16 / 44
突然の婚約破棄からそれは始まった
救いの手は誰?
しおりを挟む
そこに立っていたのは、エドガー・マクナレン次期公爵。つまり、兄のエドガーである。
いくらレイモンドが警務省長官であったとしても、彼より位の高い兄にはかなわない。
兄もまた青い目に暗い殺気を忍ばせ、レイモンドを睨みつけていた。
「すべて見ていましたが、妹への無礼を見過ごす訳には参りませんね」
レイモンドが、ちっと小さく舌打ちをしたのが見えた。
「私はただ、エレーヌ様が落ち込まれているようにお見受けしたので慰めていただけにございます」
私にものすごく未練がましい目を向けながらも、レイモンドは、そっと私から身を放した。兄さま、グッジョブですわ!
「警務省長官ともあろうお方が、妹にどのようなご用件でしょうか?」
兄が話によっちゃただでは済まさないぞという様子でいると、レイモンドは、すぐに落ち着きを取り戻したみたいだった。彼は平然とした様子で兄に視線を向けた。
「私は単純に井戸のお礼を申し上げに来たのですよ」
「そうですか。それでは、今後の妹に対するご用件は、兄であるこの私に取り次いでいただけますか? 妹はただでさえ、このような境遇ですから、嫁入り前の公爵令嬢に変な噂が立つと困りますからね」
「そうですね。確かに嫁入り前のご令嬢をこのような場所で訪問することは、少し浅慮でしたな。お詫びいたします」
レイモンドは口では丁寧に謝罪の言葉を述べていたが、本心では全然、そう思っていないことがよくわかる。そして、軽く私に会釈をしたと思えば、すぐに、地下牢から出て行ったのである。
「ああー。もう生きた心地がしなかったわ」
私がへなへなと椅子に座り込むと改めて兄を見つめた。……兄は、エマの側にいるのではなかったか。
鋭い視線で、レイモンドが立ち去るのを見送ってから、兄は私のほうへと向き直った。
「それにしても、ちょうどいいタイミングで来てくれたのね。お兄様」
「ああ、看守が血相変えてやってきて、マクファーレンがお前を訊ねてきたと教えてくれたのだ」
看守たちも、実はマクファーレンの「密やかな趣向」を知っており、慌てて兄の所に馬を飛ばして助けを求めに行ってくれたのだと言う。看守、グッジョブである。
ふと気が付くと、兄の後ろから遠巻きに看守たちが覗いていた。さっきのやり取りをすっかり見ていたのだろう。
ガスを始めとして、いかつい男たちが心配そうな顔をしている。
私が手招きすると、恐る恐る、彼らも兄の側へと近寄ってきた。
「私も、マクファーレンにそんな趣向があるとは知らなかった。まさか、そこまで性癖が歪んでいるとは……」
そういう兄の傍でガスが、心配そうに口を開く。
「エドガー様、マクファーレンは執念深い男ですぜ。あいつは、一度、狙った獲物は蛇みたいにしぶとく離さないんだ」
他の看守たちも、その言葉にうんうんと頷いている。彼らも、マクファーレンの拗れた性癖をよく知っていると言う。
「随分と面倒な奴に目をつけられたな。エレーヌ。この件は父上を通して、奴に釘を刺すよう伝えておく」
けれども、エマの攻略対象が、どうして私のことをそんなに気に掛けるのか、不思議でならなかった。後で、エレーヌの処刑に同意のサインをするのが、この兄のはずなのだ。
「お兄様、ブランドル嬢からは何も聞いてませんの?」
エマの話を聞いて、兄が不思議そうな顔をする。
「なぜ、ここにブランドル嬢が出てくるのだ?」
「お兄様とご懇意ではありませんの?」
そう言うと、兄は不思議そうな顔をした。
「懇意も何も、そもそも知己でもないのだが?」
「あら、そうでしたか?」
まあ、それはともかく、と兄は私に手紙を差し出してきた。
「これも渡しておこうと思ってな」
それは、アーロン宛になっており、以前、ルルを通して手渡した手紙の返信のようだった。私がそれを受け取ると、レイモンドも追い払ったし、手紙も渡したから、と兄は仕事場へと戻っていった。
その手紙がアーロン宛のものだと看守に悟られないように、看守たちが仕事に戻った隙を見て、私は、それをアーロンに渡した。
そして、再び椅子に座って、紅茶を片手に、気持ちを落ち着けようとした。
レイモンドルート。
まさか、悪役令嬢であるこの私が、ヒロインのルートに入ってしまうなんて考えたこともない。ゲームの中では、絶対にありえなかったルート変更である。
攻略対象である兄のエドガーも、エマとは知り合いですらないらしいようだし……。
── もしかして、乙女ゲームの設定が変更している?
