38 / 145
二度目のキス
7
しおりを挟む
頼まれた仕事が終わらなくて、遥香は残業を買って出た。
同じチームの中谷は既婚者であまり遅くまで残れないし、任された仕事が間に合わなかったのは遥香の能力不足のせいなので当然だ。
夕方から会議に出席している弘貴には、あまり遅くならないうちに帰るようにと言われていたが、気がついた時には九時近くで、誰もいなくなったフロアの中で、一心不乱に頼まれていた提案資料と格闘していた。
「まだいたの?」
資料の最終チェックでディスプレイと睨めっこをしているところへ、少しあきれたような声が聞こえてきて、遥香は顔を上げた。
会議が終わったのだろう。弘貴がオフィスに入ってくるところだった。
だが、一緒に会議に出席していた課長やほかのグループ長の姿がない。不思議そうな顔をしていたのか、自分のデスクに向かいながら、弘貴が苦笑交じりに教えてくれた。
「ほかのみんなはその足で飲みに行ったよ。俺は明日の仕事の準備があるからって抜けてきたんだ。それで、あとどのくらい残ってるのかな。あとは俺が引き受けるから、もう遅いし、帰りなさい」
上司の顔をして言う弘貴に、少しだけ胸が痛くなる。
遥香は小さく首を振ると「最終チェックだけなので」と答えてディスプレイに視線を戻した。
つきあってほしいと言う弘貴の申し出は断ったのに、少しよそよそしくされて傷つくとか、どれだけ自分は自分勝手なのだろう。
情けなくてちょっぴり泣きたくなったが、オフィスでいきなり泣きはじめたら変に思われる。遥香はきゅっと唇をかんで、最終チェックを急ぐことにした。
「相変わらず、わかりやすい資料だね」
カタン、と小さな音がして驚いて顔を上げると、デスクに片手を乗せて、弘貴がすぐ隣に立っていた。
その横顔に、笑顔はない。
それでもトクンと心臓が音を立てるから、遥香は弘貴にばれないようにさりげなく胸を手で押さえた。
弘貴は遥香からマウスを取ると、スクロールして資料にすべて目を通していく。最後まで見終わると満足そうに頷いた。
「うん、大丈夫だよ。お疲れ様。遅くまでありがとね」
「いえ……」
弘貴が離れていく。それを淋しく思いながら、遥香はパソコンの電源を落とすと荷物をまとめた。
立ち上がって肩越しに弘貴を振り返り、デスクに座って書類から顔を上げないとわかると小さく落胆してしまう。
遥香は弘貴に向かって頭を下げた。
「お疲れさまでした」
小声になってしまったのは、無視されたときに自分で自分に言い訳するため。聞こえなかつたんだから仕方がない、と。そんなことを考える自分を自嘲したい。
「お疲れ様」
書類から顔をあげずに弘貴が言う。
そっけなかったが挨拶を返してくれたことにホッとしつつ、遥香が部屋を出て行こうとした、そのとき。
「少し待って」
突然弘貴に呼び止められて、遥香は足を止めて振り返った。
真剣な顔をした弘貴が、デスクから立ち上がってこちらへ歩いてくる。
自分のデスクの場所とオフィスの入口の中間地点くらいで立ち尽くし、遥香はぼんやりと弘貴がこちらへ歩いてくるのを見上げた。
「ほんとは、こんなことカッコ悪いから言うのはやめようと思ってたんだけど……」
怒っているのかと思うほど真剣な目をした弘貴が近づいてきて、遥香は反射的に後ずさる。後ろは壁だ。背中が壁に当たって逃げ場のなくなった遥香は、壁に手をついた弘貴にあっさり囲い込まれてしまった。
「経理部の橘君だっけ? 秋月さんがこの前言っていた彼氏って、橘君のこと?」
「―――え?」
遥香はたっぷりと沈黙し、そのあと目を瞬いた。
(彼氏……、え?)
