夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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30.新たな番

842.謎の人アキラさん  (sideシバ)

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「私です!シバの番う相手は、アキラさんではなく私ですから!シバは私の雄ですから!!」


バスターさんが俺を助けるために叫ぶようにしてダーク様に宣言してくれる。
それはもう、神に誓うように堂々と…
あぁ…俺の雌は最高にカッコいいよ!!


それでもそんなバスターさんにダーク様が顔を向けていく、やめて!バスターさんは関係ないから…お願いですから、俺の雌に酷いことしないでって、もうしがみついてでも懇願しようとしたら…


「……ダークも恐ろしいこと言わないでよ!そんな族長顔しないで…僕はいつものいい奴のダークじゃないと嫌だよ!」


アキラさんの言葉にもう魔獣みたいだったダーク様の雰囲気が、一変して柔らかな普段のダーク様に戻っていった。
シュンっとなって俺やバスターさんに謝ってくれるけど…

やめてください!俺なんか貴方様に頭を下げられるような者じゃないから!
天上人が石っころに謝るみたいなものだから!




「っということで、いままでもダークには僕のオリジナルポーションを卸してますが、ここでできるダンジョン用のポーションも卸す予定なんですよ
ほらっ、人狼の独特の社会だと人間族の会社の商品って売れないでしょ?だからダークを通すと、すごく信用があがって売上も上がるから、大変にありがたいルートなんですよ」


アキラさんがソファにゆっくりと腰掛けてから資料を開いて隣のダーク様に見せていく
向かい座るバスターさんと俺も資料をみるけど…正直緊張しすぎて文字が読めない!


「何を言ってるんですか?貴方は格安で私の組に卸してくれてるから、そちらの儲けなんて微々たる額でしょ?もう…これは献金レベルですよ?」

「ちゃんとうちの会社には利益はもらってるよ?ちょっと色をつけただけ!
ダークが族長になったらうちの会社の利益も更に増えるでしょ?これは投資でもあるんだよ、それでも僕が個人でやってたときよりは割合は低くなっちゃったけど…ごめんね」

「何言ってるんですか?額の桁違いでしょうが…アキラも無理はしてませんか?
その色って本当はアキラの取り分なんじゃないですか?」

「いいんだよ…ダークにはずっとよくしてもらってるし、僕がダークを応援したいの!
ダークは僕の自慢の親友なんだからね?これくらいやらせてよ…」


………何?なんか目の前でイチャイチャされてる気がする
違った!そこを気にする前に、つまり俺の所属している組にアキラさんてめちゃくちゃお金を出してくれてるってこと?
アキラさんってそんなことしてたの?
もう目を向いてアキラさんを見れば


「シバさん?貴方がどんな勘違いをしたかは知りませんが…アキラは私の組での最大のスポンサーですからね?
もしまたアキラを傷つけるよつなことをしてみなさい………そのときは……先程のどちらかを選んでもらいますからね?」


怖い!絶対にしたくない二択を選ばされるなんて、ブルブルって体が勝手に震えてしまう


「大丈夫だって、シバさんはきっとこれからしっかりと働いてくれるし、バスターさんとも番う予定なんでしょ?
ほらっ…怖い顔になってるよ?眉間にシワ寄せないで……」


ちょっとアキラさん!うちの組長候補の眉間を何ナデナデしてるんですか?そんなに気安く触れる方じゃないんだからね?
人間でいう皇太子か大統領候補レベルの方だからね?

………って何をダーク様も気持ちよさそうに目を細めててうっとり顔してるの?何なの?アキラさんって本当に何者なの?
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