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機械世界
第五話
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「ん、ここは・・・」
見覚えがある、前にも夢で見た光景だ。
不意に腕を見る。
腕に書いたメッセージが残っていた。
「夢・・・じゃない?」
「確か前きた時は、仲村が話しかけてきて、詳しく話を聞こうとしたらどこかに行ったはず・・・今回こそは何か聞き出さなければ」
俺はベッドから起き上がるとドアから廊下に出た。
この場所は一体なんだろうか、そして俺は何故、仲村とこんなところで暮らしているのだろうか。
そんな事を考えていると、今の自分が本当に自分なのかとても不安になってきた。
手にメモが残っているため、自分以外の体ということはないと思うしそう信じたかったが、正直今起こっている出来事全てがありえない話すぎて自分の体すら信用できない。
「鏡なんかがあれば確認できるな」
俺は手当たり次第に鏡のありそうな場所を探した。
そうして歩き回っていると、トイレを見つけたので俺はここなら鏡があると思い向かった。
「よかった、俺だ・・・」
鏡が映しているのは紛れもない自分の顔だった。
しかし、どこか老けたような、ものすごく疲れて絶望しているような表情に見えた。
沿っているはずの髭もボサボサで、髪もかなり伸びている。
自分であることは間違いないのだが、所々違う、変な言い方をすれば今見ているこの謎の世界にはマッチしているような見た目であった。
「お、目を覚ましてたのか」
突然後ろから話しかけられる。
仲村だ、奇跡的な遭遇とも言えるが俺は驚きのあまり声を出してしまった。
「なんだよそんなにびっくりして、それにしてもどうした?鏡で自分の顔をジロジロ見回して」
「いや、なんでもない」
「そうか?いつもと口調も違うような・・・」
中村は一人で考え込んだような表情になると、いきなり興奮気味な声で質問をしてきた。
「おまえ、まさか」
「別の世界から来たのか?」
正直驚いた。
別の世界という単語と、仲村がそれを見破っているという二つの事実で。
「別の、世界?お前は何か知ってるのか?」
俺は中村に尋ねる。
「あぁ、お前よりかは情報を持ってる」
「少し長くなるが話に付き合え、質問は全部聞いてからにしろ」
そう言うと、仲村は平凡な世界で生きてきた俺には想像もつかないような話を事実として俺に語り始めた。
「・・・というわけだ」
「なるほど・・・」
正直スケールの大きい話すぎて納得して聞ける部分などほぼなかった。
しかし、ここ最近起こっている現象に理由をつけるには、これくらいのスケールの話でないといけないことも同時に理解していた。
「何か質問はあるか?」
「正直掘り下げようとしても掘り下げきれないくらい謎は多いが、自分以外にもたくさんのパターンを持った世界が存在して、それぞれの世界のおれたちが混合してしまって今はこの世界に合流してるってことなんだな?」
「まぁ、ざっくり言うとそう言うことだ」
「だが、途中でこの世界のお前が戻ったようにお前も長い間はここで活動することはできないだろう」
「また入れ替わった後に記憶が無くならないように体にある程度のことを書き込ませてもらうぞ」
「あぁ、わかった」
そう言うと、仲村は俺の腕にいくつもの並行世界が存在し、今自分たちが何かしらの原因で混合し始めていると言う事を書いた。
「おい、仲村、何してるんだ?」
「ん、何ってお前が忘れないように腕に文字を・・・まさか、戻ったのか?」
「戻った・・・なるほど、別の世界の俺がこの世界に合流したのか」
「もう少しだけ持って欲しかった、一応書きたいことは全部書くが、次あいつが起きた時にどこまで反映されるかわからん」
「まぁ、それはその時次第だな」
仲村は一応で俺の体にメモを全部書き記した。
その後は今起こったことについて話すために二人で食堂に向かった。
「なるほど、一応現象の前兆的なものは前からあいつにも起こっていて、それが今俺たちのように分かりやすく発現し始めたと言うことか」
「そういうことになるな、しかし聞いたところあいつの世界の俺は昏睡状態じゃないらしい」
「それは俺も調べたが、あいつの世界の仲村は普通に暮らしているようだった」
「ますますわかりづらくなったな」
「あぁ、これで今混合している世界は三つだからな」
「昏睡している俺の世界とこの世界がなんらかの理由でリンクしたのではなく、どの世界も等しくこの現象の影響を受けてると考えるのがいいようだな」
「そう考えるのが普通だろうな」
「また振り出しだ、どうやって解決の糸口を探せばいいのか全くわからなくなってしまった」
仲村は落胆した口調で言う。
「そんなに落ちこともないぞ仲村」
「特定の世界同士でしか繋がれないわけでないことがあいつのおかげでわかったからな」
「今後色々調べていけば、別の世界に合流することも可能かもしれないし、もしかしたらまぐれでもまた別の世界に飛んで、そこからヒントを得れるかもしれないんだからな」
「まぁ、確かにそうだよな、ポジディブに捉えた方がいいな」
「今はさらに別の世界への移動もしくは、新たな世界からの漂着者に期待をしよう」
「それに、別の世界から来た新しいお前の世界にヒントがあるかもしれない」
「その意気だ、何か進捗があるまでこの世界での仕事をきっちりこなそう」
