1 / 34
1
しおりを挟む
私の名前は、アルメア。サジェルド王国の聖女である。
聖女というのは、魔力が高い者に与えられる役職だ。その業務は多岐に渡る。国を守る結界を張ったり、王宮に仕える魔術師達を取り纏めたり、国民の前に立ち彼等を励ましたり、本当に色々な仕事があるのだ。
そのようにたくさんの業務があるため、聖女はとても多忙な仕事である。
朝から晩まで、一日中業務。週にある決められた休みも、仕事になったりするため、ほとんど休む時間がない。
とても苦しく、体のあちこちが悲鳴を上げてくる仕事なのである。
このような労働環境は、当然おかしいものである。
そもそも、聖女というものはここまで苛烈な労働環境ではなかった。ある人物が、聖女や魔術師達をまとめるようになってから、このような環境になったのである。
「ビクトン様、これ以上、仕事を増やさないでください」
「なんだ? また僕に文句か?」
諸悪の根源は、第三王子のビクトンだった。
最近になって、彼は聖女や魔術師を取りまとめることになった。しかし、彼は下の者のことを考えず、様々な仕事を入れて、私達を苦しめてくるのである。
それは、現国王に自分の功績を認めてもらうためだった。成果を上げて、次の国王に選ばれたい。その欲望のために、私達は犠牲になっているのだ。
「もう限界です。あなたは、なんでも仕事を回してきますが、そのような量に対処できるはずがないでしょう」
「それは、お前達の努力が足りないんだ。文句を言う暇があったら、仕事の一つでも処理すればいいだろう」
「ふざけないでください! あなたの勝手な欲望のために、どうして私達が振り回されなければならないのですか!」
「それが、第三王子である僕への口の利き方か? 平民風情が調子に乗るんじゃないぞ!」
ビクトンは、私の言葉を一切聞き入れなかった。
一応、私は魔術師の中では彼の次に偉い。そんな私の言葉を聞き入れないということは、他の者の言葉も耳に入らないということだ。
彼は、国王様への進言も邪魔してくる。私が国王様に抗議しようとしても、色々と策を巡らせて、それを差し止めてくるのだ。
そのため、彼を止めることはできなかった。悪知恵だけは働く、とても厄介な男。それが、彼なのである。
「嫌ならやめてもらってもいいんだ! お前の代わりなんて、いくらでもいる!」
「なっ……!」
彼の言葉に、流石に私も我慢の限界だった。
今まで、誰がこの無理な仕事をこなすために魔術師達を取りまとめていたと思っているのだろうか。
本当に、この男は何もわかっていない。もうこれ以上、彼に付き合うなど嫌だ。
「わかりました! それなら、やめさせてもらいます!」
「ふん! やめればいいんだ! 過ぎた地位を持った平民は、この王城から直ちに立ち去るがいい!」
「ええ、そうさせてもらいます!」
私は、彼に対して堂々と宣言した。
もうこれ以上、彼に付き合っていられない。そう思い、私は王城を去るのだった。
聖女というのは、魔力が高い者に与えられる役職だ。その業務は多岐に渡る。国を守る結界を張ったり、王宮に仕える魔術師達を取り纏めたり、国民の前に立ち彼等を励ましたり、本当に色々な仕事があるのだ。
そのようにたくさんの業務があるため、聖女はとても多忙な仕事である。
朝から晩まで、一日中業務。週にある決められた休みも、仕事になったりするため、ほとんど休む時間がない。
とても苦しく、体のあちこちが悲鳴を上げてくる仕事なのである。
このような労働環境は、当然おかしいものである。
そもそも、聖女というものはここまで苛烈な労働環境ではなかった。ある人物が、聖女や魔術師達をまとめるようになってから、このような環境になったのである。
「ビクトン様、これ以上、仕事を増やさないでください」
「なんだ? また僕に文句か?」
諸悪の根源は、第三王子のビクトンだった。
最近になって、彼は聖女や魔術師を取りまとめることになった。しかし、彼は下の者のことを考えず、様々な仕事を入れて、私達を苦しめてくるのである。
それは、現国王に自分の功績を認めてもらうためだった。成果を上げて、次の国王に選ばれたい。その欲望のために、私達は犠牲になっているのだ。
「もう限界です。あなたは、なんでも仕事を回してきますが、そのような量に対処できるはずがないでしょう」
「それは、お前達の努力が足りないんだ。文句を言う暇があったら、仕事の一つでも処理すればいいだろう」
「ふざけないでください! あなたの勝手な欲望のために、どうして私達が振り回されなければならないのですか!」
「それが、第三王子である僕への口の利き方か? 平民風情が調子に乗るんじゃないぞ!」
ビクトンは、私の言葉を一切聞き入れなかった。
一応、私は魔術師の中では彼の次に偉い。そんな私の言葉を聞き入れないということは、他の者の言葉も耳に入らないということだ。
彼は、国王様への進言も邪魔してくる。私が国王様に抗議しようとしても、色々と策を巡らせて、それを差し止めてくるのだ。
そのため、彼を止めることはできなかった。悪知恵だけは働く、とても厄介な男。それが、彼なのである。
「嫌ならやめてもらってもいいんだ! お前の代わりなんて、いくらでもいる!」
「なっ……!」
彼の言葉に、流石に私も我慢の限界だった。
今まで、誰がこの無理な仕事をこなすために魔術師達を取りまとめていたと思っているのだろうか。
本当に、この男は何もわかっていない。もうこれ以上、彼に付き合うなど嫌だ。
「わかりました! それなら、やめさせてもらいます!」
「ふん! やめればいいんだ! 過ぎた地位を持った平民は、この王城から直ちに立ち去るがいい!」
「ええ、そうさせてもらいます!」
私は、彼に対して堂々と宣言した。
もうこれ以上、彼に付き合っていられない。そう思い、私は王城を去るのだった。
62
あなたにおすすめの小説
【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ
・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。
アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。
『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』
そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。
傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。
アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。
捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。
--注意--
こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。
一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。
二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪
※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。
※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。
投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)
団長サマの幼馴染が聖女の座をよこせというので譲ってあげました
毒島醜女
ファンタジー
※某ちゃんねる風創作
『魔力掲示板』
特定の魔法陣を描けば老若男女、貧富の差関係なくアクセスできる掲示板。ビジネスの情報交換、政治の議論、それだけでなく世間話のようなフランクなものまで存在する。
平民レベルの微力な魔力でも打ち込めるものから、貴族クラスの魔力を有するものしか開けないものから多種多様である。勿論そういった身分に関わらずに交流できる掲示板もある。
今日もまた、掲示板は悲喜こもごもに賑わっていた――
殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。
和泉鷹央
恋愛
雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。
女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。
聖女の健康が、その犠牲となっていた。
そんな生活をして十年近く。
カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。
その理由はカトリーナを救うためだという。
だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。
他の投稿サイトでも投稿しています。
〖完結〗残念ですが、お義姉様はこの侯爵家を継ぐことは出来ません。
藍川みいな
恋愛
五年間婚約していたジョゼフ様に、学園の中庭に呼び出され婚約破棄を告げられた。その隣でなぜか私に怯える義姉のバーバラの姿があった。
バーバラは私にいじめられたと嘘をつき、婚約者を奪った。
五年も婚約していたのに、私ではなく、バーバラの嘘を信じた婚約者。学園の生徒達も彼女の嘘を信じ、親友だと思っていた人にまで裏切られた。
バーバラの目的は、ワイヤット侯爵家を継ぐことのようだ。
だが、彼女には絶対に継ぐことは出来ない。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
感想の返信が出来ず、申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる