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【オーロラside】明日から覚悟しなさい
しおりを挟むオーロラはノアールの腕に抱かれたまま謁見室を後にした。城を出て、公爵家の馬車に乗る。
「自分で座るか?」
「このままがいい」
もうちょっと甘えさせて・・・
「お姫様は今日は、とことん甘えるんだな?」
「えぇ、今日くらいいいでしょう?」
「はいはい、仰せのままに」
あぁ、やっぱりいいわね。しばらくできないからしっかり味わっておきたいのよ。でも急に俺様ノアールが出てきたけれど、本性はこちらなんでしょうね・・・ご丁寧な従者気取りのノアールも素敵だけど、こっちのノアールの方が好きかもしれないわ。でも、どうして急に本当の自分を出してきたのかしら?
「お嬢様、ノアール様、おかえりなさいませ・・・って、お嬢様、どうなさったのです!?」
ビリビリに裂かれたドレスを見て、使用人が驚いている。
驚かせたわ・・・決してノアールがしたんじゃないから。ノアールはそんな事しないわ、紳士だもの。いや、もしかするとケダモノになるかもしれないわね・・・未知数だわ。
「ちょっと事情があるのよ。それより、セシル殿下に触れられたのが気持ち悪いわ。早く湯あみしたい」
本当は湯あみなんかじゃなくて、ノアールに触れて欲しいわ。上書きしてほしいもの。
コンコンコン。
「どうぞ?」
「ノアール・・・」
「オーロラ・・・どうした?」
「眠れないの・・・今日だけ一緒に寝てもいいかしら?」
「へっ!?い、一緒に!?」
「えぇ、怖くて・・・思い出してしまって眠れそうにないの」
まぁ、そんなの嘘なんですけどね。私演技上手くない?怖いというより気持ち悪かったかしらね。
「し、仕方ないな。今日だけだぞ?」
「ありがとう・・・ノアール」
今日だけね?今日で最後かもしれないわよ?明日から三日は目覚めないつもりだから。ノアールが、ノアールが!私にどうぞって言ってる!!うわーい!ふふっ、ノアールがいるぅぅ。あぁぁ、ノアールだぁぁ・・・ダメね・・・私の方が離れられなくなりそうだわ・・・
ノ、ノアールが・・・頭を撫でて・・・背中さすってくれてる・・・やだ・・・どうしよう・・・嬉しい・・・こうされたかったのよ!さぁ、私は安心して眠ったわよ?ノアールも寝なさい!
うん、ノアール眠ったようね・・・明日から覚悟しなさいよね。
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次回
なんで・・・どうして・・・
全く、オーロラよ・・・早く目を覚ませ・・・
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