夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

文字の大きさ
上 下
845 / 1,164
30.新たな番

841.推し犬荒ぶる (sideバスター)

しおりを挟む
シバの様子を見ていると、どうやら応援をしている族長候補がダークさんだったらしい

耳をぺったんこにさせて、尻尾はくるんっとさせて最大限に服従を表しながらウルウルお目々で少し興奮したようにダークさんを見つめている。

これは確かにアキラさんのいうように、推しアイドルに直接会ったファンみたいだなぁ
私としては、少々複雑な気持ちでそれを見ているが…


「…ねぇ?シバさん…貴方は番申請書をだしたらしいですね?」


ただにこやかだったダークさんの声が一変して地を這うような低く脅すような声に変わり、私の隣に立つシバを射り殺す勢で睨みつけていく…

ちょっと…これは絶対に祝福をしているような声のトーンではないし、その眼差しは殺意すら含んでいるようで


「貴方は他種族で、同性の番申請書を出したと昨日に口頭で報告を受けました。
えぇ…素晴らしい、私の考えに正に合致しています。愛に種族も性別も障害になってはいけないと、私は日頃から思っていますからね?
でも…貴方の相手は誰ですか?まさか…私の親友と番おうなんぞ思っていませんよね?」

「えっ?ちがっ…ちが…くてっ…」

「貴方がアキラに手を出した・・・・・という報告も受けていますからね?
ジョン君を愛しているアキラが貴方と番うことに同意してるとは思えない…
何をしようとしてるんですか?無理矢理に番う気でしたか?
そんなの私が許すわけがない!
わかってますよね?…私にかかれば、貴方の親族ごと消すことだってできますよ?それとも正々堂々と決闘でもしますか?」


恐ろしい顔でシバを見下げながらジリジリとダークさんがにじり寄ってきて
シバが可哀想な程に震えて、涙目で小さくなっていっいて、こんなシバは見たことがなくて…


「私です!シバの番う相手は、アキラさんではなく私ですから!シバは私の雄ですから!!」


つい必死になったち叫んでしまっていた。
これ以上、シバの怯えている姿を見ていたくなくて

恐ろしい顔のままダークさんがこちらにギギギッと首だけ動かして向いてくる。無表情で目だけ爛々と輝かせる大変に狂気を感じる表情で、この顔を向けられたら確かに私でも恐ろしい…


「ダーク!勘違いしてるよ、シバさんの恋人はバスターさんだからね?
僕に手を出した・・・・・っていうのは、いろいろな行き違いでね?ちょっとトラブって衝突しちゃっただけだからね?
ダークも恐ろしいこと言わないで!そんな族長顔しないで…僕はいつものいい奴のダークじゃないと嫌だよ!」

「…あぁ…私の勘違いでしたか、それは申し訳ありませんでした。
シバさんも申し訳ない、つい感情のままに威圧をしてしまいました。
同じ短毛種でシバさんくらいのムキムキなら私でもいいだろう!っと私感も入りました…許してください。」


アキラさんの言葉に、一瞬にして優しい雰囲気のダークさんの表情で、シバに深々と頭を下げて謝罪をしていく


「いえ…そんなっ、全然大丈夫です!
ダーク様に謝られるなんて…本当に本当に大丈夫ですから」


変わり身が早すぎて、こちらの方が反応が追いつかない!飼い主と調教されている犬のレベルで荒ぶるダークさんが大人しくなったぞ!


「バスターさんも申し訳ありませんでした。
まさか貴方がシバさんの番う相手だとは…
シバさんも大変に立派で屈強な雌を射止めたのですね?羨ましいかぎりです。」


自分の叫んでしまった言葉に、今更ながら顔熱くなっていくのを感じる。
私は、一体何を叫んだのだ?
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

5人の幼馴染と俺

まいど
BL
目を覚ますと軟禁されていた。5人のヤンデレに囲われる平凡の話。一番病んでいるのは誰なのか。

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

処理中です...