17 / 44
突然の婚約破棄からそれは始まった
パズルの最後の一枚
しおりを挟む
その後も、兄エドガーは時々顔を出し、その都度、アーロンの手紙のやり取りに関わるようになった。アーロンから手紙を受け取り、また彼への手紙を渡すようになった。
「お兄様、なんだかアーロンとご懇意のようですわね?」
「ああ、この前の飲み会ですっかり打ち解けたからね」
いつも斜に構え、何に対しても冷淡だった兄の様子がいつもと違うなと思っていたが、そういうことなのか。
ふーん、そうなんだ。
なんとなく、二人から蚊帳の外に出されたような気がしなくもないが、男どうしの友情に口を挟むこともないかと思いなおし、淡々と毎日が過ぎていく。
そんなある時のこと。
「姫さん、またあの女が来たぜ」
ガスがとても嫌そうな顔をする。あの女とは、そう、エマのことだ。
エマは、もう何度も一人で地下牢を訊ねてきている。彼女は、ふらりと立ち寄った風を装っているが、看守の目にも、私の目にも、アーロン狙いであるように映る。なぜだ。解せぬ。
「貴方は熱があるのでしょう? 具合が悪いのに違いないわ!」
今日もまた、いつものように芝居がかったエマの声が地下牢に大きく響く。
ちなみに、アーロンは私のご飯のおすそ分けのおかげで、すっかり元気になり、いつもぴんぴんしている。アーロンの筋トレ指導のおかげで、具合が悪いのはこっちのほうだ。
「……いや、俺は別に体調が悪くはないが?」
アーロンは、なんだか憮然とした様子で、機嫌が悪い。見たところ、エマのことが嫌いなようだ。
「……そんなはずは」
エマの目が挙動不審にキョロキョロと動く。
そして、いつものごとく、エマに対するアーロンの塩対応もすっかり定着した。
アーロンに冷たくあしらわれても何度も足しげく通う根性は立派なもので、私でも呆れるほど鋼の心臓の持ち主である。。……ま、私には関係ないけどね。ほほほ。
エマはメンタルを病んでるって設定、ゲームの中にあったかしらね?
そして、アーロンの病気の後は、エマはお決まりのように、気を取り直して、判をおしたように同じセリフを繰り返す。
「私にはわかってるの。ここの井戸の水は腐ってるわ!」
井戸はこの前、新しいものに変えたから、誰もお腹を壊さずにぴんぴんしているわよ? 井戸の水はすっきりと澄んでいて、冷たくて美味しいですわよ?
エマを見つめる看守の目が冷たい。そりゃそうだよね。井戸の水はもう腐っていないもの。
誰からもなんの反応もなく、シーンと静まり返った静寂の中、エマはそれに気が付いて、恥ずかしそうに小声で呟く。
「あら? ……いやだ、またタイミングを間違えたのかしら」
エマは気まずそうに、あらぬ方向へと視線を向ける。見当違いのことを叫んだことがとても恥ずかしかったのだね。
「……もう、いい加減、帰ってくれないか。そして、二度とこないでくれ」
アーロンの冷たい言葉が胸に刺さったみたいだ。エマがキツネにつままれたような顔で、何かを呟きながらそそくさと去っていった。彼女が何かを呟いていたが、私には聞き取れなかった。
今更、エマにアーロンの件も、井戸のことも、いちいち教えてあげるのもメンドクサイ。こうなってしまった状況の原因を作ったのも彼女だしね。そういう訳で、彼女に関わるのも嫌なので、いつもそのまま放置。
ちなみに、「触らぬ神に祟りなし」、ということわざはこちらの世界にもあるのだそうよ。ふふふ・・・。
そうほくそ笑む私の背後では、アーロンがきょとんとした顔で呟いていたのである。
「イベントが起きない、ってどういう意味だ?」
そう、エマは、「どうして、イベントが起きないのかしら」と呟いていたのである。その呟きは私の耳には届いていなかった。それを知っていたら、後々、私がすごく悩むことはなかったのである。
それから数日後、凝りもせず、またエマがやって来た。
その時、私たちは、ちょうど、仕事中であるのにも関わらず暇そうな・・・、もとい、手の空いている看守たちを呼んで、みんなでカードで仲良く遊んでいる所だったのだ。
「Bだ。全員、B対応!」
