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拾ったわんこ(狼)が可愛すぎてモフりまくってたら襲われた(R18)

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 ブラッドリー伯爵は晩餐の席にも姿を現さなかった。

 夜には帰ると言っていたけれども、いよいよ怪しくなってきて、わたしは晩餐が終わるとメイドたちにお風呂でピカピカに洗い上げられ、いい香りのする香油を塗りこめられた。

 初夜の装いだろう、体の線が透けそうなほど薄い夜着を着させられて、寝室に押し込められると、メイドさんたちが一礼して去っていく。

 わたしは誰もいない寝室で、ベッドの淵に座ってうつむいた。

 旦那様になったブラッドリー伯爵を待っていないといけないんだろうけれども、彼はやってくるのだろうか?

 このまま朝まで待ちぼうけになったらどうしよう。

 小さなランプの炎が揺れる薄暗い寝室に一人きりにされるのは、ものすごく不安になる。

「アレクサンダー」

 わたしは不安になって、立ち上がると私室の扉を開いた。

 アレクサンダーとはいつも同じベッドで眠っていたけれど、さすがに夫婦の寝室に勝手に上げるわけにもいかず、アレクサンダーはわたしの部屋でお休み中。……なのだけど、扉を開けた先の私室の中には彼の姿はなく、わたしは首をひねる。

 いくらアレクサンダーが賢いとはいえ、内鍵がかかっている部屋の外に出ることはできないだろう。

 アレクサンダーの体は大きいので、体をすっぽりと隠せる場所もないし。

「……アレクサンダー?」

 まさかさらわれたのでは――、わたしは不安になって、彼を探そうと私室の中に入ろうとした、そのときだった。

 ガチャリと音が聞こえて振り向けば、ブラッドリー伯爵の部屋の続きの扉が開いて、寝室に一人の青年が入ってきた。

 わたしは思わず息を呑んだ。

 肩までの白に近い銀色の髪に、真っ赤な目。すらりと高い身長に、がっしりとした肩幅。眼光は鋭く、けれどもどこか温かく、目があった瞬間、まるで金縛りにあったかのように動けなくなる。

「遅くなって悪かった」

 彼が言った。

 わたしは立ち尽くしたまま、ゆっくりとこちらに歩いてくる彼を見上げた。

 彼が手を伸ばして、わたしの背後の扉を閉める。私室の扉が閉まっただけなのに、なぜかひどく息苦しく感じてしまった。

 わたしが何も言わずに立ち尽くしたままだったからか、彼がひょいとわたしの体を抱き上げる。

 そのままベッドの方へ歩いていくから、わたしはおろおろと視線を彷徨わせた。

 どうしよう。どうしたのかしら。

 心臓が、ドキドキと大きく高鳴っている。

 お風呂に入っていたのか、ガウンのあわせから覗く肌は熱く、しっとりとしていた。

「あ、あの! あなたが、伯爵さま……?」

 ベッドに横たえられて、上から覆いかぶさってきた彼を見上げて、わたしが緊張しながら訊ねると、「そうだよ」と彼は目を細めて笑う。

 笑うと鋭かった眼光が柔らかくなり、わたしの胸はまた大きく高鳴った。

 ゆっくりと唇が重なる。そのまま唇を滑らせたブラッドリー伯爵は、わたしの首筋を舐め上げて、軽く歯を立てた。

 びくり、と肩を揺らしたわたしをみて、彼はまた笑う。

「痛かった?」

 わたしが首を横に振ると、また首筋への甘噛みが再開される。

 彼の愛撫を受けながら、わたしは軽く混乱していた。

 妻だから、初夜だから、こうなることは覚悟していた。

 でも、――どうしてだろう。彼に触れられれば触れられるほど、彼に触られるのははじめてではないような気がしてくる。

「可愛らしいね」

 びくびくと肩を揺らすわたしの頬を、伯爵が愛おしそうに撫でる。

 体の線を撫でて、夜着の胸元のリボンに指をかけると、躊躇いなくほどいてしまった。

「あ……」

 抵抗する間もなくあっという間に裸にされて、恥ずかしくて目を伏せると唇が重なる。今度のキスは長く、ねっとりと舌をからめとられて、わたしはあまりの心地よさにぼーっとしてしまった。

「あ、あの、旦那様……、わたしは、旦那様のことを、何とお呼びしたらいいのか……」

 ブラッドリー伯爵のファーストネームはウィリアムだったはずだ。だが、勝手にその名を呼んでいいものか悩む。すると、ブラッドリー伯爵が楽しそうに笑った。

「たぶんあなたは、私の呼び名をご存じのはずだよ」

「……え?」

 よくわからない言い回しに、わたしは首をひねる。

 だが、ブラッドリー伯爵はわたしに答えをくれない。

 彼は困惑したわたしをよそに、わたしへの愛撫を再開した。

 大きな手が全身を撫でて、柔らかい二つの膨らみが揉みしだかれる。わたしが身をよじればやんわりと押さえつけられ、わたしが感じるところを見つけるとそこをしつこいくらいに責め立ててくる。

「んぅ……」

 わたしの思考はぐずぐずに溶けて、もう何も考えられない。

「旦那さ……」

 大きく足がわり開かれて、彼の熱量を感じたそのとき。

 困った子だねと笑ったブラッドリー伯爵が、わたしの耳元でそっとささやいた。

「アレクサンダー、だよ」

 え? とわたしが首を傾げた一瞬後。

 突然襲ってきた体が真っ二つに割かれるのではないかという痛みに、わたしは意識を手放した。




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