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どうも魔法少女(おじさん)です。【3】~魔王降臨!!おじさんの昔のオトコ!?~

【22】戦いすんで日が暮れて※ その2

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「こら、おじさんのお手々を歯形だらけにする気か!?」

 戦いすんで日が暮れて、深海のような天蓋カーテンに囲まれたベッドの中、コウジは声をあげた。
 「噛んだほうがいいのか?」と低い声がして、がぶりと噛まれて「イテッ!」と声をあげた。

「この馬鹿ワンコ! ご主人様を噛むんじゃねぇ!」

 自分の手首にかぶりつく美丈夫の秀でたデコをぺしぺし叩く。

 魔王の脅威は去り二人は王宮ではなく、王都郊外のジークの邸宅に戻った。ここが二人の家だからだ。
 驚いたことに邸宅には使用人達が全員残っていた。執事のケントンに「お帰りなさいませ」と出迎えられてコウジは面食らった。

 ジークがわかっていたようにため息をつきながら「お前達も避難するようにと告げたはずだが」と言えば「旦那様方がいつお帰りになっても良いように、お屋敷を守り整えておくのが、我らが務めにございますから」とケントンが使用人達を代表するかのように答える。

「それに一同、旦那様方を信じておりましたから」

 そう告げられてしまっては、ジークもそうだがコウジもなにも言えなくなってしまう。
 待ってくれている人達がいたのだとコウジは改めて「ただいま」と告げたのだった。
 そして、久々の屋敷のコックの温かな料理に舌鼓をうち、広い風呂にはいって手足を伸ばし、さて、寝ようということになって、コウジはすっかり忘れていたのだが。

 王子様のほうはしっかり覚えていたのだ。

 コウジの手首に吸い付いたり舐めたり吸い付いたり、あげくに噛んだのは……コウジが言ったからか。

「なんだよ! 手首斬ったって、身体はこっちに残ったんだからいいじゃねぇか!」
「あなたの身体の一部でも、あの魔王にくれてやるのは我慢ならない。たとえ髪の毛一本でも」
 「なんだよ、その怖い執着!」と茶化して笑おうとすれば、ジッと剃刀色の瞳がこちらを見つめて言った。

「あなたが傷つくのが嫌だ。それも私の剣で……」
「悪かったよ……」

 泣くかな? と思った。いや、そう滅多には泣かないか。男は人前で涙を見せるもんじゃねぇし……と、コウジはジークの精悍な頬に手をそえて、ちゅっと口づけた。ぐっと抱きしめられて、そのまま合わせが深くなる。

「ん……」

 こくりと混ざり合った唾液を呑み込んで「今日は、最後までさせろよ」と告げて、ガウンの裾をめくろうとしたら、もうその布を持ち上げていた。やっぱり元気だ。若いなぁ……と思う。
 それに相変わらずデカいし長いし太いし、もうこんなぴきぴき? と思いながら口に含んだから、さらにぐんと大きくなったような。いや、わかっているけどさ、どんだけなんだよ。

 頬の粘膜で先っちょを可愛がってやり、舌先でちろちろと浮き出た血管をたどる。唇で扱いて、ぴくんとまた大きくって……また大きくなるの? ……なかなか順調と思っていたら。

「うんっ!?」

 いきなり乳首を摘ままれて、びくりと背がはねた。悪いがそこは王子様に毎日いじくりまくられたせいで立派な性感帯だ。口の中のご立派なモノに歯を立てないように、とっさに離せばぺちんと剛直がまぬけな音を立てて頬をうつ。
 そして、気がつくと身体を引き上げられて、男の膝の上に向かい合わせ抱きあげられていた。

「お前は、本当に待てが出来ない犬…か! あうっ!」

 香油に濡れた手で、立ち上がっていた前をなぞられて、コウジは声をあげた。

「あなたもこんなだ」
「王子様の舐めて勃って悪いか? 毎日、お前に突っ込まれて可愛がられているんだぞ。そりゃ期待して……って……あ、馬鹿! 指突っ込む…な……そこっ……ダメだっ…て……」

 前を撫でられるより、後ろをいじられるほうが感じるってどうなんだ? と思うが、指で弱い場所をひっかかれて、一本じゃたりないと二本、三本と増えれば、自分から腰が揺れるのが止まらない。
 しかも、なぜか今日に限って普通ならとっくに突っ込んでいるだろうにしつこい。なかで指広げるな! 気持ちいいけど! 

 ガウンがひっかかるだけになってる、肩をぱしぱし叩いて「しねぇのかよ!」と言う。

「いいのか? 待てが出来ない犬は嫌いなのだろう?」
「ここで意地悪するな! この襲い狼! お前こそ、指だけで満足出来るのか? さっさと、そのご立派なモノ突っ込みやがれ……っ!」

 指をぬきとられて、すかさず大きなモノが挿入はいってくるのに息を詰めるが、すぐにふう……と吐いて身体の力を抜けば、それに合わせて奥の奥までくる。
 相変わらず強引なんだか優しいんだか。いや、優しいよな……と思っていると。

「あなたのその口の悪さも治らないな」
「お前の待てが出来ないのと同じだよ……あ…っ!」

 ゆるりと動かされてのけぞる。あとはもう単純な動きに身を任せるのみだ。
 一度、ジークがコウジのうちを濡らし、コウジが互いの腹を濡らしたところで、終わることなく抜かず、そのまま、また。

「あ……も、ヤバっ! あがったまんま……戻れね……くそっ!」

 抜かずに何発ヤッたのやら、覚えちゃいない。






 そのまま、一日、二日、寝台の中で過ごした。とはいえ風呂は浴びたけど、これも二人で一緒にそのまま盛り上がって……なんだから、爛れた生活なのは間違いない。
 とはいえ、今度こそ本当に全部終わったんだから、半月ぐらい籠もっていたって……って、これだと本当に身体のほうがなまっちまうか。

「それでどれぐらいここにいるつもりだ? あと一日か? それともあと三日足して五日か?」

 コウジがつぶやくとジークがこちらを見る。
 食事も当然寝台の中で、最後の薔薇色のローストビーフサンドの一口を口の中に押し込んで、ごくりと呑み込む。

「あなたは出たいのか?」
「いや、お前ともうちょっとこうしていたいと思うかな?」

 ジークの裸の胸にぐりっと頭を押しつけると抱き寄せられてキスされた。同じビーフ味のキスって、ムードがなくて笑ってしまう。
 だが、ちょんちょんと唇を重ねるうちに盛り上がって、裸のままの背中を撫でた手が、尻の狭間に指を滑らせてはいりこんでくる。

「濡れてる……」
「あ、だってさっきまで、ヤッてただろう? そのまま挿れたってかまわね……あ……もう、臨戦態勢かよ……硬い……でっけ…ぇ……」

 ほんと、爛れていると思う。



 しかし、このままもう少しと思っていた、それはケントンの控えめなノックの音と、王宮からの呼び出しという言葉に終わりを告げる。



   ◇◆◇ ◆◇◆ ◇◆◇



 身支度をして向かった王宮にて、いつもの王家のサロン。満面の笑顔で出迎えたフィルナンド王に、コウジはちょっと嫌な予感を覚えた。

「余は退位することに決めた。ついては、お前達の結婚式と戴冠式を一緒にやるぞ」





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