地下牢の入り口でエマを見つけると、見張り番の看守が慌てて階段を下りてきて叫ぶ。すると、手持ちのカードをさっとポケットに隠して、みんな何食わぬ顔でさっと持ち場に戻る。
私もカードをクッションの下に隠して、ルルが持ってきた金ぴかの椅子に腰かけ、わざとらしく扇なんかを広げてみたりする。
アーロンはといえば、餅を食べすぎたような顔をして、牢屋の一番奥の暗がりへと、さっさと逃げていた。その様子が小動物のようで可愛い……と笑ったら、その日、アーロンは怒ってしまって、まる一日、口をきいてくれなかった。とりあえず、ひたすら謝ったので、翌朝にはすっかり元に戻っていたけど。
看守たちも、エマのことをB客と呼び、すっかり、「B対応マニュアルのようなものが出来てしまった。
そして、今日もまた、そのB客、もとい、エマが今日もまたやってきて、アーロンの具合が悪いだの、いつものようにきーきーと喚き散らした後、エマが言っているようなことが何も起きていないことに、気が付いたみたい。そして、今日も、アーロンから全く相手にされず、さっさと追い返されていた。
まあ、私は関係ないからいいのですけど。ほほほ。
そんな様子を見ていたガスが、私の所に来て、こっそり耳打ちする。
「姫さんよ、あの令嬢、頭がおかしいとか、そういう話はなかったのか?」
「さあ、わたくしにも見当がつかなくってよ?」
「なあ、教えてくれ。なんであの女、しょっちゅう、俺に構いに来るんだ?」
エマが去った後、アーロンも不思議そうに私の所に聞きに来た。
どうして、ガスもアーロンもエマの不思議行動について私に聞くのか。だから、私にそんなこと、わかるわけないでしょっ!
あまりにも二人がしつこいので、悪役令嬢ばりの怖い顔でじろりと睨んでやったら、二人とも冷や汗をかいて逃げていったわ。うふふ。
アーロンは「外にいる仲間」との連絡が上手くいっているようで、ついに脱獄計画が順調に進んでいることを打ち明けてくれた。兄が手紙のやり取りを買って出てくれているということは、我が公爵家の関与もあるのだろうけど、兄は私には何も教えてくれない。
「で、いつ脱獄するの?」
私が目をキラキラさせて訊ねれば、アーロンはそっと顔を曇らせる。
「一つだけ問題があって、それがどうしても解決できないんだ」
「どんなことですの?」
「俺の仲間が地下牢に押し入ってくるのは、警備の関係上、かなり難しそうだ。俺達がこの格子の外に出られれば、後は全てなんとかなりそうなんだが」
パズルでいう最後の1ピースが埋まらないとアーロンは言う。
「そうなんだ……」
アーロンが言うには、最後の問題というのは、要するに、この格子の外に出られればいいだけなのだ。
私はちょっとだけ、がっかりしてしまったが、まあ、そのうち、外に出られる日が来るのだろうと気楽に構えることにした。
「なんとかなりそうな気がするんだけどなあ」
アーロンと別れた後、私は椅子の上で大きく伸びをしながら考える。
乙女ゲームの中のどこかで、そういうシーンを見たことあるような気がしたのだ。もしくは、ほんの一行か二行の設定の所で、地下牢に関係した記述があったような気がする。
「パズルの最後の一ピースかあ」
答えがすぐ傍にあるような気がしているのに、それを思い出せない。脱獄計画があると聞いた日の夜、私はもどかしくって、なかなか寝付くことが出来なかった。
「お兄様、なんだかアーロンとご懇意のようですわね?」
「ああ、この前の飲み会ですっかり打ち解けたからね」
いつも斜に構え、何に対しても冷淡だった兄の様子がいつもと違うなと思っていたが、そういうことなのか。
ふーん、そうなんだ。
なんとなく、二人から蚊帳の外に出されたような気がしなくもないが、男どうしの友情に口を挟むこともないかと思いなおし、淡々と毎日が過ぎていく。
そんなある時のこと。
「姫さん、またあの女が来たぜ」
ガスがとても嫌そうな顔をする。あの女とは、そう、エマのことだ。
エマは、もう何度も一人で地下牢を訊ねてきている。彼女は、ふらりと立ち寄った風を装っているが、看守の目にも、私の目にも、アーロン狙いであるように映る。なぜだ。解せぬ。
