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勝負下着
しおりを挟むデートの前日、結衣は寮の先輩・玲奈と一緒にショッピングモールへ出かけていた。
「さて、明日のデートのために可愛い服を選びましょうか!」
玲奈はノリノリで、結衣を引っ張るようにしてレディースファッションのフロアへと向かった。
「せっかくのデートなんだから、ちょっとオシャレしなきゃね?」
「う、うん……」
まだデートの服を選ぶという感覚に慣れていない結衣は、どこかそわそわしながら玲奈の後をついていく。
最初に選んだのは、柔らかいパステルカラーのワンピース。
「これなんてどう? シンプルだけど上品で可愛いと思うよ?」
「うん、すごくいい感じ……!」
試着してみると、すとんと落ちるシルエットが綺麗で、鏡に映った自分の姿に思わず見入ってしまった。
「うんうん、やっぱり結衣はこういうのが似合うね!」
玲奈も満足そうに頷く。
「じゃあ、これに決まりね!」
無事に服が決まり、レジへ向かおうとしたそのとき――
「ねえっ、勝負下着は買わないの?」
玲奈の何気ない一言に、結衣は思わず足を止めた。
「えっ……しょ、勝負下着……?」
「そうよ! せっかくのデートなんだから、可愛い下着も揃えたほうがいいでしょ?」
「そ、そんなの別に……!」
「もしかして、もう持ってる?」
「い、いや、そういうわけじゃないけど……」
玲奈はニヤリと笑って、結衣の腕を引っ張る。
「じゃあ、ちょっと覗いてみましょ!」
「えええっ!?」
戸惑う結衣をよそに、玲奈はランジェリーショップへと足を踏み入れた。
目の前には、レースやリボンのついた可愛らしい下着がずらりと並んでいる。
(こ、ここにいるだけで恥ずかしい……!)
「どれにしようかな~♪」
玲奈はすっかり楽しそうにあれこれと手に取っている。
「結衣はどんなのが好み? シンプルなやつ? それとも可愛い系?」
「べ、別に普通のでいいよ!」
「普通ってどんなのよ~、ほら、せっかくだしこれなんて?」
そう言って玲奈が差し出したのは、白とピンクのレースがあしらわれた可愛いデザインの下着。
「う……」
(たしかに可愛いけど……!)
「まあ、買うか買わないかは別として、一応試着してみたら?」
「し、試着!?」
「うん、意外と着てみると気に入るかもよ?」
玲奈の笑顔に押される形で、結衣はしぶしぶ試着室へ向かった。
(……なんで俺、こんなことしてるんだっけ……?)
試着室の鏡に映る自分を見ながら、結衣はふとそんなことを思うのだった。
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