真っ白になりそうな思考を何とかつなぎとめて、そういえば以前、弘貴のデートの誘いを断る口実で彼氏がいると嘘をついたことを思い出す。
おそらく弘貴はそのことを言っているのだろう。
「昨日、親しそうにしていたね。俺と一緒のときよりもずいぶんと楽しそうだったけど」
そんなことはない。そう言いたいのに声が出ない。
「彼氏、ほんとにいたんだね。嘘かと思ってたよ。この前の土曜日も来てくれたし、マンションまで来てくれて、ちょっとは期待してたのに……」
こくり、と遥香はつばを飲み込んだ。嚥下する際に動く喉を、弘貴が静かに見つめている。
怖かった。こんな怖い弘貴は知らない。誤解だと言いたいのに、何を言えば納得してくれるのかも、混乱している遥香の頭ではわからない。
「ねえ、何か言いなよ。真実だから何も言えない? 彼氏がいるのに、俺をからかって遊んでいたのかな。ねえ」
口調は穏やかなのに、弘貴の沸々とした怒りが伝わってくる。
言わないといけない。何か、言わないと。遥香は頭が真っ白なまま口を開いた。
「ち、違い、ます……。橘さんは、彼氏なんかじゃ……」
緊張と恐怖で声がかすれる。それでも聞き取ってくれたらしい弘貴が、「じゃあ、彼は何」と冷淡な声を出すのを、泣きそうになりながら聞いた。
「た、橘さんは、先週、坂上さんたちと飲みに行ったときに知りあった人で……」
「ふぅん、合コン行ったの」
「合コン!? ち、違……っ」
「じゃあなに」
弘貴はどこまでも鋭く責めてくる。遥香は彼氏に浮気を責められているような気になった。つきあってないのに、どうしてこんなに責められているのだろう。
「の、飲み会、です。橘さんは、坂上さんの彼氏の同期だって……」
「ああ、合コンじゃなくて紹介してもらってたの」
「違う……!」
どうしたらわかってもらえるのだろう。彼氏ではなくて、合コンでも紹介されていたのでもない。弘貴は恋人ではなくて、誰とどこに出かけようと遥香の自由なはずなのに、弘貴に責められるいわれはないのに、弘貴に責められると身がすくみそうだった。
「秋月さんさ、俺が好きだって言ったの、ちゃんと理解してる? それなのにほかの男と仲良くしてるなんて、どういうつもりなの。俺のこと嘲笑ってる?」
遥香は勢いよく首を横に振った。嘲笑ってなんて、ない。飲み会だって最初は断るつもりだった。結果、橘はとても面白い人だったけど、遥香にとってはそれだけで、つきあいたいとか思っているわけじゃない。
頭の中ではいくらでもいいわけを思いつくのに、言葉が出てこない。
「た、ただ、飲みに行っただけ、です」
「ただ? へえ、ただ。俺が誘っても渋るくせに? ひどいよね、秋月さん。俺はあきらめないとは言ったけど、傷つかないわけじゃないんだよ」
遥香は息を呑んだ。好き勝手なことを言われていると思う。それなのに、じわじわと罪悪感が胸に広がっていく。
弘貴を見上げると、うっすらと笑っていた。その笑みが怖い。
「君は少し、男の本気を、思い知ればいいよ」
「―――っ」
弘貴が遥香を押さえつけて、遥香が息を呑んだ瞬間、唇が合わさっていた。
呼吸すら奪い取られそうなキスに、遥香の思考が停止する。息が苦しくなって、息継ぎをしようと口を開けたその隙間から、弘貴の舌が滑り込んできた。
からめとられて、吸い上げられる。
膝が震えて頽れそうになっている遥香の腰を引き寄せて、弘貴はなおも深く唇を重ねた。
歯列を舌でなぞられて、口蓋を舐められる。
息苦しくて息をしようとするたびにキスは深くなって、遥香の目のうしろがチカチカしはじめた。
立っていられなくて、弘貴の腕に縋りつく。弘貴の片腕に腰を抱き寄せられ、頭のうしろに手をまわされて、どうやったって遥香では抜け出せなかった。
舌を絡める水音が頭の中にじかに響く。呼吸が苦しくて、体に力が入らなくて、口を開きっぱなしのため顎が痛い。
怖さと苦しさで、盛り上がってきた涙が目じりから零れ落ちた。
ようやく弘貴が唇を離してくれたとき、遥香の体にはまったく力が入らなくて、弘貴に支えられたまま荒い息を繰り返した。
震えているのに気がついたのか、弘貴が遥香を抱きしめて、背中をあやすように叩いてくれる。
