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第三章 学園生活
第13話 学園生活(大学部 6)
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大学部4年の新年
毎年父達家族3人は、ハワイで年越しをする。
だが何故か今年は……
「あけましておめでとうございます。本日は、白金家の新年の晩餐にお呼び頂き有難うございます。」
「おぉ!利樹君か。おめでとう。」
「お義父さん。僕と桃花さんの結婚をお許し下さり有難うございます。」
「パパ、ママ。桃花は利くんと幸せになるわ。」
何なの?このやり取り。ん?結婚って言ってた?
へぇ~……桃花と利樹さんがねぇ
「いつもはハワイで年越しをするんだけど、今年は利樹さんも来られるからって、日本で越す事にしたのよ?」
そう言って、チラッと私を見てくる皐月さん。
えぇえぇわかっていますよ。態々日本で年越しをしたのは、桃花の幸せな顔を私に見せつけたいからですよね?皐月さん。
でもお生憎様。どうぞご勝手にとしか思っていませんから。
「それにしても見事ですね!流石白金家のおせち料理だ。フレンチなんですね。」
「そうなのよ。桃花がフレンチがいいって言うものだから。さ、遠慮なさらず利樹さんも召し上がって?最高級のワインも用意してあるの。」
上機嫌な皐月さんの言葉に心の中で嘆息する。
「有難うございます、奥様。」
「あらいやだ。主人には『お義父さん』なのに、私には『奥様』なの?」
「え?……あぁそうですね。僕とした事がうっかりしてました。申し訳ありません、『お義母さん』。」
「キャー。嬉しいわ~。ずっとこんなかっこいい息子が欲しいって思ってたの。」
「それは光栄です。僕達は家族になるんですから、これから何度でも言わせて貰いますよ。お義母さん。」
利樹さんからお義母さんと呼んで貰った事で、益々機嫌が良くなったらしい皐月さんは、ワインをガブ飲みしている。
あ~あ…いいワインってガブ飲みしないんじゃない?
「それにしても…百合香。なんで百合香のおせち料理はフレンチじゃないんだ?」
利樹さんからいきなり話が振られ、思わず長い前髪の下で眉をひそめてしまう。
「利く~ん。あのね~。お義姉様はフレンチが嫌いなんだって~。」
そんな事一言も言ってないけど?桃花さん
「そうなのか?」
確認されても……っていうか、最初から私の分なんて注文してなかっただけじゃない。
私の前には、大貫さんが心を込め手間暇かけて作ってくれた日本のおせち料理が、重箱にぎっしりと色良く詰められていた。
「……」
「まぁ良いじゃないか、利樹君。ソレの事は放っておいて大丈夫だ。」
えぇ。是非そうして下さい。
「はぁ…でも……。桃花さんと結婚したら百合香は僕の義姉さんになるんだから…心配「そうだな。確かにそうだ。しかし心配無用だ。」そうですか…。百合香?」
え?何?急に…。
「百合香…いや、お義姉さん。」
私は利樹さんのお義姉さんと呼ばれて背筋に悪寒が走った。
「お義姉さんは、僕と桃花さんの婚約を喜んでくれるよね?」
「お義姉様は優しいから~。大切な義妹の桃花の結婚だって喜んでくれるに決まってるじゃ~ん。ねぇ?お義姉様~?」
「はい(諸手を挙げて祝福しますって)、おめでとうございます。」
「よかった。有難う、お義姉さん。」
もうキモいから止めて欲しい。折角の大貫さんの美味しいおせち料理が不味くなるじゃない。
私が黙々とお料理を食べ始めた事で、興味を削がれたのか、その後4人で話し始めた彼等の会話がちゃんと録音されているかを確かめるように、ワイヤレスイヤホンを嵌めた左耳に手を当て、目の前のお料理に舌鼓を打った。
毎年父達家族3人は、ハワイで年越しをする。
だが何故か今年は……
「あけましておめでとうございます。本日は、白金家の新年の晩餐にお呼び頂き有難うございます。」
「おぉ!利樹君か。おめでとう。」
「お義父さん。僕と桃花さんの結婚をお許し下さり有難うございます。」
「パパ、ママ。桃花は利くんと幸せになるわ。」
何なの?このやり取り。ん?結婚って言ってた?
へぇ~……桃花と利樹さんがねぇ
「いつもはハワイで年越しをするんだけど、今年は利樹さんも来られるからって、日本で越す事にしたのよ?」
そう言って、チラッと私を見てくる皐月さん。
えぇえぇわかっていますよ。態々日本で年越しをしたのは、桃花の幸せな顔を私に見せつけたいからですよね?皐月さん。
でもお生憎様。どうぞご勝手にとしか思っていませんから。
「それにしても見事ですね!流石白金家のおせち料理だ。フレンチなんですね。」
「そうなのよ。桃花がフレンチがいいって言うものだから。さ、遠慮なさらず利樹さんも召し上がって?最高級のワインも用意してあるの。」
上機嫌な皐月さんの言葉に心の中で嘆息する。
「有難うございます、奥様。」
「あらいやだ。主人には『お義父さん』なのに、私には『奥様』なの?」
「え?……あぁそうですね。僕とした事がうっかりしてました。申し訳ありません、『お義母さん』。」
「キャー。嬉しいわ~。ずっとこんなかっこいい息子が欲しいって思ってたの。」
「それは光栄です。僕達は家族になるんですから、これから何度でも言わせて貰いますよ。お義母さん。」
利樹さんからお義母さんと呼んで貰った事で、益々機嫌が良くなったらしい皐月さんは、ワインをガブ飲みしている。
あ~あ…いいワインってガブ飲みしないんじゃない?
「それにしても…百合香。なんで百合香のおせち料理はフレンチじゃないんだ?」
利樹さんからいきなり話が振られ、思わず長い前髪の下で眉をひそめてしまう。
「利く~ん。あのね~。お義姉様はフレンチが嫌いなんだって~。」
そんな事一言も言ってないけど?桃花さん
「そうなのか?」
確認されても……っていうか、最初から私の分なんて注文してなかっただけじゃない。
私の前には、大貫さんが心を込め手間暇かけて作ってくれた日本のおせち料理が、重箱にぎっしりと色良く詰められていた。
「……」
「まぁ良いじゃないか、利樹君。ソレの事は放っておいて大丈夫だ。」
えぇ。是非そうして下さい。
「はぁ…でも……。桃花さんと結婚したら百合香は僕の義姉さんになるんだから…心配「そうだな。確かにそうだ。しかし心配無用だ。」そうですか…。百合香?」
え?何?急に…。
「百合香…いや、お義姉さん。」
私は利樹さんのお義姉さんと呼ばれて背筋に悪寒が走った。
「お義姉さんは、僕と桃花さんの婚約を喜んでくれるよね?」
「お義姉様は優しいから~。大切な義妹の桃花の結婚だって喜んでくれるに決まってるじゃ~ん。ねぇ?お義姉様~?」
「はい(諸手を挙げて祝福しますって)、おめでとうございます。」
「よかった。有難う、お義姉さん。」
もうキモいから止めて欲しい。折角の大貫さんの美味しいおせち料理が不味くなるじゃない。
私が黙々とお料理を食べ始めた事で、興味を削がれたのか、その後4人で話し始めた彼等の会話がちゃんと録音されているかを確かめるように、ワイヤレスイヤホンを嵌めた左耳に手を当て、目の前のお料理に舌鼓を打った。
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