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四章 アイ参上!
40話 ビキニのお姉さん
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オープニングショーが終わって少しして、今僕達三人はある重要な選択肢を突きつけられていた。
「うーん……ウチさっき焼きそば食べたいって言ったけど、思ったより他のメニューも充実してるな……」
今から食べるものをどうするか悩んでいたのだ。チラシを見るに焼きそば以外にも美味しそうなものがたくさんある。
「普通に手分けして買いに行って、その後みんなで食べればよくないですか?」
「それもそうか。じゃあうち焼きそばのところに並んでくるから二人は別の所お願いねー」
しかしその問題はあっさりと解決する。岩永さんは焼きそばの列に並びに行く。
「峰山さんは何か食べたいものある?」
「わたくしは……このクレープが食べてみたいですね」
「じゃあ僕は向こうで席を取って……あと飲み物とかでも買ってくるよ」
僕は彼女と別れ、少し離れた所にある席付きの海の家まで行く。お昼には少々早い時間帯なのでそこまで混んではいない。
「あれ? ボクどうしたの? 迷子?」
店の看板に書いてあるメニューを見て何を買おうかと悩んでいると、突然後ろから話しかけられる。
僕に話しかけてきた女性はとても綺麗でスタイルが良い女の子で、黒色のビキニを着ていて峰山さんのようにサングラスをかけていた。
年は僕より少し上くらいだろうか、大人っぽさを漂わせる彼女が僕の方に歩み寄ってくる。
「いや僕は迷子じゃないです。友達に頼まれて席を取りに来ただけで……」
「ふーんそうなんだ。だとしても感心しないな。こんな子供を一人で歩かせるなんて」
僕は心の中でまたかと思い溜息を吐く。
こうやって実年齢より若く見られて話しかけられることがちょくちょくあるのだ。身長が低いのも童顔なのも自覚こそしているが、こういうのには正直飽き飽きしている。
でも身長が伸びやすいものを積極的に食べたり、早く寝たりしているのに身長中々伸びないんだよな……
「あの……僕一応十六歳です」
「え!? 嘘……アタシと同いど……待って。今年十六になったの?」
「はい。先週誕生日で十六になりました」
実際の年齢を教えて驚かれるのもこれで何度目だろうか。
「なら、ギリギリアタシの方が年上でお姉さんってことだね」
彼女は明るい笑顔を見せる。発言から考えるに彼女は僕の一個上、高校二年生なのだろう。
「分かってくれたなら僕もう行きますね。友達に頼まれてるんで……」
「待てよ……子供っぽく見える高校一年生……まさか……?」
列に並ぼうとした時彼女がいきなり僕の肩を力強く掴み引き止める。
「ちょっと待って。君ってもしかして……」
「痛っ!」
彼女の手が肩に食い込んでおり鋭い痛みが僕を襲う。華奢な見た目をしている割に力が強く、握力だけなら成人男性よりもありそうだ。
「あ、ごめん。つい力込めちゃった」
彼女は僕の肩を離してくれて、僕は肩を抑えて変な跡がついてないかなど確認する。
「それで今度は何ですか?」
「君に何個か聞きたいことができちゃって」
「聞きたいこと?」
迷子に間違われてその上肩も軽く痛めて、正直もうこの場から離れたかったが、どうしてもと詰め寄られて押し負けてしまい僕はもう少し彼女に付き合うことにする。
「年齢的に高校一年生だろうけど、君ってここら辺の高校に通ってるの?」
「少し離れた所ですけど、そんな遠くはないです」
その答えを聞くなり彼女は考え込み始める。きっと他の質問を考えているのだろう。
「じゃあ次ね。君って運動とかできる方? 例えば壁を蹴って跳んだり、バク転とかはできる?」
「それくらいならできますけど」
僕はこの小さな体格のおかげもあり、かなりアグレッシブな動きができる。鎧なしにしても連続でバク転したり、庭から家の屋上まで登ったりするくらいなら朝飯前だ。
「あの……さっきから何なんですか? 質問の意図がよく分からないんですけど?」
「ごめんね。これで最後だから。君ってもしかして寄元生人って子?」
最後にと言われた質問。その内容は僕の名前を指しているものだった。
名前を言い当てられドキッとしてしまい、僕は黙り込んでしまう。
その行為は悪手だった。何故ならその沈黙と反応は肯定になってしまうから。
「ここじゃあまり話せないね。ちょっとこっち来てくれるかな?」
彼女に手を引っ張られ僕はどこかに連れて行かれる。
抵抗はできなかった。この人は僕がダンジョン配信をしているあの生人だということを知っている。やろうと思えば今ここで叫んで人を呼んで大騒ぎにもできてしまうから。
そうして僕は誘拐される子供のように連れてかれ、誰もいなく他の人達から死角になっている岩陰に連れ込まれる。