「……ごめん」
後悔をにじませた声で謝られて、ようやく体に力が戻りはじめた遥香はカッとした。
謝るなら、しないでほしい。
弘貴は身勝手だ。力で押さえつけられて、怖かったのに、そんな小さな「ごめん」の一言で納得できるはずがない。
気がついた時には、パンッと弘貴の頬を叩いていた。
手が震えているから、それほど力は入らなかっただろう。
だが、遥香に平手打ちされると思っていなかったのか、弘貴が目を見開いて硬直していた。
「……ひどいです」
遥香は消え入りそうな声でそう言うと、目じりに残った涙を袖でぬぐい、踵を返す。
そのままオフィスを出て行った遥香の背中に、弘貴は何の言葉もかけなかった。
同じチームの中谷は既婚者であまり遅くまで残れないし、任された仕事が間に合わなかったのは遥香の能力不足のせいなので当然だ。
夕方から会議に出席している弘貴には、あまり遅くならないうちに帰るようにと言われていたが、気がついた時には九時近くで、誰もいなくなったフロアの中で、一心不乱に頼まれていた提案資料と格闘していた。
「まだいたの?」
資料の最終チェックでディスプレイと睨めっこをしているところへ、少しあきれたような声が聞こえてきて、遥香は顔を上げた。
会議が終わったのだろう。弘貴がオフィスに入ってくるところだった。
だが、一緒に会議に出席していた課長やほかのグループ長の姿がない。不思議そうな顔をしていたのか、自分のデスクに向かいながら、弘貴が苦笑交じりに教えてくれた。
「ほかのみんなはその足で飲みに行ったよ。俺は明日の仕事の準備があるからって抜けてきたんだ。それで、あとどのくらい残ってるのかな。あとは俺が引き受けるから、もう遅いし、帰りなさい」
上司の顔をして言う弘貴に、少しだけ胸が痛くなる。
遥香は小さく首を振ると「最終チェックだけなので」と答えてディスプレイに視線を戻した。
つきあってほしいと言う弘貴の申し出は断ったのに、少しよそよそしくされて傷つくとか、どれだけ自分は自分勝手なのだろう。
情けなくてちょっぴり泣きたくなったが、オフィスでいきなり泣きはじめたら変に思われる。遥香はきゅっと唇をかんで、最終チェックを急ぐことにした。
「相変わらず、わかりやすい資料だね」
カタン、と小さな音がして驚いて顔を上げると、デスクに片手を乗せて、弘貴がすぐ隣に立っていた。
その横顔に、笑顔はない。
それでもトクンと心臓が音を立てるから、遥香は弘貴にばれないようにさりげなく胸を手で押さえた。
弘貴は遥香からマウスを取ると、スクロールして資料にすべて目を通していく。最後まで見終わると満足そうに頷いた。
「うん、大丈夫だよ。お疲れ様。遅くまでありがとね」
「いえ……」
弘貴が離れていく。それを淋しく思いながら、遥香はパソコンの電源を落とすと荷物をまとめた。
立ち上がって肩越しに弘貴を振り返り、デスクに座って書類から顔を上げないとわかると小さく落胆してしまう。
遥香は弘貴に向かって頭を下げた。
「お疲れさまでした」
小声になってしまったのは、無視されたときに自分で自分に言い訳するため。聞こえなかつたんだから仕方がない、と。そんなことを考える自分を自嘲したい。
「お疲れ様」
書類から顔をあげずに弘貴が言う。
そっけなかったが挨拶を返してくれたことにホッとしつつ、遥香が部屋を出て行こうとした、そのとき。
「少し待って」
突然弘貴に呼び止められて、遥香は足を止めて振り返った。
真剣な顔をした弘貴が、デスクから立ち上がってこちらへ歩いてくる。
自分のデスクの場所とオフィスの入口の中間地点くらいで立ち尽くし、遥香はぼんやりと弘貴がこちらへ歩いてくるのを見上げた。
「ほんとは、こんなことカッコ悪いから言うのはやめようと思ってたんだけど……」
怒っているのかと思うほど真剣な目をした弘貴が近づいてきて、遥香は反射的に後ずさる。後ろは壁だ。背中が壁に当たって逃げ場のなくなった遥香は、壁に手をついた弘貴にあっさり囲い込まれてしまった。
「経理部の橘君だっけ? 秋月さんがこの前言っていた彼氏って、橘君のこと?」
「―――え?」
遥香はたっぷりと沈黙し、そのあと目を瞬いた。
(彼氏……、え?)
