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✿❀✿ 番外編 ❀✿❀
§§ 一番綺麗な私を 後日 8 (sideシバ) §§
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バスターさんが執務机に倒れ伏して小さく唸っている。
俺はソファに座らされて、目の前にはMs.ウィッチとアキラ、とサイドチェアにシノダ教授が、カズマさんはいつものアキラさんの横の地べたに正座をしている。
俺はすっかり戻った自分の体を確かめるように、腕を揉んだり耳を動かしてみたりしている。
「どうじゃ?体の不調や違和感はないかね?
ふむぅ、戻る時間の差異も想定と三分以内じゃな…まぁ及第点かねぇ?」
「本当にほとんど差異なく戻れましたね、Ms.ウィッチの腕はすごいですね…」
「うん、ステータス値も元のシバさんとほとんど変わりないね!ちょっと精神的防御力が上がってるかな?これも魔法の影響なのかな…」
そう…俺の体が戻りそうな時間に執務室にくるようにっと言われていたのだ、治験のデータを取るために
三日目に当たる今日、魔法をかけられた同じ時間にあわせて、時間になる前に俺は元の俺のハーフパンツとTシャツをブカブカの状態だけど着込んで、ソファで大人しくちょっとドキドキしながら待っていると
プシューっと体の中から湯気のようなものが吹き出して、ボワッとその湯気に包まれていって、驚いて目をきつく瞑っていた。しばらくすると煙が晴れると、ぶかぶかだった服が調度よくなっていて、そう無事に元の姿に戻れたのだ!
「はい、体は大丈夫みたいです。特に違和感はありません…ちょっと体がムズムズしますが、たぶん運動不足かな?これは後で、Ms.ウィッチにぶつけるので大丈夫です。」
「ヒャッヒャッヒャッ!それは怖いねぇ、あとはどうじゃった?精神的防御力が下っておったが…自覚はできたかい?そこら辺も教えておくれ!」
「ん~、確かに昔のことをよく思い出してはいたけど…それ程は自覚はできなかったです。
確かに寂しかったなぁ~とか、悩んでたな~とかは思ったけど…その時の感情に引っ張られるまではいかなかったかな?
もしかしたら、バスターさんが構い倒してくれたお陰かも…」
執務机に突っ伏しているバスターさんがちょっとだけ顔をあげてくれる。にこりっと笑顔を返せば、泣き出しそうな顔になってゔゔぅ…っと唸りながら、また突っ伏していってしまった。
「あぁ…バスターさんのあの様子だと、小さなシバさんをかなり溺愛していたっぽいですね?そんなにすごかったですか?」
「基本的に外では俺は歩かせてもらえなかったし、家の中でもずっと付いて回ってくれてたし、常に暇さへあれば抱っこと頬を擦り寄せてくれました。溺愛は確かにすごかったです。」
散歩も一緒に行ったけど、ずっと抱っこだっし…芝生でフリスビーもしたけど、俺がフリスビーをキャッチするとバスターさんがめちゃくちゃ褒めまくりの、撫でまくりで…
『すごいなぁ、シバはやっぱり運動神経がよかったんだな!もう世界大会も目指せるぞ!!目指してみるか?一緒にフリスビーで世界を取るか!』
今思えばフリスビーの世界大会ってなんだろう?あるのかな?
とりあえずそんな風に褒められまくって嬉しかったし、ふんふんって鼻の穴大きくなって鼻息荒くなるくらい自己肯定感は上がったけど…
たぶんあんな風に褒められて、甘やかされて、寂しさもまったく感じなかったから…
「うん…やっぱりそうですね、バスターさんがずっと俺の精神的防御力が低くても、ダメージが入る隙もないほどに溺愛してくれたから…今は反対に寂しかった記憶が満たされたような気分です。」
「うん、精神的防御力が高くなったのはそれが原因かもしれんねぇ、これは医療魔法にも応用が効くかもしれないねぇ?
過去のトラウマなんかを治療するのに使えるかもしれん…うん、いいデータが取れたわい!ヒャッヒャッ、なかなかいいお礼にもなったじゃろう?」
本当にMs.ウィッチにはため息しかでないが、当初の絶対に噛みついてやる!って気はもうあまり起きない、確かにバスターさんに溺愛された休日は最高のお礼だったのだから…経緯はどうであれ、感謝したいくらいだ…絶対にそんなことら言わないけど!
俺はそんなすっきりした気分で目線をバスターさんに向ければ、やっぱり突っ伏して、ゔゔぅ…っと唸っていて、ちょっと気持ちがもやっとする。
そんなにあの小さかった俺がよかったの?元に戻った俺は眼の前にいるのに!もぅ…
「ゔゔぅ…シバとフリスビーで世界を取るつもりだったのにぃ…可愛いシバが大きくなってしまった。もっとゆっくり大きくなってくれていいのにぃ…可愛いシバがぁ…」
ブツブツと突っ伏しながら悲痛な呟きをしているバスターさん、本当に俺の雌は仕方がないなぁ…ソファから立ち上がって、机の傍らに立ってバスターさんの頭を優しく撫でて
「バスターさん、俺は直ぐ側にいるじゃないですか!それとも、あの小さい俺の方がよかったんですか?バスターさんは今の俺を愛してはくれないの?今の俺が一番可愛いとはいってくれないんですか?」
「今のシバは…ゔゔぅ…小さい可愛いシバがぁ、こんなに大きくなってしまっだぁぁ…」
俺の言葉に顔を上げてチラリと俺を見るが、すぐにクシャリっと顔をくずして濡れた瞳のままにまた机に突っ伏してしまった。
どういうことですか?本当に小さい俺の方がよかったってことなの!!
