夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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1030.タネ明かし 5  (sideシバ)

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「シバさんはずっと誤解をしていますよ、番ってもその渇望は満たされませんよ?
シバさん、貴方はもうバスターさんと番っています。たぶんずっと前に…」


ダーク様の言葉に思考が止まった。番っている!?ずっと前に???


「必要ないんですよ、番うことには項を噛みつくことは!それは狼から進化した人狼の一種の慣習みたいなものなんです。
強くお互いが番たいと想い合いながら、交わることこそが、番になるのに必要なんです。
だから、今のシバさんのその渇望は番った人狼の雄の普通の欲求です。」

「えっ?必要ないの?あんなに一般的なのに…えっ?
じゃあ、このバスターさんが欲しくて、離したくなくて、ずっと側にいたいのも、この胸が苦しいくらい愛しいのも、バスターさんを閉じ込めたくて、俺だけ見て欲しくて、俺だけ触りたくて、俺だけを考えて欲しいのも…
ずっと続くの?番った雄には普通のことなの!」

「えっ…シバっ…それはっ…」


バスターさんがちょっと引いたような雰囲気を出してるが今はそれどころじゃない!
悪いけど、今はダーク様の話でいっばいいっばいなのだ!


「そうですね、既番の雄の一般的な心理状態ですね、他にも雄は自分のテリトリーから長く離れたり、雌が自分から長く離れると不安症を発症しますし…」


俺が入院中がその状態だ…あとバスターさんが公開決闘の準備のときも帰りが遅かったり外泊したりで不安定にもなってた…


「雌の世話をするのを至極の喜びに感じますし、常に周りの外敵から守ろうとします。」


普段の自分の行動としか思えない、バスターさんが俺のご飯を食べて、掃除したお風呂に入って、整えたベッドに寝てくれるのが至福だし、外敵は…バスターさんが強すぎてなりえる者がほとんどいないけど…


「未番の雌からのアプローチに拒否反応が出たり、雌への他の雄の臭いに過敏に反応したりします。」


キティさんの臭いがドブ臭かったのもそれか!バスターさんの決闘後の雄の臭いにブチギレたのも…もうこれは…


「ははっ…身に覚えがありまくるって顔に書いてありますよ?そうっ…シバさん達はずっと前から番ってたから、あのクソ野郎に奴隷にされなかったんですよ、これで謎がとけましたね?
ふふっ…ただいろいろと面倒なので番ったのは昨日ということにしてください!
クソ野郎の裁判のやり直しとかになったら大変ですからね…もう死んでますしね?」

「それは、わかりました。うわぁ…ちょっと突然に言われて、実感が伴わない…番ってたって…俺達は番えてたのかぁ…」


まだ実感がわかないが、番ってたってことに、なんだか胸の奥がジワジワと喜びが溢れてくる。


「シバ…あのっ、どういうことなんだ?
番ってたって…」

「あぁっ!!すいません…俺が無知なばかりに、バスターさんにいらない心配をさせてしまった。あのっ…たぶん二回目の時のアレで、番えていたみたいで…本当に、すいません!」


そうだ!バスターさんからしたら、俺の無知さで振り回されまくったんだ、これは絶対に怒るだろう!
バスターさんがソファにちょっと俯いたままで、拳を強く握りしめていて、小さく肩が震えていて…これは、めちゃくちゃ怒ってる??


「シバ…もう番っているなら、もうシバを誰かに奪われることもないんだよな?シバはずっと…私だけを、ずっと…」

「あっ…バスターさん…はいっ!俺達はずっと一緒ですから!俺はもうバスターさんしか愛せないし、バスターさんしか見えないし、バスターさんと離れられませんから!だからっ…だからっ…」


バスターさんの力の入ってぷるぷると震えている拳にポツリッと水滴が落ちる。
唇もぷるぷると震えていて、色白の肌が紅色してうっすらピンク色なのがちょっと綺麗で…


「泣かないで…バスターさん!ずっとずっと一緒ですからね?バスターさんは俺の雌なんだから!!もう…俺達は番えたんだから!!
俺はもうバスターさんから離れませんから」


バスターさんは泣いていた。
ポロポロと溢れる涙が止められないかのように、俺はそんな可愛らしいバスターさんを誰にも見せたくなくて、強く抱きしめていく腕の中に包み隠すように
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