「ここなら誰にも聞かれないし、いっぱいお話しできるね。ラスティー君」
彼女は僕の配信名を強調して言い僕に牽制をかけてくる。
「こんなところまで連れてきて僕をどうするつもりなんですか?」
「あははそんな怖がらないで。アタシはただラスティーという配信者について色々聞きたいことがあるってだけだから。それに君も周りの人に聞かれない方が好都合でしょ?」
「そりゃそうですけど……」
彼女の言う事は概ね正しい。ダンジョン配信に関して話すのなら人を集めて騒ぎになってしまうので誰にも聞かれない方が良い。
それはそうだがこうやって強引に岩陰に引き込んで聞くのはどうかと思う。
「聞きたいことは一つ。どうしたら君みたいにそんな人を惹きつける魅力を出せるかってことなの」
その質問は以前にされたことがあるものだった。峰山さんと初めて会った日に尋ねられたものと全く一緒の質問をされた。
僕はとりあえず峰山さんに話したように、声の出し方など色々説明する。しかし彼女はしっくりきていないようだった。
「そういうのじゃないんだよね。君から感じられるそのオーラ的なものの正体が知りたいの」
「オーラって、そんなめちゃくちゃな……」
彼女は理論を組み立て論理的に解説した僕の説明を無視し、ふんわりとした曖昧な内容を話す。
オーラって言われてもなぁ……つまるところ精神的なものってことだよねこの場合は。何か良い感じの説明、説明……
考えて考え抜いた結果、ほぼこじつけのような感じだが一応理由っぽいものは見つかる。僕はそれを頑張って説明っぽくなるように頭の中で文を組み立て言葉にしようとする。
「強いて言うなら夢や目標ってところですかね」
「夢や目標? ほうほう。それはどういう?」
夢という単語に彼女は反応を示し前のめりになって耳を傾ける。
「僕には夢があるんです。みんなを助けるヒーローになるっていう夢が。それはどうしても成し遂げたい、成し遂げなきゃいけない夢で、それだけを見て僕は生きてきたんです。
そういう意地でも叶えたいっていう気持ちがあるから、だからそれがお姉さんが言うオーラみたいなものに見えたんじゃないですかね?」
「意地でも叶えたいか……分かるなその気持ち」
僕のその答えは彼女にとっては模範解答だったのか、彼女は満足そうにしてくれる。
「そういうあなたは何か夢があるんですか?」
僕に対して共感を示してくれた彼女に今度はこちらから質問する。
「ん~内緒。多分明日になったら分かると思うよ」
「え? 明日? それってどういう……」
「それじゃあアタシは用があるからもう行くね! 引き留めちゃってごめんまた明日!」
彼女は腕時計を見て顔色を変え、半ば強引に話を切り上げてそのまま走り去っていく。
「うーん……ウチさっき焼きそば食べたいって言ったけど、思ったより他のメニューも充実してるな……」
今から食べるものをどうするか悩んでいたのだ。チラシを見るに焼きそば以外にも美味しそうなものがたくさんある。
「普通に手分けして買いに行って、その後みんなで食べればよくないですか?」
「それもそうか。じゃあうち焼きそばのところに並んでくるから二人は別の所お願いねー」
しかしその問題はあっさりと解決する。岩永さんは焼きそばの列に並びに行く。
「峰山さんは何か食べたいものある?」
「わたくしは……このクレープが食べてみたいですね」
「じゃあ僕は向こうで席を取って……あと飲み物とかでも買ってくるよ」
僕は彼女と別れ、少し離れた所にある席付きの海の家まで行く。お昼には少々早い時間帯なのでそこまで混んではいない。
「あれ? ボクどうしたの? 迷子?」
店の看板に書いてあるメニューを見て何を買おうかと悩んでいると、突然後ろから話しかけられる。
僕に話しかけてきた女性はとても綺麗でスタイルが良い女の子で、黒色のビキニを着ていて峰山さんのようにサングラスをかけていた。
年は僕より少し上くらいだろうか、大人っぽさを漂わせる彼女が僕の方に歩み寄ってくる。
「いや僕は迷子じゃないです。友達に頼まれて席を取りに来ただけで……」
「ふーんそうなんだ。だとしても感心しないな。こんな子供を一人で歩かせるなんて」
僕は心の中でまたかと思い溜息を吐く。
こうやって実年齢より若く見られて話しかけられることがちょくちょくあるのだ。身長が低いのも童顔なのも自覚こそしているが、こういうのには正直飽き飽きしている。
でも身長が伸びやすいものを積極的に食べたり、早く寝たりしているのに身長中々伸びないんだよな……
「あの……僕一応十六歳です」
「え!? 嘘……アタシと同いど……待って。今年十六になったの?」
「はい。先週誕生日で十六になりました」
実際の年齢を教えて驚かれるのもこれで何度目だろうか。
「なら、ギリギリアタシの方が年上でお姉さんってことだね」
彼女は明るい笑顔を見せる。発言から考えるに彼女は僕の一個上、高校二年生なのだろう。