「貴方は熱があるのでしょう? 具合が悪いのに違いないわ!」
今日もまた、いつものように芝居がかったエマの声が地下牢に大きく響く。
ちなみに、アーロンは私のご飯のおすそ分けのおかげで、すっかり元気になり、いつもぴんぴんしている。アーロンの筋トレ指導のおかげで、具合が悪いのはこっちのほうだ。
「……いや、俺は別に体調が悪くはないが?」
アーロンは、なんだか憮然とした様子で、機嫌が悪い。見たところ、エマのことが嫌いなようだ。
「……そんなはずは」
エマの目が挙動不審にキョロキョロと動く。
そして、いつものごとく、エマに対するアーロンの塩対応もすっかり定着した。
アーロンに冷たくあしらわれても何度も足しげく通う根性は立派なもので、私でも呆れるほど鋼の心臓の持ち主である。。……ま、私には関係ないけどね。ほほほ。
エマはメンタルを病んでるって設定、ゲームの中にあったかしらね?
そして、アーロンの病気の後は、エマはお決まりのように、気を取り直して、判をおしたように同じセリフを繰り返す。
「私にはわかってるの。ここの井戸の水は腐ってるわ!」
井戸はこの前、新しいものに変えたから、誰もお腹を壊さずにぴんぴんしているわよ? 井戸の水はすっきりと澄んでいて、冷たくて美味しいですわよ?
エマを見つめる看守の目が冷たい。そりゃそうだよね。井戸の水はもう腐っていないもの。
誰からもなんの反応もなく、シーンと静まり返った静寂の中、エマはそれに気が付いて、恥ずかしそうに小声で呟く。
「あら? ……いやだ、またタイミングを間違えたのかしら」
エマは気まずそうに、あらぬ方向へと視線を向ける。見当違いのことを叫んだことがとても恥ずかしかったのだね。
「……もう、いい加減、帰ってくれないか。そして、二度とこないでくれ」
アーロンの冷たい言葉が胸に刺さったみたいだ。エマがキツネにつままれたような顔で、何かを呟きながらそそくさと去っていった。彼女が何かを呟いていたが、私には聞き取れなかった。
今更、エマにアーロンの件も、井戸のことも、いちいち教えてあげるのもメンドクサイ。こうなってしまった状況の原因を作ったのも彼女だしね。そういう訳で、彼女に関わるのも嫌なので、いつもそのまま放置。
ちなみに、「触らぬ神に祟りなし」、ということわざはこちらの世界にもあるのだそうよ。ふふふ・・・。
そうほくそ笑む私の背後では、アーロンがきょとんとした顔で呟いていたのである。
「イベントが起きない、ってどういう意味だ?」
そう、エマは、「どうして、イベントが起きないのかしら」と呟いていたのである。その呟きは私の耳には届いていなかった。それを知っていたら、後々、私がすごく悩むことはなかったのである。
それから数日後、凝りもせず、またエマがやって来た。
その時、私たちは、ちょうど、仕事中であるのにも関わらず暇そうな・・・、もとい、手の空いている看守たちを呼んで、みんなでカードで仲良く遊んでいる所だったのだ。
「Bだ。全員、B対応!」
地下牢の入り口でエマを見つけると、見張り番の看守が慌てて階段を下りてきて叫ぶ。すると、手持ちのカードをさっとポケットに隠して、みんな何食わぬ顔でさっと持ち場に戻る。
私もカードをクッションの下に隠して、ルルが持ってきた金ぴかの椅子に腰かけ、わざとらしく扇なんかを広げてみたりする。
アーロンはといえば、餅を食べすぎたような顔をして、牢屋の一番奥の暗がりへと、さっさと逃げていた。その様子が小動物のようで可愛い……と笑ったら、その日、アーロンは怒ってしまって、まる一日、口をきいてくれなかった。とりあえず、ひたすら謝ったので、翌朝にはすっかり元に戻っていたけど。
看守たちも、エマのことをB客と呼び、すっかり、「B対応マニュアルのようなものが出来てしまった。
そして、今日もまた、そのB客、もとい、エマが今日もまたやってきて、アーロンの具合が悪いだの、いつものようにきーきーと喚き散らした後、エマが言っているようなことが何も起きていないことに、気が付いたみたい。そして、今日も、アーロンから全く相手にされず、さっさと追い返されていた。