「よし、そうと決まれば食うぞ」
「あぁ」
見覚えがある、前にも夢で見た光景だ。
不意に腕を見る。
腕に書いたメッセージが残っていた。
「夢・・・じゃない?」
「確か前きた時は、仲村が話しかけてきて、詳しく話を聞こうとしたらどこかに行ったはず・・・今回こそは何か聞き出さなければ」
俺はベッドから起き上がるとドアから廊下に出た。
この場所は一体なんだろうか、そして俺は何故、仲村とこんなところで暮らしているのだろうか。
そんな事を考えていると、今の自分が本当に自分なのかとても不安になってきた。
手にメモが残っているため、自分以外の体ということはないと思うしそう信じたかったが、正直今起こっている出来事全てがありえない話すぎて自分の体すら信用できない。
「鏡なんかがあれば確認できるな」
俺は手当たり次第に鏡のありそうな場所を探した。
そうして歩き回っていると、トイレを見つけたので俺はここなら鏡があると思い向かった。
「よかった、俺だ・・・」
鏡が映しているのは紛れもない自分の顔だった。
しかし、どこか老けたような、ものすごく疲れて絶望しているような表情に見えた。
沿っているはずの髭もボサボサで、髪もかなり伸びている。
自分であることは間違いないのだが、所々違う、変な言い方をすれば今見ているこの謎の世界にはマッチしているような見た目であった。
「お、目を覚ましてたのか」
突然後ろから話しかけられる。
仲村だ、奇跡的な遭遇とも言えるが俺は驚きのあまり声を出してしまった。
「なんだよそんなにびっくりして、それにしてもどうした?鏡で自分の顔をジロジロ見回して」
「いや、なんでもない」
「そうか?いつもと口調も違うような・・・」
中村は一人で考え込んだような表情になると、いきなり興奮気味な声で質問をしてきた。
「おまえ、まさか」
「別の世界から来たのか?」
正直驚いた。
別の世界という単語と、仲村がそれを見破っているという二つの事実で。
「別の、世界?お前は何か知ってるのか?」
俺は中村に尋ねる。
「あぁ、お前よりかは情報を持ってる」
「少し長くなるが話に付き合え、質問は全部聞いてからにしろ」
そう言うと、仲村は平凡な世界で生きてきた俺には想像もつかないような話を事実として俺に語り始めた。
「・・・というわけだ」
「なるほど・・・」
正直スケールの大きい話すぎて納得して聞ける部分などほぼなかった。
しかし、ここ最近起こっている現象に理由をつけるには、これくらいのスケールの話でないといけないことも同時に理解していた。
「何か質問はあるか?」
「正直掘り下げようとしても掘り下げきれないくらい謎は多いが、自分以外にもたくさんのパターンを持った世界が存在して、それぞれの世界のおれたちが混合してしまって今はこの世界に合流してるってことなんだな?」
「まぁ、ざっくり言うとそう言うことだ」
「だが、途中でこの世界のお前が戻ったようにお前も長い間はここで活動することはできないだろう」
「また入れ替わった後に記憶が無くならないように体にある程度のことを書き込ませてもらうぞ」
「あぁ、わかった」
そう言うと、仲村は俺の腕にいくつもの並行世界が存在し、今自分たちが何かしらの原因で混合し始めていると言う事を書いた。
「おい、仲村、何してるんだ?」
「ん、何ってお前が忘れないように腕に文字を・・・まさか、戻ったのか?」
「戻った・・・なるほど、別の世界の俺がこの世界に合流したのか」
「もう少しだけ持って欲しかった、一応書きたいことは全部書くが、次あいつが起きた時にどこまで反映されるかわからん」
「まぁ、それはその時次第だな」
仲村は一応で俺の体にメモを全部書き記した。
その後は今起こったことについて話すために二人で食堂に向かった。
「なるほど、一応現象の前兆的なものは前からあいつにも起こっていて、それが今俺たちのように分かりやすく発現し始めたと言うことか」
「そういうことになるな、しかし聞いたところあいつの世界の俺は昏睡状態じゃないらしい」
「それは俺も調べたが、あいつの世界の仲村は普通に暮らしているようだった」
「ますますわかりづらくなったな」
「あぁ、これで今混合している世界は三つだからな」
「昏睡している俺の世界とこの世界がなんらかの理由でリンクしたのではなく、どの世界も等しくこの現象の影響を受けてると考えるのがいいようだな」
「そう考えるのが普通だろうな」
「また振り出しだ、どうやって解決の糸口を探せばいいのか全くわからなくなってしまった」
仲村は落胆した口調で言う。
「そんなに落ちこともないぞ仲村」
「特定の世界同士でしか繋がれないわけでないことがあいつのおかげでわかったからな」
「今後色々調べていけば、別の世界に合流することも可能かもしれないし、もしかしたらまぐれでもまた別の世界に飛んで、そこからヒントを得れるかもしれないんだからな」
「まぁ、確かにそうだよな、ポジディブに捉えた方がいいな」
「今はさらに別の世界への移動もしくは、新たな世界からの漂着者に期待をしよう」
「それに、別の世界から来た新しいお前の世界にヒントがあるかもしれない」
「その意気だ、何か進捗があるまでこの世界での仕事をきっちりこなそう」
「よし、そうと決まれば食うぞ」
「あぁ」
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