「分かってくれたなら僕もう行きますね。友達に頼まれてるんで……」
「待てよ……子供っぽく見える高校一年生……まさか……?」
列に並ぼうとした時彼女がいきなり僕の肩を力強く掴み引き止める。
「ちょっと待って。君ってもしかして……」
「痛っ!」
彼女の手が肩に食い込んでおり鋭い痛みが僕を襲う。華奢な見た目をしている割に力が強く、握力だけなら成人男性よりもありそうだ。
「あ、ごめん。つい力込めちゃった」
彼女は僕の肩を離してくれて、僕は肩を抑えて変な跡がついてないかなど確認する。
「それで今度は何ですか?」
「君に何個か聞きたいことができちゃって」
「聞きたいこと?」
迷子に間違われてその上肩も軽く痛めて、正直もうこの場から離れたかったが、どうしてもと詰め寄られて押し負けてしまい僕はもう少し彼女に付き合うことにする。
「年齢的に高校一年生だろうけど、君ってここら辺の高校に通ってるの?」
「少し離れた所ですけど、そんな遠くはないです」
その答えを聞くなり彼女は考え込み始める。きっと他の質問を考えているのだろう。
「じゃあ次ね。君って運動とかできる方? 例えば壁を蹴って跳んだり、バク転とかはできる?」
「それくらいならできますけど」
僕はこの小さな体格のおかげもあり、かなりアグレッシブな動きができる。鎧なしにしても連続でバク転したり、庭から家の屋上まで登ったりするくらいなら朝飯前だ。
「あの……さっきから何なんですか? 質問の意図がよく分からないんですけど?」
「ごめんね。これで最後だから。君ってもしかして寄元生人って子?」
最後にと言われた質問。その内容は僕の名前を指しているものだった。
名前を言い当てられドキッとしてしまい、僕は黙り込んでしまう。
その行為は悪手だった。何故ならその沈黙と反応は肯定になってしまうから。
「ここじゃあまり話せないね。ちょっとこっち来てくれるかな?」
彼女に手を引っ張られ僕はどこかに連れて行かれる。
抵抗はできなかった。この人は僕がダンジョン配信をしているあの生人だということを知っている。やろうと思えば今ここで叫んで人を呼んで大騒ぎにもできてしまうから。
そうして僕は誘拐される子供のように連れてかれ、誰もいなく他の人達から死角になっている岩陰に連れ込まれる。
「ここなら誰にも聞かれないし、いっぱいお話しできるね。ラスティー君」
彼女は僕の配信名を強調して言い僕に牽制をかけてくる。
「こんなところまで連れてきて僕をどうするつもりなんですか?」
「あははそんな怖がらないで。アタシはただラスティーという配信者について色々聞きたいことがあるってだけだから。それに君も周りの人に聞かれない方が好都合でしょ?」
「そりゃそうですけど……」
彼女の言う事は概ね正しい。ダンジョン配信に関して話すのなら人を集めて騒ぎになってしまうので誰にも聞かれない方が良い。
それはそうだがこうやって強引に岩陰に引き込んで聞くのはどうかと思う。
「聞きたいことは一つ。どうしたら君みたいにそんな人を惹きつける魅力を出せるかってことなの」
その質問は以前にされたことがあるものだった。峰山さんと初めて会った日に尋ねられたものと全く一緒の質問をされた。
僕はとりあえず峰山さんに話したように、声の出し方など色々説明する。しかし彼女はしっくりきていないようだった。
「そういうのじゃないんだよね。君から感じられるそのオーラ的なものの正体が知りたいの」
「オーラって、そんなめちゃくちゃな……」
彼女は理論を組み立て論理的に解説した僕の説明を無視し、ふんわりとした曖昧な内容を話す。
オーラって言われてもなぁ……つまるところ精神的なものってことだよねこの場合は。何か良い感じの説明、説明……
考えて考え抜いた結果、ほぼこじつけのような感じだが一応理由っぽいものは見つかる。僕はそれを頑張って説明っぽくなるように頭の中で文を組み立て言葉にしようとする。
「強いて言うなら夢や目標ってところですかね」
「夢や目標? ほうほう。それはどういう?」
夢という単語に彼女は反応を示し前のめりになって耳を傾ける。
「僕には夢があるんです。みんなを助けるヒーローになるっていう夢が。それはどうしても成し遂げたい、成し遂げなきゃいけない夢で、それだけを見て僕は生きてきたんです。
そういう意地でも叶えたいっていう気持ちがあるから、だからそれがお姉さんが言うオーラみたいなものに見えたんじゃないですかね?」
「意地でも叶えたいか……分かるなその気持ち」
僕のその答えは彼女にとっては模範解答だったのか、彼女は満足そうにしてくれる。
「そういうあなたは何か夢があるんですか?」
僕に対して共感を示してくれた彼女に今度はこちらから質問する。
「ん~内緒。多分明日になったら分かると思うよ」
「え? 明日? それってどういう……」
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