名探偵の秘密

廣瀬純七

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覚醒する融合人格 “コード・ノワール”

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クロノス・リンク地下施設の制御室から、二人は静かに歩み出した。

一歩、また一歩――その足取りは凛とし、迷いがなかった。  
それは木村小枝の流れるような美しい動きと、明石小五郎の鋭敏な直感が重なった結果だ。

「よし、行こう」  
その声は中性的で、妙に落ち着いている。  
小五郎の理知的な響きと、小枝の柔らかくも鋭い抑揚が混ざり合った、奇妙に心地よい声だ。

### 「私たちは、“コード・ノワール”。  
    クロノスの闇を暴き、白日の下にさらす。」

---

## ◆◆◆ 超人的な推理力 ―“共鳴思考”◆◆◆

廊下を進みながら、二人は無数の情報を処理していた。  
通路の壁に貼られた古い掲示物、床の小さなひび割れ、セキュリティロックのタイミング――  
それら全てが意味を持ち、瞬時に解析される。

「この施設は、建設当初から第三セクターが資金提供を行っていた。その意図は――」  
(表向きはAI開発、裏では人体実験の隠れ蓑……)

「そして、この通路の先。左手の第13実験室――」  
(――黒幕が待っている)

ふたりの意識は、同時並列で考え、補完し合い、曖昧な推論を瞬時に確信に変える。

「こっちだ」  
迷いはない。  
扉を開けた瞬間、中に待っていた護衛ロボットの動作アルゴリズムすら、彼らの脳内にはすでに予測されていた。

---

## ◆◆◆ 超人的な戦闘力 ―“交差の舞”◆◆◆

「警戒モード確認。侵入者排除プロトコル起動」

無機質な音声とともに、4体のアサルトロイドが動き出す。  
だが、“コード・ノワール”は、わずかに微笑んだだけだった。

(まずは、関節部にブラインドポイントがある。回転可動域が限られるため――)

「右足を払ってから、関節を抜く」

一歩踏み込むと同時に、滑るような動きでロボットの死角に入り込む。  
小枝の身体能力と小五郎の瞬時の戦術解析が合わさり、無駄が一切ない。

「1体、排除」  
その言葉と同時に、ロボットの頭部が床に転がった。

次の瞬間、残りの機体が一斉に火器を展開――  
だが、それすらも予測済みだ。

「ジャンプしろ」  
(了解)

思考の中で指示と動作が一体化する。  
軽やかなバックステップ、続けざまに壁を蹴って反転――  
まるでダンスのような動きで、敵の銃撃を回避しつつ、手元のナイフで関節部を一閃。

「3体、排除」

最後の一機も、あっさりと崩れ落ちた。

---

## ◆◆◆ 黒幕のもとへ ―“思考の檻”を破れ◆◆◆

彼らはさらに奥へ進む。  
最深部、第13実験室。  
鋼鉄の扉の前で足を止めた。

「ここだ……」  
(……準備はいい?)

「いつでも」

指先を壁のインターフェースにかざす。  
脳波認証。  
これは元々、小枝のものでなければ突破できなかったはずだ。  
だが今は違う。  
融合した人格は、彼女の認証パターンと、小五郎のハッキングスキルを両方兼ね備えている。

「オープン」

静かに扉が開く。  
そこには――クロノス・リンクの最高責任者、そしてこの人格交換計画の黒幕、  
### 「Dr.結城誠司」  
が待ち構えていた。

---

## ◆◆◆ 黒幕との対決 ―“完全なる推理”◆◆◆

「来たか。やはり、“融合”は成功したようだな」  
Dr.結城は微笑む。  
その手には小型のリモートデバイス――人格崩壊プログラムがインストールされていると言われる最終兵器。

「お前たちには、選択肢がある」  
「融合したまま、クロノスの未来を担うか」  
「あるいは――ここで人格を消されるか、だ」

だが、“コード・ノワール”は動じない。

「選択肢は、こちらが握っている」  
(あなたの行動パターンは、すでに解析済み)

Dr.結城がボタンを押すより早く、彼の右手を貫くようにナイフが飛ぶ。  
それは、わずか0.4秒の隙を突いた精密な一撃だった。

「ぐあっ……!」

「もう終わりだ、結城」  
“コード・ノワール”は、静かに歩み寄る。

---

## ◆◆◆ そして、選択の時へ◆◆◆

結城を倒し、クロノス・リンクのシステムも制圧。  
だが――問題はこれからだった。

「私たちは……このまま一つの存在として生きるのか」  
(それとも、分かれて、別々の人生に戻るのか)

答えは、まだ出ていない。  
だが、一つだけ確かなのは――  
融合したこの力で、世界は確実に変わるということだ。
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