まあ、私は関係ないからいいのですけど。ほほほ。
そんな様子を見ていたガスが、私の所に来て、こっそり耳打ちする。
「姫さんよ、あの令嬢、頭がおかしいとか、そういう話はなかったのか?」
「さあ、わたくしにも見当がつかなくってよ?」
「なあ、教えてくれ。なんであの女、しょっちゅう、俺に構いに来るんだ?」
エマが去った後、アーロンも不思議そうに私の所に聞きに来た。
どうして、ガスもアーロンもエマの不思議行動について私に聞くのか。だから、私にそんなこと、わかるわけないでしょっ!
あまりにも二人がしつこいので、悪役令嬢ばりの怖い顔でじろりと睨んでやったら、二人とも冷や汗をかいて逃げていったわ。うふふ。
アーロンは「外にいる仲間」との連絡が上手くいっているようで、ついに脱獄計画が順調に進んでいることを打ち明けてくれた。兄が手紙のやり取りを買って出てくれているということは、我が公爵家の関与もあるのだろうけど、兄は私には何も教えてくれない。
「で、いつ脱獄するの?」
私が目をキラキラさせて訊ねれば、アーロンはそっと顔を曇らせる。
「一つだけ問題があって、それがどうしても解決できないんだ」
「どんなことですの?」
「俺の仲間が地下牢に押し入ってくるのは、警備の関係上、かなり難しそうだ。俺達がこの格子の外に出られれば、後は全てなんとかなりそうなんだが」
パズルでいう最後の1ピースが埋まらないとアーロンは言う。
「そうなんだ……」
アーロンが言うには、最後の問題というのは、要するに、この格子の外に出られればいいだけなのだ。
私はちょっとだけ、がっかりしてしまったが、まあ、そのうち、外に出られる日が来るのだろうと気楽に構えることにした。
「なんとかなりそうな気がするんだけどなあ」
アーロンと別れた後、私は椅子の上で大きく伸びをしながら考える。
乙女ゲームの中のどこかで、そういうシーンを見たことあるような気がしたのだ。もしくは、ほんの一行か二行の設定の所で、地下牢に関係した記述があったような気がする。
「パズルの最後の一ピースかあ」
答えがすぐ傍にあるような気がしているのに、それを思い出せない。脱獄計画があると聞いた日の夜、私はもどかしくって、なかなか寝付くことが出来なかった。
22
あなたにおすすめの小説
転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!
木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。
胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。
けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。
勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに……
『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。
子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。
逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。
時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。
これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
乙女ゲームに転生した悪役令嬢! 人気が無い公園で出歯亀する
ひなクラゲ
恋愛
私は気がついたら、乙女ゲームに転生していました
それも悪役令嬢に!!
ゲーム通りだとこの後、王子と婚約させられ、数年後には婚約破棄&追放が待っているわ
なんとかしないと…
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる