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2. 神様の家
しおりを挟む男が、マンションの前で立ち止まる。
でかいマンションだ。
俺の住んでいるアパートとは全然違う。
もしやお金持ちなのでは。
俺の頭の中ではアラートが鳴り響くが、俺は男の腕を振り払おうともせず、ついて行ってしまう。
俺は手を引かれながら、男がカードキーや手のひらでセキュリティを解除していくのをぼう然と見守った。
「どうぞ」
何重ものセキュリティとエレベーターと今度こそ玄関だと思うくらいの扉を抜けて、男が扉を開ける。
「今日からあなたの家にもなりますから寛いで下さいね」
男は部屋に入るとようやく俺の手を離して、スーツの上着を脱いで、メガネを外した。
俺は広い部屋に口を半開きにしたまま、目についたソファにとりあえず腰を下ろした。
「何か飲みますか?」
男はラフな服装に着替えると、俺に聞く。
「いや、お構いなく」
俺は反射的にそう答えたが、男は氷の入ったオシャレそうな飲み物を出してきた。
「私は、田村敬仁と言います。ヒロト、でも、ヒロ、でもお好きに呼んで下さいね」
最初から名前呼びを要求されて、俺はおっかなびっくり「ヒロトさん」と呼んだ。多分年上だろうと思ったからだ。すると嬉しそうにニッコリ微笑んで、返事をされる。とても居心地が悪い。
「俺、全然名乗ってなかったですね。松野芳矢です」
「ヨシヤくん」
敬仁さんは名乗った途端、瞬時に俺の名を呼ぶ。
そして、ソファの隣に座って、ニッコリ笑うと「シャワーして着替える?」と言って立ち上がると、俺の手をまた引いて、廊下を抜けて風呂場へきた。オシャレなガラス戸が風呂と脱衣所を繋いでいる。
敬仁さんは俺に「入っていいですよ、着替えは後で持って来ますね」と言って出ていったから、俺は服を脱いでそっとガラス戸を抜けてシャワーを出した。
浴び始めてからふと気づいたのだが、後から服を持ってくるって、このガラス戸では持ってきた敬仁さんと目がバッチリ合っちゃうのでは。何も肌を隠すものなどないし、カーテンもついていない。
早く浴びてしまおう。来たら後ろでも向いておけばいい。
ところが、頭を洗って顔を上げると、こっちを見ている敬仁さんと目が合う。
敬仁さんはガラス戸を開けて、「自分で洗えます?」と聞いてくる。
「えっ?」
自分で洗えるとは??
そう思っていると、敬仁さんは服のまま風呂の方に入ってきた。シャワーの湯がかかるのも気にしていない。
「えっ?」
敬仁さんは俺にグッと近づくと、スーッと尻の割れ目に手を滑らせた。
「ひえっ!!」
俺は思わずそれを避ける。
「今日は初夜だから。ヨシヤくんのここに私のを入れます」
「しょや、だから??」
尻に、何を……??
もしかして、俺このままお尻の処女を捧げなきゃダメなの??
俺の玉がヒュンッとなり、俺のチンコはしおしおと縮んだ。
「自分で洗えます?」
もう一度敬仁さんが俺の顔を覗き込んで問う。
「怖い??」
俺が頷くと、敬仁さんは俺の下腹をスルリと撫でて、チンコをよしよしした。思ったより滑らかな手に触られると、縮んだチンコはちょっとだけリラックスした。
「洗ってあげますよ」
言うと、尻の割れ目を敬仁さんの手が往復する。
「どうしてもしなきゃダメ?」
「んー、どうしましょうねー……」
敬仁さんはシャンプーやコンディショナーの棚の、何も書かれていないポンプを押して中身を手に取り、両の手のひらにたっぷりつけると、その手のひらで俺の尻を優しく撫でた。
「ふぉっ……」
トロッとしたその感触とマッサージするような手つきに、俺は少し緊張がとける。
そうか、あれはローションのポンプ……えっ、電車の中では、全然そういう感じじゃなかったじゃん。まあ、電車の中で「自分はスケベですよ」みたいなアピールするやつはおらんか。そうだよな。
でも、風呂に用意してあるって、相当遊び人じゃないか。
ところが、その後で、棚からポンプの先に細い管のついた除草剤散布するやつみたいなものが出てきて、俺はまた尻込みした。
「えっ? それは??」
「中を洗います」
淡々と、消毒液みたいなので先端を拭きながら、敬仁さんは説明する。そこにはポンプからではなく個包装タイプのローションを垂らし、中身を俺の尻にも垂らす。
俺は、マジかと顔を凍りつかせたが、敬仁さんにあれこれ言われるまま体勢をかえ、羞恥心を捨てさせられた。
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