほうがいい」

「あ、うん……」

 彼が水を出してくれたので、呉宇軒ウーユーシュェンは促されるままにジンジンと熱を持つ指先をそこに入れた。秋の水道水はキンキンに冷たいが、その冷たさが指よりも先に広がることはなく、今や彼の身体全体が熱くなっている。
 黙ったまま冷水に指をつけていた呉宇軒ウーユーシュェンは、心の中でしまった、と頭を抱えた。
 冗談の一つも飛ばさなかったばかりに、この先気まずい空気になることは間違いない。今からでも遅くはないだろうかと思い、チラリと李浩然リーハオランを窺い見ると、彼は心配そうな表情を浮かべて冷水につけられた指先を見ていた。

「大丈夫か?」

「だ、大丈夫……」

 ぎこちない笑顔でそう返事をしてから、呉宇軒ウーユーシュェンはまた心の中で頭を抱える。彼は「何が大丈夫だこの間抜け!」と心の中で自分を罵った。
 せっかく冗談で流せる空気にできそうだったのに、どうしたことか、彼の頭はいつもの十分の一も働いていない。まるで寝起きのようにぼんやりと霞みがかっているのだ。
 彼が指を冷やしている間に、李浩然リーハオランは残りの粥を掬って二つの器をテーブルへ持っていってくれた。その間にも特に先ほどの出来事について何か言うことはなかったが、呉宇軒ウーユーシュェンの方は触れられないと余計に気になってしまう。
 親指が充分に冷えたことを確認すると、彼は空になった鍋を水で満たしてから幼馴染の後に続いた。

「薬は必要か?」

 席に着こうとした呉宇軒ウーユーシュェンに、向かいに座った李浩然リーハオランは心配そうな顔を向ける。彼は先ほども平然としていたが、未だにその態度は一貫していた。そのせいで、呉宇軒ウーユーシュェンはだんだん動揺している自分の方がおかしいのではと思い始める。

「平気だよ。これくらい、料理してたらしょっちゅうあるし」

 さっきのは何?と気軽に聞けるならそれが一番いい。ただ、聞いてしまうと否応にも先ほどの艶かしい白昼夢のような出来事を思い出すことになる。そういう訳で、いつもなら元気にお喋りをしている彼は、幼馴染をチラチラと盗み見ながらも何も言えずにいた。
 俯いて黙々と粥を食べていた呉宇軒ウーユーシュェンの足に、不意につんと何かが当たる。顔を上げてみると、悪戯っぽく目を輝かせた李浩然リーハオランがこちらを見ていた。先ほど当たったのは彼のつま先だ。

「今日はやけに静かだな。腹でも痛いのか?」

 自分のしでかした事を棚に上げてからかう幼馴染に、呉宇軒ウーユーシュェンはムッとして彼の足をつつき返した。

「誰のせいだと思ってんだよ!」

 それでやっと変に緊張した空気が消えて、二人は顔を見合わせて笑った。彼が茶化してくれたお陰で、呉宇軒ウーユーシュェンも先ほどの衝撃的な出来事について触れられるようになり、早速不満タラタラに文句を言う。

「俺、びっくりしたんだからな! いきなりあんな事するから」

「うん、すごい顔をしてた」

 悪びれる様子もなく笑う李浩然リーハオランに、呉宇軒ウーユーシュェンは苦笑いするしかなかった。彼の悪ふざけは、悪戯にしては度が過ぎている。
 一体どんな顔をしていたのか聞く勇気はなく、彼は呆れ顔をしながら話題を変えた。

「今日はどこに行くつもりなんだ?」

 二人は今日、デートへ行く予定を立てていた。それもとびっきりいい場所に連れて行ってくれるらしく、呉宇軒ウーユーシュェンは楽しみで仕方がなくてうずうずしている。どんな所へ連れて行ってもらえるか気になって彼に尋ね続けているが、李浩然リーハオランは頑なに口を割らないのだ。

「着いてからのお楽しみと言っただろう?」

 そう言ってはぐらかすと、彼はそれ以上何も言わずに粥を食べ始めてしまった。もう何時間か待てば出かけられるので、呉宇軒ウーユーシュェンもそれ以上は言及せず、大人しく粥を食べることにする。
 食べ終わって後片付けをした後は、今度は李浩然リーハオランが祖父たちのためにお粥を作り始めた。最近彼はずっと練習がてら朝食を作っているのだ。呉宇軒ウーユーシュェン李浩然リーハオランに後ろから抱きついたりくすぐったりしてじゃれつきながら、彼が手慣れた様子で粥を作るのを見守っていた。
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