そうであれば、全て、説明がつく。
あの井戸を掘ったことが、ストーリ―全体に影響を与えているのかもしれない。
そうでなければ、悪役令嬢がレイモンドルートに入るなんてありえないのだ。
筋書き通りには物語が進んでいないことと、そして、これからの選択によっては、処刑エンディングも避けられるかもしれない。
そして、まだ思い出せていないとても大切なこと。それがどうしても気になって、私は紅茶を脇に置いた。
「どうした?顔色が悪いぞ」
アーロンが私の様子に気が付いて声をかけてくれた。
「さっきのことがショックなのか?」
そんな風に私のことに気遣ってくれるアーロンの優しさが、じんと胸に染みる。
「ああ、レイモンドのことね。あれじゃなくって、別のことで、少し気鬱になってるだけ」
私がそう言うとアーロンが手招きする。
「そうか。こっちに来い」
そうは言ってもやはりレイモンドの件もショックだったのだ。彼に掴まれた腕が気持ち悪くて、やっぱり気持ちが落ち込んでいるのかもしれない。
普段なら、「同情なんて結構よ」と言ってしまう所だったのだが、やはり、精神的に少し動揺したせいか、アーロンに言われるがままに格子ぎわに座った。
「ほら、落ち着くまで手を握っててやる」
彼が差し出した手を私はそっと握った。大きな、そして、ごつごつした男の人の手。その温かさに包まれているうちに、緊張がほぐれて来たのか、私は軽く息をついた。
「アーロン…」
格子越しに座りながら、私が不安げに彼の名を呼ぶ。
いくら悪役令嬢だからとは言え、風船頭から突然、婚約破棄を言い渡されたり、突然、投獄されたり、やはり色々と精神に来るものがあったのだ。そこに加えて、拷問マニアのレイモンドの登場などで、やっぱり、気持ちが少し弱っているのだ。
「マクファーレンなんか気にするな。俺が、お前を守ってやるから、心配なんかするな」
彼はそう言うと、腕を伸ばして私の肩を抱き寄せた。
私たちはお互いに一言も言葉を発することなく、随分と長い間、格子越しに身を寄せて座っていた。
それでも、私と同じく捕らわれの身であるアーロンに、何が出来ると言うのだろう。私が悲しそうな顔をしていると、アーロンはにやりと自信ありげな笑みを浮かべた。
「そんな悲しそうな顔をするな。やっと俺の仲間からの返事が来た。ここから脱獄出来る日はそう遠くないかもしれないぜ」
彼は小声で囁き、その手紙をこっそり見せてくれた。ほんの少し、暗闇に一筋の明かりが差し込んで来たような気がした。
いくらレイモンドが警務省長官であったとしても、彼より位の高い兄にはかなわない。
兄もまた青い目に暗い殺気を忍ばせ、レイモンドを睨みつけていた。
「すべて見ていましたが、妹への無礼を見過ごす訳には参りませんね」
レイモンドが、ちっと小さく舌打ちをしたのが見えた。
「私はただ、エレーヌ様が落ち込まれているようにお見受けしたので慰めていただけにございます」
私にものすごく未練がましい目を向けながらも、レイモンドは、そっと私から身を放した。兄さま、グッジョブですわ!