真っ白になりそうな思考を何とかつなぎとめて、そういえば以前、弘貴のデートの誘いを断る口実で彼氏がいると嘘をついたことを思い出す。
おそらく弘貴はそのことを言っているのだろう。
「昨日、親しそうにしていたね。俺と一緒のときよりもずいぶんと楽しそうだったけど」
そんなことはない。そう言いたいのに声が出ない。
「彼氏、ほんとにいたんだね。嘘かと思ってたよ。この前の土曜日も来てくれたし、マンションまで来てくれて、ちょっとは期待してたのに……」
こくり、と遥香はつばを飲み込んだ。嚥下する際に動く喉を、弘貴が静かに見つめている。
怖かった。こんな怖い弘貴は知らない。誤解だと言いたいのに、何を言えば納得してくれるのかも、混乱している遥香の頭ではわからない。
「ねえ、何か言いなよ。真実だから何も言えない? 彼氏がいるのに、俺をからかって遊んでいたのかな。ねえ」
口調は穏やかなのに、弘貴の沸々とした怒りが伝わってくる。
言わないといけない。何か、言わないと。遥香は頭が真っ白なまま口を開いた。
「ち、違い、ます……。橘さんは、彼氏なんかじゃ……」
緊張と恐怖で声がかすれる。それでも聞き取ってくれたらしい弘貴が、「じゃあ、彼は何」と冷淡な声を出すのを、泣きそうになりながら聞いた。
「た、橘さんは、先週、坂上さんたちと飲みに行ったときに知りあった人で……」
「ふぅん、合コン行ったの」
「合コン!? ち、違……っ」
「じゃあなに」
弘貴はどこまでも鋭く責めてくる。遥香は彼氏に浮気を責められているような気になった。つきあってないのに、どうしてこんなに責められているのだろう。
「の、飲み会、です。橘さんは、坂上さんの彼氏の同期だって……」
「ああ、合コンじゃなくて紹介してもらってたの」
「違う……!」
どうしたらわかってもらえるのだろう。彼氏ではなくて、合コンでも紹介されていたのでもない。弘貴は恋人ではなくて、誰とどこに出かけようと遥香の自由なはずなのに、弘貴に責められるいわれはないのに、弘貴に責められると身がすくみそうだった。
「秋月さんさ、俺が好きだって言ったの、ちゃんと理解してる? それなのにほかの男と仲良くしてるなんて、どういうつもりなの。俺のこと嘲笑ってる?」
遥香は勢いよく首を横に振った。嘲笑ってなんて、ない。飲み会だって最初は断るつもりだった。結果、橘はとても面白い人だったけど、遥香にとってはそれだけで、つきあいたいとか思っているわけじゃない。
頭の中ではいくらでもいいわけを思いつくのに、言葉が出てこない。
「た、ただ、飲みに行っただけ、です」
「ただ? へえ、ただ。俺が誘っても渋るくせに? ひどいよね、秋月さん。俺はあきらめないとは言ったけど、傷つかないわけじゃないんだよ」
遥香は息を呑んだ。好き勝手なことを言われていると思う。それなのに、じわじわと罪悪感が胸に広がっていく。
弘貴を見上げると、うっすらと笑っていた。その笑みが怖い。
「君は少し、男の本気を、思い知ればいいよ」
「―――っ」
弘貴が遥香を押さえつけて、遥香が息を呑んだ瞬間、唇が合わさっていた。
呼吸すら奪い取られそうなキスに、遥香の思考が停止する。息が苦しくなって、息継ぎをしようと口を開けたその隙間から、弘貴の舌が滑り込んできた。
からめとられて、吸い上げられる。
膝が震えて頽れそうになっている遥香の腰を引き寄せて、弘貴はなおも深く唇を重ねた。
歯列を舌でなぞられて、口蓋を舐められる。
息苦しくて息をしようとするたびにキスは深くなって、遥香の目のうしろがチカチカしはじめた。
立っていられなくて、弘貴の腕に縋りつく。弘貴の片腕に腰を抱き寄せられ、頭のうしろに手をまわされて、どうやったって遥香では抜け出せなかった。
舌を絡める水音が頭の中にじかに響く。呼吸が苦しくて、体に力が入らなくて、口を開きっぱなしのため顎が痛い。