俺はソファに座らされて、目の前にはMs.ウィッチとアキラ、とサイドチェアにシノダ教授が、カズマさんはいつものアキラさんの横の地べたに正座をしている。
俺はすっかり戻った自分の体を確かめるように、腕を揉んだり耳を動かしてみたりしている。
「どうじゃ?体の不調や違和感はないかね?
ふむぅ、戻る時間の差異も想定と三分以内じゃな…まぁ及第点かねぇ?」
「本当にほとんど差異なく戻れましたね、Ms.ウィッチの腕はすごいですね…」
「うん、ステータス値も元のシバさんとほとんど変わりないね!ちょっと精神的防御力が上がってるかな?これも魔法の影響なのかな…」
そう…俺の体が戻りそうな時間に執務室にくるようにっと言われていたのだ、治験のデータを取るために
三日目に当たる今日、魔法をかけられた同じ時間にあわせて、時間になる前に俺は元の俺のハーフパンツとTシャツをブカブカの状態だけど着込んで、ソファで大人しくちょっとドキドキしながら待っていると
プシューっと体の中から湯気のようなものが吹き出して、ボワッとその湯気に包まれていって、驚いて目をきつく瞑っていた。しばらくすると煙が晴れると、ぶかぶかだった服が調度よくなっていて、そう無事に元の姿に戻れたのだ!
「はい、体は大丈夫みたいです。特に違和感はありません…ちょっと体がムズムズしますが、たぶん運動不足かな?これは後で、Ms.ウィッチにぶつけるので大丈夫です。」
「ヒャッヒャッヒャッ!それは怖いねぇ、あとはどうじゃった?精神的防御力が下っておったが…自覚はできたかい?そこら辺も教えておくれ!」
「ん~、確かに昔のことをよく思い出してはいたけど…それ程は自覚はできなかったです。
確かに寂しかったなぁ~とか、悩んでたな~とかは思ったけど…その時の感情に引っ張られるまではいかなかったかな?
もしかしたら、バスターさんが構い倒してくれたお陰かも…」
執務机に突っ伏しているバスターさんがちょっとだけ顔をあげてくれる。にこりっと笑顔を返せば、泣き出しそうな顔になってゔゔぅ…っと唸りながら、また突っ伏していってしまった。
「あぁ…バスターさんのあの様子だと、小さなシバさんをかなり溺愛していたっぽいですね?そんなにすごかったですか?」
「基本的に外では俺は歩かせてもらえなかったし、家の中でもずっと付いて回ってくれてたし、常に暇さへあれば抱っこと頬を擦り寄せてくれました。溺愛は確かにすごかったです。」
散歩も一緒に行ったけど、ずっと抱っこだっし…芝生でフリスビーもしたけど、俺がフリスビーをキャッチするとバスターさんがめちゃくちゃ褒めまくりの、撫でまくりで…
『すごいなぁ、シバはやっぱり運動神経がよかったんだな!もう世界大会も目指せるぞ!!目指してみるか?一緒にフリスビーで世界を取るか!』
今思えばフリスビーの世界大会ってなんだろう?あるのかな?
とりあえずそんな風に褒められまくって嬉しかったし、ふんふんって鼻の穴大きくなって鼻息荒くなるくらい自己肯定感は上がったけど…
たぶんあんな風に褒められて、甘やかされて、寂しさもまったく感じなかったから…
「うん…やっぱりそうですね、バスターさんがずっと俺の精神的防御力が低くても、ダメージが入る隙もないほどに溺愛してくれたから…今は反対に寂しかった記憶が満たされたような気分です。」
「うん、精神的防御力が高くなったのはそれが原因かもしれんねぇ、これは医療魔法にも応用が効くかもしれないねぇ?
過去のトラウマなんかを治療するのに使えるかもしれん…うん、いいデータが取れたわい!ヒャッヒャッ、なかなかいいお礼にもなったじゃろう?」
本当にMs.ウィッチにはため息しかでないが、当初の絶対に噛みついてやる!って気はもうあまり起きない、確かにバスターさんに溺愛された休日は最高のお礼だったのだから…経緯はどうであれ、感謝したいくらいだ…絶対にそんなことら言わないけど!
俺はそんなすっきりした気分で目線をバスターさんに向ければ、やっぱり突っ伏して、ゔゔぅ…っと唸っていて、ちょっと気持ちがもやっとする。
そんなにあの小さかった俺がよかったの?元に戻った俺は眼の前にいるのに!もぅ…
「ゔゔぅ…シバとフリスビーで世界を取るつもりだったのにぃ…可愛いシバが大きくなってしまった。もっとゆっくり大きくなってくれていいのにぃ…可愛いシバがぁ…」
ブツブツと突っ伏しながら悲痛な呟きをしているバスターさん、本当に俺の雌は仕方がないなぁ…ソファから立ち上がって、机の傍らに立ってバスターさんの頭を優しく撫でて
「バスターさん、俺は直ぐ側にいるじゃないですか!それとも、あの小さい俺の方がよかったんですか?バスターさんは今の俺を愛してはくれないの?今の俺が一番可愛いとはいってくれないんですか?」
「今のシバは…ゔゔぅ…小さい可愛いシバがぁ、こんなに大きくなってしまっだぁぁ…」
俺の言葉に顔を上げてチラリと俺を見るが、すぐにクシャリっと顔をくずして濡れた瞳のままにまた机に突っ伏してしまった。
どういうことですか?本当に小さい俺の方がよかったってことなの!!
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