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弟
今は、まだ言えない事
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その日の学校のお昼休みに、僕は純から事情を聞いていた。
それによると遥華は、純に何度か電話をかけていたようだ。
電話の内容は主に僕についての事。
どうやら遥華は、僕を探っていたようだ。
しかし昨夜、純との会話中、遥華が僕の悪口を言った事で純が怒鳴ったことで、遥華は不機嫌になり、一方的に電話を切ったそうだ。
要するに、純と遥華の仲は悪化したという事だ。
純の話を聞き終え、僕は安堵しつつ、冷静さを欠いていた自分に対して嫌気がした。
あの時咄嗟に、純が僕の知らないところで、遥華と信頼関係を築いていたと勘繰ってしまった。
遥華が純に連絡を取る事は、想定内だったはずなのに、だ。
なのに純を疑うなんて、なんて浅はかだったんだろうと、自分を咎めた。
「そうだったんだ……。ごめんね、さっきは怒鳴ったりして。」
僕は、純に申し訳なくなり、素直に頭を下げて謝った。
「ああ、俺は別に何とも思ってはないから、大丈夫だ。それよりも、どうして海斗は七瀬さんと喧嘩をしているんだ?」
「それは………その…………。」
言葉が続かなかった。
兄さんを奪おうとする遥華が許せない僕。
僕を完全に悪だとする遥華。
その発端は、僕が兄さんを愛したせい。
なんて、正直に話せるわけがない。
そんな事を話せば、純は遥華の味方をするだろうし、僕を軽蔑するかもしれない。
そうなってしまったら、僕は親友を失ってしまう。
それは絶対にあってはいけない事だった。
「………ごめん、今はまだ、言えない。」
だから今は、こう答えることしかできなかった。
「そうか、分かった。」
それを聞いた純は、僕を問いただすことなく、少し残念そう言った。
それによると遥華は、純に何度か電話をかけていたようだ。
電話の内容は主に僕についての事。
どうやら遥華は、僕を探っていたようだ。
しかし昨夜、純との会話中、遥華が僕の悪口を言った事で純が怒鳴ったことで、遥華は不機嫌になり、一方的に電話を切ったそうだ。
要するに、純と遥華の仲は悪化したという事だ。
純の話を聞き終え、僕は安堵しつつ、冷静さを欠いていた自分に対して嫌気がした。
あの時咄嗟に、純が僕の知らないところで、遥華と信頼関係を築いていたと勘繰ってしまった。
遥華が純に連絡を取る事は、想定内だったはずなのに、だ。
なのに純を疑うなんて、なんて浅はかだったんだろうと、自分を咎めた。
「そうだったんだ……。ごめんね、さっきは怒鳴ったりして。」
僕は、純に申し訳なくなり、素直に頭を下げて謝った。
「ああ、俺は別に何とも思ってはないから、大丈夫だ。それよりも、どうして海斗は七瀬さんと喧嘩をしているんだ?」
「それは………その…………。」
言葉が続かなかった。
兄さんを奪おうとする遥華が許せない僕。
僕を完全に悪だとする遥華。
その発端は、僕が兄さんを愛したせい。
なんて、正直に話せるわけがない。
そんな事を話せば、純は遥華の味方をするだろうし、僕を軽蔑するかもしれない。
そうなってしまったら、僕は親友を失ってしまう。
それは絶対にあってはいけない事だった。
「………ごめん、今はまだ、言えない。」
だから今は、こう答えることしかできなかった。
「そうか、分かった。」
それを聞いた純は、僕を問いただすことなく、少し残念そう言った。
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