「警務省長官ともあろうお方が、妹にどのようなご用件でしょうか?」
兄が話によっちゃただでは済まさないぞという様子でいると、レイモンドは、すぐに落ち着きを取り戻したみたいだった。彼は平然とした様子で兄に視線を向けた。
「私は単純に井戸のお礼を申し上げに来たのですよ」
「そうですか。それでは、今後の妹に対するご用件は、兄であるこの私に取り次いでいただけますか? 妹はただでさえ、このような境遇ですから、嫁入り前の公爵令嬢に変な噂が立つと困りますからね」
「そうですね。確かに嫁入り前のご令嬢をこのような場所で訪問することは、少し浅慮でしたな。お詫びいたします」
レイモンドは口では丁寧に謝罪の言葉を述べていたが、本心では全然、そう思っていないことがよくわかる。そして、軽く私に会釈をしたと思えば、すぐに、地下牢から出て行ったのである。
「ああー。もう生きた心地がしなかったわ」
私がへなへなと椅子に座り込むと改めて兄を見つめた。……兄は、エマの側にいるのではなかったか。
鋭い視線で、レイモンドが立ち去るのを見送ってから、兄は私のほうへと向き直った。
「それにしても、ちょうどいいタイミングで来てくれたのね。お兄様」
「ああ、看守が血相変えてやってきて、マクファーレンがお前を訊ねてきたと教えてくれたのだ」
看守たちも、実はマクファーレンの「密やかな趣向」を知っており、慌てて兄の所に馬を飛ばして助けを求めに行ってくれたのだと言う。看守、グッジョブである。
ふと気が付くと、兄の後ろから遠巻きに看守たちが覗いていた。さっきのやり取りをすっかり見ていたのだろう。
ガスを始めとして、いかつい男たちが心配そうな顔をしている。
私が手招きすると、恐る恐る、彼らも兄の側へと近寄ってきた。
「私も、マクファーレンにそんな趣向があるとは知らなかった。まさか、そこまで性癖が歪んでいるとは……」
そういう兄の傍でガスが、心配そうに口を開く。
「エドガー様、マクファーレンは執念深い男ですぜ。あいつは、一度、狙った獲物は蛇みたいにしぶとく離さないんだ」
他の看守たちも、その言葉にうんうんと頷いている。彼らも、マクファーレンの拗れた性癖をよく知っていると言う。
「随分と面倒な奴に目をつけられたな。エレーヌ。この件は父上を通して、奴に釘を刺すよう伝えておく」
けれども、エマの攻略対象が、どうして私のことをそんなに気に掛けるのか、不思議でならなかった。後で、エレーヌの処刑に同意のサインをするのが、この兄のはずなのだ。
「お兄様、ブランドル嬢からは何も聞いてませんの?」
エマの話を聞いて、兄が不思議そうな顔をする。
「なぜ、ここにブランドル嬢が出てくるのだ?」
「お兄様とご懇意ではありませんの?」
そう言うと、兄は不思議そうな顔をした。
「懇意も何も、そもそも知己でもないのだが?」
「あら、そうでしたか?」
まあ、それはともかく、と兄は私に手紙を差し出してきた。
「これも渡しておこうと思ってな」
それは、アーロン宛になっており、以前、ルルを通して手渡した手紙の返信のようだった。私がそれを受け取ると、レイモンドも追い払ったし、手紙も渡したから、と兄は仕事場へと戻っていった。
その手紙がアーロン宛のものだと看守に悟られないように、看守たちが仕事に戻った隙を見て、私は、それをアーロンに渡した。
そして、再び椅子に座って、紅茶を片手に、気持ちを落ち着けようとした。
レイモンドルート。
まさか、悪役令嬢であるこの私が、ヒロインのルートに入ってしまうなんて考えたこともない。ゲームの中では、絶対にありえなかったルート変更である。
攻略対象である兄のエドガーも、エマとは知り合いですらないらしいようだし……。
── もしかして、乙女ゲームの設定が変更している?