怖さと苦しさで、盛り上がってきた涙が目じりから零れ落ちた。
ようやく弘貴が唇を離してくれたとき、遥香の体にはまったく力が入らなくて、弘貴に支えられたまま荒い息を繰り返した。
震えているのに気がついたのか、弘貴が遥香を抱きしめて、背中をあやすように叩いてくれる。
「……ごめん」
後悔をにじませた声で謝られて、ようやく体に力が戻りはじめた遥香はカッとした。
謝るなら、しないでほしい。
弘貴は身勝手だ。力で押さえつけられて、怖かったのに、そんな小さな「ごめん」の一言で納得できるはずがない。
気がついた時には、パンッと弘貴の頬を叩いていた。
手が震えているから、それほど力は入らなかっただろう。
だが、遥香に平手打ちされると思っていなかったのか、弘貴が目を見開いて硬直していた。
「……ひどいです」
遥香は消え入りそうな声でそう言うと、目じりに残った涙を袖でぬぐい、踵を返す。
そのままオフィスを出て行った遥香の背中に、弘貴は何の言葉もかけなかった。
10
お気に入りに追加
514
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
王太子エンドを迎えたはずのヒロインが今更私の婚約者を攻略しようとしているけどさせません
黒木メイ
恋愛
日本人だった頃の記憶があるクロエ。
でも、この世界が乙女ゲームに似た世界だとは知らなかった。
知ったのはヒロインらしき人物が落とした『攻略ノート』のおかげ。
学園も卒業して、ヒロインは王太子エンドを無事に迎えたはずなんだけど……何故か今になってヒロインが私の婚約者に近づいてきた。
いったい、何を考えているの?!
仕方ない。現実を見せてあげましょう。
と、いうわけでクロエは婚約者であるダニエルに告げた。
「しばらくの間、実家に帰らせていただきます」
突然告げられたクロエ至上主義なダニエルは顔面蒼白。
普段使わない頭を使ってクロエに戻ってきてもらう為に奮闘する。
※わりと見切り発車です。すみません。
※小説家になろう様にも掲載。(7/21異世界転生恋愛日間1位)
【完結】4人の令嬢とその婚約者達
cc.
恋愛
仲の良い4人の令嬢には、それぞれ幼い頃から決められた婚約者がいた。
優れた才能を持つ婚約者達は、騎士団に入り活躍をみせると、その評判は瞬く間に広まっていく。
年に、数回だけ行われる婚約者との交流も活躍すればする程、回数は減り気がつけばもう数年以上もお互い顔を合わせていなかった。
そんな中、4人の令嬢が街にお忍びで遊びに来たある日…
有名な娼館の前で話している男女数組を見かける。
真昼間から、騎士団の制服で娼館に来ているなんて…
呆れていると、そのうちの1人…
いや、もう1人…
あれ、あと2人も…
まさかの、自分たちの婚約者であった。
貴方達が、好き勝手するならば、私達も自由に生きたい!
そう決意した4人の令嬢の、我慢をやめたお話である。
*20話完結予定です。
行き遅れにされた女騎士団長はやんごとなきお方に愛される
めもぐあい
恋愛
「ババアは、早く辞めたらいいのにな。辞めれる要素がないから無理か? ギャハハ」
ーーおーい。しっかり本人に聞こえてますからねー。今度の遠征の時、覚えてろよ!!
テレーズ・リヴィエ、31歳。騎士団の第4師団長で、テイム担当の魔物の騎士。
『テレーズを陰日向になって守る会』なる組織を、他の師団長達が作っていたらしく、お陰で恋愛経験0。
新人訓練に潜入していた、王弟のマクシムに外堀を埋められ、いつの間にか女性騎士団の団長に祭り上げられ、マクシムとは公認の仲に。
アラサー女騎士が、いつの間にかやんごとなきお方に愛されている話。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる