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5.二人の生活

59お互いの思案

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アキラはカバンの中の書類を渡す。

「はい、おじいちゃんプレゼント」

ジョンを真似して渡してみる。

「なんじゃ?気持ち悪い」

対応が違いすぎる。泣ける。

「この前の肉のお礼ですよ。
あの肉おいしかったですが、めちゃくちゃ硬かったんです。

これらの植物を餌にすれば柔かくなるかと、あまり知られてない植物もあるんで、参考になれば…」

会長の目が光った。

「ほぉ~これはこれは、あれはまだ市場に流してない魔獣の肉じゃったんじゃよ。

ふむふむ、なるほど、どうして雑食とわかったんじゃ?」


「遺伝子分析ですぐですよ、あとだいたいの魔獣の種類も推測してます。

あれ飼育するつもりですか?」

かなり危険度の高い魔獣だったので、飼育する社員たちの身を案じた。

「まぁまだまだ、計画段階じゃよ。

ふ~ん、アキラ君やはり、給料をあげるから我社の専属になってくれんか?」


会長が真面目な顔で言ってきた。



「でも、僕がやりたい研究は御社の需要に合わない場合もありますしぃ、その場合は御社には貢献もできませんのでぇ、少々難しいかとぅ」


ちゃかした社会人口調で断りにかかるが、


「それならそれ用に新しい部門を立ち上げるワイ
ひょいひょいと片手間みたいにこんな情報渡す人物を、他社にも情報を持ってかれる方が不利益じゃ。」


「ん~、それでいいんてますか?僕ポーションとかの研究もしてるし、食品とはちょっと違いますよ」


「それなら健康食品系に使えるし、食べ物はなんでも関わってくるんじゃぞ!」


これは、断るらせてくれないなとアキラは諦めた。


「わかりました。とりあえず、今抱えている案件が一つありますので、それが終わってからになりますよ。
今月中には終わりますから」


「よし、これで決まった。しっかりした契約はその時期だと、二週間後かの?」


アキラにも専属の話は嫌なわけではなかった。
ジョンと一緒に住みだして、研究の時間が前より少なくなった。
今までのように、期日のある研究はし難いのだ。

今までの研究の特許契約でお金は困らないが、研究を発表する場や活かす場がなくなるのは研究者として困る。

それなら、会長の元で好きに研究できるのはありがたい。

お互いにありがたい契約になった。
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