そうであれば、全て、説明がつく。
あの井戸を掘ったことが、ストーリ―全体に影響を与えているのかもしれない。
そうでなければ、悪役令嬢がレイモンドルートに入るなんてありえないのだ。
筋書き通りには物語が進んでいないことと、そして、これからの選択によっては、処刑エンディングも避けられるかもしれない。
そして、まだ思い出せていないとても大切なこと。それがどうしても気になって、私は紅茶を脇に置いた。
「どうした?顔色が悪いぞ」
アーロンが私の様子に気が付いて声をかけてくれた。
「さっきのことがショックなのか?」
そんな風に私のことに気遣ってくれるアーロンの優しさが、じんと胸に染みる。
「ああ、レイモンドのことね。あれじゃなくって、別のことで、少し気鬱になってるだけ」
私がそう言うとアーロンが手招きする。
「そうか。こっちに来い」
そうは言ってもやはりレイモンドの件もショックだったのだ。彼に掴まれた腕が気持ち悪くて、やっぱり気持ちが落ち込んでいるのかもしれない。
普段なら、「同情なんて結構よ」と言ってしまう所だったのだが、やはり、精神的に少し動揺したせいか、アーロンに言われるがままに格子ぎわに座った。
「ほら、落ち着くまで手を握っててやる」
彼が差し出した手を私はそっと握った。大きな、そして、ごつごつした男の人の手。その温かさに包まれているうちに、緊張がほぐれて来たのか、私は軽く息をついた。
「アーロン…」
格子越しに座りながら、私が不安げに彼の名を呼ぶ。
いくら悪役令嬢だからとは言え、風船頭から突然、婚約破棄を言い渡されたり、突然、投獄されたり、やはり色々と精神に来るものがあったのだ。そこに加えて、拷問マニアのレイモンドの登場などで、やっぱり、気持ちが少し弱っているのだ。
「マクファーレンなんか気にするな。俺が、お前を守ってやるから、心配なんかするな」
彼はそう言うと、腕を伸ばして私の肩を抱き寄せた。
私たちはお互いに一言も言葉を発することなく、随分と長い間、格子越しに身を寄せて座っていた。
それでも、私と同じく捕らわれの身であるアーロンに、何が出来ると言うのだろう。私が悲しそうな顔をしていると、アーロンはにやりと自信ありげな笑みを浮かべた。
「そんな悲しそうな顔をするな。やっと俺の仲間からの返事が来た。ここから脱獄出来る日はそう遠くないかもしれないぜ」
彼は小声で囁き、その手紙をこっそり見せてくれた。ほんの少し、暗闇に一筋の明かりが差し込んで来たような気がした。
26
あなたにおすすめの小説
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
所(世界)変われば品(常識)変わる
章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。
それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。
予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう?
ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。
完結まで予約投稿済み。
全21話。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【完結】悪役令嬢はおねぇ執事の溺愛に気付かない
As-me.com
恋愛
完結しました。
自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生したと気付いたセリィナは悪役令嬢の悲惨なエンディングを思い出し、絶望して人間不信に陥った。
そんな中で、家族すらも信じられなくなっていたセリィナが唯一信じられるのは専属執事のライルだけだった。
ゲームには存在しないはずのライルは“おねぇ”だけど優しくて強くて……いつしかセリィナの特別な人になるのだった。
そしてセリィナは、いつしかライルに振り向いて欲しいと想いを募らせるようになるのだが……。
周りから見れば一目瞭然でも、セリィナだけが気付かないのである。
※こちらは「悪役令嬢とおねぇ執事」のリメイク版になります。基本の話はほとんど同じですが、所々変える予定です。
こちらが完結したら前の作品は消すかもしれませんのでご注意下さい。
ゆっくり亀更新です。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる