26 / 83
共同攻撃失敗
しおりを挟む
「敵機の数が多い!」
テニアンを発進した南山はグラマンからの攻撃を避けつつ叫ぶ。
敵艦隊の上空で機動部隊からの攻撃隊――今朝攻撃に出た攻撃隊の残存機で編成された第二次攻撃隊がいるはずだった。
だが、現れたのは敵の戦闘機だけ。
マリアナを出撃した攻撃隊はグラマンヘルキャットの攻撃を受けてバラバラになって仕舞った。
南山も空戦に巻き込まれ低空飛行で避けるので精一杯であり、僚機とははぐれてしまった。
単機となって仕舞った南山は機体を横滑りさせ敵機の照準を付けにくくする。
「後部機銃! 撃ちまくれ!」
同時に敵機の絶好の攻撃位置、機体上方へ機銃を撃って牽制射撃をする。
命中弾は得られないだろうが、銃撃されると知って回避機動をしてくれれば、しめたものだ。
「敵機が、逃げていきました」
「安心するな! 新たな敵機だ!」
離脱していくグラマンとは別に、新たなグラマンが食らいついてくる。
グラマンヘルキャットは、絶好の位置に付くと南山の天山に向かった銃撃を浴びせた。
「大丈夫か!」
銃撃が終わった後、南山は叫んだ。
銃撃の瞬間機体を更に横滑りさせたので、致命傷は得ていないはず。だが、機体には数発喰らった。
「誘導装置が壊れました! 彩雲からの誘導電波、敵艦隊の位置を探知できません」
「燃料タンクに穴が! 火災は起きていませんが、半分近くを失っています」
「畜生……」
南山は素早く計算し判断した。
「魚雷を投棄、撤退する」
「諦めるんですか?」
「敵艦隊の位置が分からないのでは闇雲に突進しても敵機に撃墜されるだけだ。それに帰還できるだけの燃料がない」
飛行機は燃料があってこそ飛べる。
燃料が無くなれば墜落しかない。
「ここで死んでも空母は撃沈できない。生きて帰ればまた魚雷をぶち込める機会がある。撤退する」
「分かりました。テニアンに戻りますか?」
「いや、機動部隊へ戻る。テニアンだと、また空襲を受けて出撃できなくなる」
また連日の迎撃戦で基地の燃料が足りない。
夜に艦砲射撃を受けて滑走路が使用不能になるのも避けたかった。
「機動部隊のおおよその位置は分かるだろう。それに近くに機動部隊から出てきた彩雲もいるはずだ」
誘導装置が無くてもチャートを使って推測飛行で飛べる。
彩雲に近づき、機動部隊の推定位置を教えて貰えれば艦隊に向かえる。
また機動部隊からも攻撃隊の収容と誘導のための飛行機が飛んでいるはずで、誘導して貰えるはずだ。
「必ず生きて帰るぞ」
「どういうことだ」
正午過ぎ、一航艦との共同攻撃失敗の報告に山口はいらだった。
基地航空隊と機動部隊の機体を合わせれば一千機近くなる。
昨日の攻撃を考えれば空母群の一つは確実に、上手くいけば二つを壊滅させることが出来たはずだ。
なのになぜ航空攻撃は失敗したのか、山口は理解できなかった。
「敵の迎撃網が厳しかったようです。陸上基地の修復にも時間がかかり、しかも復旧が不十分で離陸時の事故が多発したそうです」
報告書を読みながら佐久田は報告した。
空襲の最中発進するのは難しいし、空爆で滑走路に空いた穴を埋めるのも不十分だ。
それに各航空基地に分散している航空隊を空中で纏め上げるのも難しい。
結局、集合した航空隊がバラバラに攻撃に向かい、連携のない波状攻撃を繰り返し、敵に各個撃破の機会を与えてしまったのだ。
「警戒隊より連絡! 敵編隊の接近を確認。機数二百!」
「敵艦隊が我々を見つけたか」
昨日から敵艦隊に向かって全速力で向かっていれば、接近するのは当たり前だ。
敵艦隊まで三百キロもないほど接近しているはず。
敵からの攻撃を受けてもおかしくない。
「長官、全力迎撃の許可を」
「よろしい」
「全艦隊に連絡。至急待機中の全戦闘機を発艦せよ」
各空母からは直掩に一個中隊一二機が上空に常に待機し、更に緊急事態に備えてもう一個中隊一二機が甲板上で待機している。
一部隊は空母三隻で編成され、四個部隊がいるから最大二八八機を上空に上げることができる。
さらに第五部隊に配備した軽空母は防空に専念するよう定められており、対潜警戒用の攻撃機を除けばすべて戦闘機が搭載されいる。その数合計一〇〇機。
三八八機の戦闘機が第一機動艦隊を守る為に用意されている。
「だが敵艦隊はどうやって攻撃隊を出したのだ」
第一機動艦隊の空襲と基地航空隊の襲撃で攻撃隊を、まとまった数の編隊を出す余裕はないはずだ。
「おそらく、マリアナ攻撃に出ていた攻撃隊を我々に向けたのでしょう。マリアナ航空基地上空が守られるようになった上に、我々を発見したのですから」
空母同士の戦いの場合、相手の空母を撃沈しなければ自分が敗れる。それ以前に、再び発見できる保証はない。
敵が攻撃してくるのは当たり前だった。
「だがマリアナの基地は再び敵機の攻撃を排除できるのでは」
参謀長が楽観的な意見を述べたが、打ち砕くような報告が入ってきた。
「報告です。敵の戦艦部隊がテニアン及びグアム接近! 艦砲射撃を行っております。地上基地は発進不能」
「やはりな」
佐久田は顔をしかめた。
航空攻撃だけでなく戦艦で飛行場を砲撃し使用不能にするのは、ソロモンで日本軍がよく使った手であり、米軍が取り入れた戦法だ。
ここで使われる事は十分に予想できたが、刻一刻と変化する情勢への対応に精一杯で数多が回らなかった。
「今日中に一航艦が再び攻撃する事は不可能か」
艦砲射撃の中離陸できる機体は無いし滑走路も穴だらけだ。
一航艦は事実上脱落したも同然だ。
「長官、まもなく、第二次攻撃隊と昨日放ちマリアナに着陸した攻撃隊の機体が戻ってきます」
「それが……」
佐久田が何を言いたいのか山口には分かった。
敵の攻撃隊による空襲と味方の攻撃隊の収容。
どちらを優先するべきか問いかけてきているのだ。
マリアナに引き返しても再び離陸出来る保証はない。そして引き返すだけの燃料ももうない。
だが収容しなければ攻撃機は失ってしまう。
非常に悩ましい問題だった。
「……何か腹案があるのか?」
山口は佐久田に尋ねた。指揮官の質問に答えるのが参謀の役目だ。
「はい」
佐久田は自身の案について話した。
「……」
山口は一瞬顔をしかめた。
作戦案に初めから想定されているものだ。だが実際に命じるとなると躊躇する。
たとえ人殺し多門丸といえどもだ。
だが、それ以外に案はなく山口は佐久田に実行を命じた。
テニアンを発進した南山はグラマンからの攻撃を避けつつ叫ぶ。
敵艦隊の上空で機動部隊からの攻撃隊――今朝攻撃に出た攻撃隊の残存機で編成された第二次攻撃隊がいるはずだった。
だが、現れたのは敵の戦闘機だけ。
マリアナを出撃した攻撃隊はグラマンヘルキャットの攻撃を受けてバラバラになって仕舞った。
南山も空戦に巻き込まれ低空飛行で避けるので精一杯であり、僚機とははぐれてしまった。
単機となって仕舞った南山は機体を横滑りさせ敵機の照準を付けにくくする。
「後部機銃! 撃ちまくれ!」
同時に敵機の絶好の攻撃位置、機体上方へ機銃を撃って牽制射撃をする。
命中弾は得られないだろうが、銃撃されると知って回避機動をしてくれれば、しめたものだ。
「敵機が、逃げていきました」
「安心するな! 新たな敵機だ!」
離脱していくグラマンとは別に、新たなグラマンが食らいついてくる。
グラマンヘルキャットは、絶好の位置に付くと南山の天山に向かった銃撃を浴びせた。
「大丈夫か!」
銃撃が終わった後、南山は叫んだ。
銃撃の瞬間機体を更に横滑りさせたので、致命傷は得ていないはず。だが、機体には数発喰らった。
「誘導装置が壊れました! 彩雲からの誘導電波、敵艦隊の位置を探知できません」
「燃料タンクに穴が! 火災は起きていませんが、半分近くを失っています」
「畜生……」
南山は素早く計算し判断した。
「魚雷を投棄、撤退する」
「諦めるんですか?」
「敵艦隊の位置が分からないのでは闇雲に突進しても敵機に撃墜されるだけだ。それに帰還できるだけの燃料がない」
飛行機は燃料があってこそ飛べる。
燃料が無くなれば墜落しかない。
「ここで死んでも空母は撃沈できない。生きて帰ればまた魚雷をぶち込める機会がある。撤退する」
「分かりました。テニアンに戻りますか?」
「いや、機動部隊へ戻る。テニアンだと、また空襲を受けて出撃できなくなる」
また連日の迎撃戦で基地の燃料が足りない。
夜に艦砲射撃を受けて滑走路が使用不能になるのも避けたかった。
「機動部隊のおおよその位置は分かるだろう。それに近くに機動部隊から出てきた彩雲もいるはずだ」
誘導装置が無くてもチャートを使って推測飛行で飛べる。
彩雲に近づき、機動部隊の推定位置を教えて貰えれば艦隊に向かえる。
また機動部隊からも攻撃隊の収容と誘導のための飛行機が飛んでいるはずで、誘導して貰えるはずだ。
「必ず生きて帰るぞ」
「どういうことだ」
正午過ぎ、一航艦との共同攻撃失敗の報告に山口はいらだった。
基地航空隊と機動部隊の機体を合わせれば一千機近くなる。
昨日の攻撃を考えれば空母群の一つは確実に、上手くいけば二つを壊滅させることが出来たはずだ。
なのになぜ航空攻撃は失敗したのか、山口は理解できなかった。
「敵の迎撃網が厳しかったようです。陸上基地の修復にも時間がかかり、しかも復旧が不十分で離陸時の事故が多発したそうです」
報告書を読みながら佐久田は報告した。
空襲の最中発進するのは難しいし、空爆で滑走路に空いた穴を埋めるのも不十分だ。
それに各航空基地に分散している航空隊を空中で纏め上げるのも難しい。
結局、集合した航空隊がバラバラに攻撃に向かい、連携のない波状攻撃を繰り返し、敵に各個撃破の機会を与えてしまったのだ。
「警戒隊より連絡! 敵編隊の接近を確認。機数二百!」
「敵艦隊が我々を見つけたか」
昨日から敵艦隊に向かって全速力で向かっていれば、接近するのは当たり前だ。
敵艦隊まで三百キロもないほど接近しているはず。
敵からの攻撃を受けてもおかしくない。
「長官、全力迎撃の許可を」
「よろしい」
「全艦隊に連絡。至急待機中の全戦闘機を発艦せよ」
各空母からは直掩に一個中隊一二機が上空に常に待機し、更に緊急事態に備えてもう一個中隊一二機が甲板上で待機している。
一部隊は空母三隻で編成され、四個部隊がいるから最大二八八機を上空に上げることができる。
さらに第五部隊に配備した軽空母は防空に専念するよう定められており、対潜警戒用の攻撃機を除けばすべて戦闘機が搭載されいる。その数合計一〇〇機。
三八八機の戦闘機が第一機動艦隊を守る為に用意されている。
「だが敵艦隊はどうやって攻撃隊を出したのだ」
第一機動艦隊の空襲と基地航空隊の襲撃で攻撃隊を、まとまった数の編隊を出す余裕はないはずだ。
「おそらく、マリアナ攻撃に出ていた攻撃隊を我々に向けたのでしょう。マリアナ航空基地上空が守られるようになった上に、我々を発見したのですから」
空母同士の戦いの場合、相手の空母を撃沈しなければ自分が敗れる。それ以前に、再び発見できる保証はない。
敵が攻撃してくるのは当たり前だった。
「だがマリアナの基地は再び敵機の攻撃を排除できるのでは」
参謀長が楽観的な意見を述べたが、打ち砕くような報告が入ってきた。
「報告です。敵の戦艦部隊がテニアン及びグアム接近! 艦砲射撃を行っております。地上基地は発進不能」
「やはりな」
佐久田は顔をしかめた。
航空攻撃だけでなく戦艦で飛行場を砲撃し使用不能にするのは、ソロモンで日本軍がよく使った手であり、米軍が取り入れた戦法だ。
ここで使われる事は十分に予想できたが、刻一刻と変化する情勢への対応に精一杯で数多が回らなかった。
「今日中に一航艦が再び攻撃する事は不可能か」
艦砲射撃の中離陸できる機体は無いし滑走路も穴だらけだ。
一航艦は事実上脱落したも同然だ。
「長官、まもなく、第二次攻撃隊と昨日放ちマリアナに着陸した攻撃隊の機体が戻ってきます」
「それが……」
佐久田が何を言いたいのか山口には分かった。
敵の攻撃隊による空襲と味方の攻撃隊の収容。
どちらを優先するべきか問いかけてきているのだ。
マリアナに引き返しても再び離陸出来る保証はない。そして引き返すだけの燃料ももうない。
だが収容しなければ攻撃機は失ってしまう。
非常に悩ましい問題だった。
「……何か腹案があるのか?」
山口は佐久田に尋ねた。指揮官の質問に答えるのが参謀の役目だ。
「はい」
佐久田は自身の案について話した。
「……」
山口は一瞬顔をしかめた。
作戦案に初めから想定されているものだ。だが実際に命じるとなると躊躇する。
たとえ人殺し多門丸といえどもだ。
だが、それ以外に案はなく山口は佐久田に実行を命じた。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
架空世紀「30サンチ砲大和」―― 一二インチの牙を持つレバイアサン達 ――
葉山宗次郎
歴史・時代
1936年英国の涙ぐましい外交努力と
戦艦
主砲一二インチ以下、基準排水量五万トン以下とする
などの変態的条項付与により第二次ロンドン海軍軍縮条約が日米英仏伊五カ国によって締結された世界。
世界は一時平和を享受できた。
だが、残念なことに史実通りに第二次世界大戦は勃発。
各国は戦闘状態に入った。
だが、軍縮条約により歪になった戦艦達はそのツケを払わされることになった。
さらに条約締結の過程で英国は日本への条約締結の交換条件として第二次日英同盟を提示。日本が締結したため、第二次世界大戦へ39年、最初から参戦することに
そして条約により金剛代艦枠で早期建造された大和は英国の船団護衛のため北大西洋へ出撃した
だが、ドイツでは通商破壊戦に出動するべくビスマルクが出撃準備を行っていた。
もしも第二次ロンドン海軍軍縮条約が英国案に英国面をプラスして締結されその後も様々な事件や出来事に影響を与えたという設定の架空戦記
ここに出撃
(注意)
作者がツイッターでフォローさんのコメントにインスピレーションが湧き出し妄想垂れ流しで出来た架空戦記です
誤字脱字、設定不備などの誤りは全て作者に起因します
予めご了承ください。
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
江戸時代改装計画
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
皇紀2603年7月4日、大和甲板にて。皮肉にもアメリカが独立したとされる日にアメリカ史上最も屈辱的である条約は結ばれることになった。
「では大統領、この降伏文書にサインして貰いたい。まさかペリーを派遣した君等が嫌とは言うまいね?」
頭髪を全て刈り取った男が日本代表として流暢なキングズ・イングリッシュで話していた。後に「白人から世界を解放した男」として讃えられる有名人、石原莞爾だ。
ここはトラック、言うまでも無く日本の内南洋であり、停泊しているのは軍艦大和。その後部甲板でルーズベルトは憤死せんがばかりに震えていた。
(何故だ、どうしてこうなった……!!)
自問自答するも答えは出ず、一年以内には火刑に処される彼はその人生最期の一年を巧妙に憤死しないように体調を管理されながら過ごすことになる。
トラック講和条約と称される講和条約の内容は以下の通り。
・アメリカ合衆国は満州国を承認
・アメリカ合衆国は、ウェーキ島、グアム島、アリューシャン島、ハワイ諸島、ライン諸島を大日本帝国へ割譲
・アメリカ合衆国はフィリピンの国際連盟委任独立準備政府設立の承認
・アメリカ合衆国は大日本帝国に戦費賠償金300億ドルの支払い
・アメリカ合衆国の軍備縮小
・アメリカ合衆国の関税自主権の撤廃
・アメリカ合衆国の移民法の撤廃
・アメリカ合衆国首脳部及び戦争煽動者は国際裁判の判決に従うこと
確かに、多少は苛酷な内容であったが、「最も屈辱」とは少々大げさであろう。何せ、彼らの我々の世界に於ける悪行三昧に比べたら、この程度で済んだことに感謝するべきなのだから……。
正しい歴史への直し方 =吾まだ死せず・改= ※現在、10万文字目指し増補改訂作業中!
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
二度の世界大戦を無事戦勝国として過ごすことに成功した大日本帝国。同盟国であるはずのドイツ第三帝国が敗北していることを考えたらそのさじ加減は奇跡的といえた。後に行われた国際裁判において白人種が今でも「復讐裁判」となじるそれは、その実白人種のみが断罪されたわけではないのだが、白人種に下った有罪判決が大多数に上ったことからそうなじる者が多いのだろう。だが、それはクリストバル・コロンからの歴史的経緯を考えれば自業自得といえた。
昭和十九年四月二日。ある人物が連合艦隊司令長官に着任した。その人物は、時の皇帝の弟であり、階級だけを見れば抜擢人事であったのだが誰も異を唱えることはなく、むしろその采配に感嘆の声をもらした。
その人物の名は宣仁、高松宮という雅号で知られる彼は皇室が最終兵器としてとっておいたといっても過言ではない秘蔵の人物であった。着任前の階級こそ大佐であったが、事実上の日本のトップ2である。誰が反対できようものか。
そして、まもなく史実は回天する。悪のはびこり今なお不正が当たり前のようにまかり通る一人種や少数の金持ちによる腐敗の世ではなく、神聖不可侵である善君達が差配しながらも、なお公平公正である、善が悪と罵られない、誰もに報いがある清く正しく美しい理想郷へと。
そう、すなわちアメリカ合衆国という傲慢不遜にして善を僭称する古今未曾有の悪徳企業ではなく、神聖不可侵な皇室を主軸に回る、正義そのものを体現しつつも奥ゆかしくそれを主張しない大日本帝国という国家が勝った世界へと。
……少々前説が過ぎたが、本作品ではそこに至るまでの、すなわち大日本帝国がいかにして勝利したかを記したいと思う。
それでは。
とざいとーざい、語り手はそれがし、神前成潔、底本は大東亜戦記。
どなた様も何卒、ご堪能あれー……
ああ、草々。累計ポイントがそろそろ10万を突破するので、それを記念して一度大規模な増補改訂を予定しております。やっぱり、今のままでは文字数が余り多くはありませんし、第一書籍化する際には華の十万文字は越える必要があるようですからね。その際、此方にかぶせる形で公開するか別個枠を作って「改二」として公開するか、それとも同人誌などの自費出版という形で発表するかは、まだ未定では御座いますが。
なお、その際に「完結」を外すかどうかも、まだ未定で御座います。未定だらけながら、「このままでは突破は難しいか」と思っていた数字が見えてきたので、一度きちんと構えを作り直す必要があると思い、記載致しました。
→ひとまず、「改二」としてカクヨムに公開。向こうで試し刷りをしつつ、此方も近いうちに改訂を考えておきます。
第二艦隊転進ス 進路目標ハ未来
みにみ
歴史・時代
太平洋戦争末期 世界最大の46㎝という巨砲を
搭載する戦艦
大和を旗艦とする大日本帝国海軍第二艦隊 戦艦、榛名、伊勢、日向
空母天城、葛城、重巡利根、青葉、軽巡矢矧
駆逐艦涼月、冬月、花月、雪風、響、磯風、浜風、初霜、霞、朝霜、響は
日向灘沖を航行していた
そこで米潜水艦の魚雷攻撃を受け
大和や葛城が被雷 伊藤長官はGFに無断で
作戦の中止を命令し、反転佐世保へと向かう
途中、米軍の新型兵器らしき爆弾を葛城が被弾したりなどもするが
無事に佐世保に到着
しかし、そこにあったのは………
ぜひ、伊藤長官率いる第一遊撃艦隊の進む道をご覧ください
ところどころ戦術おかしいと思いますがご勘弁
どうか感想ください…心が折れそう
どんな感想でも114514!!!
批判でも結構だぜ!見られてるって確信できるだけで
モチベーション上がるから!
自作品 ソラノカケラ⦅Shattered Skies⦆と同じ世界線です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる