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始動編
計画始動
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変異種育成計画が、いつの間にか『ふれあい小型幻獣園』へとシフトチェンジしたのは、
動物好き職員が案外多くいたこととだが、レナードさんが街中でのトラブルで小型変異種の幼獣を数匹引き取り、魔性植物園に相談に来た時が始まりだった。
研究者は研究するためなら寝食を削ってでも惜しいとは思わない人種だ。
それが仕事で大好きな小動物(小型幻獣)を育てつつ、新しい研究のテーマも同時に叶うとあって、一部の職員が暴走した結果とも言える。
元々動物好きな職員が自ら手を挙げて、植物園でも検証したいと我儘を言い出した。
予算がないせいで新しい研究が出来ないのに、変異種の幼体をもらい受ける費用をどうやって捻出するんだと一蹴したところに、タイミング良く変異種の幼体達がやって来た。
それを聞いた職員達は普段とは違う行動力で、作業中でどうしても手が離せない者以外が、応接室の隣りの大会議室に集合した。
レナードさんが帰る頃には何故か休みのはずの職員までいた。
諸事情の問題で、狼犬の変異種兄弟は見送ることになったが、犬好きの職員の失望具合に残りの職員が引いた。
狼犬達はレナードさんが当面の間は育て、環境が整った時に魔性植物園が引き受けられるか決めることになった。
部下達は研究者としては優秀だが、レナードさんのように幻獣使いでもなく、動物や魔獣などと意思疎通を可能とする従魔術などを取得していないことも、現状では引き受けられない要因だった。
他の小型種は元の種族が植物や果実を主食としていたので引き受けることに決まったが、その後が大変だった。
誰が担当するかで揉めに揉めたのだ。
専門の担当者を作らず当番制にすることで収まったのは、今後も増える可能性を指摘した者がいたから。
直ぐに飼育のルールを作る班
当番制のルール等を決める班
飼育の方法を調べる班
飼育場所を決める班
に分かれ、ジャンケンで勝ち残った今日の臨時世話係3名だけが食堂へ幼体達を抱えて出ていった。
凄まじい集中力でそれぞれが作業を終えて再び会議室に集合したのは、4時間後のことだった。
リス系魔物と小型のリス猿系魔物が1班
小鳥系魔物3羽が2班
3班はフォロー班と決まる。
1班と2班が日々の世話係で、所属員でローテーションで回す。
3班は両方と関わりたい者が主に体調が悪い時の世話全般を、
毎日の世話は無理だという者が遊び相手や幻獣関連の買い出しなどの世話の手が足りてないところのフォローを引き受ける。
動物も子供も苦手という職員は除外してある。
始めて動物を扱う者も多く、1班は小型動物の従魔士のところに通い、2班は伝書屋で小鳥の世話の勉強に通った。
植物園の研究者が本業なのに、変異種の世話のが時間を使っているという者もいた。
ようやく容態が落ち着いた頃には世話の仕方も上手くなり、本業にも良い影響が出るようになって来た。
元々地道な作業と成果が出るのに時間がかかり、モチベーションを保つのが難しく腐りかけることがあったのが、小動物達の世話でその成長が見られることで減った。
研究のためとはいえ、実際には研究に関係ない作業も意外と多かった。
せっかく育てても、安全性が高く人族が食べられる果実だけは研究費確保のため売れていたが、他は廃棄処分するしかなかった。
高い所の見逃しがちな果実や、病気や害虫被害も見つけるのが困難だったし、見逃せばせっかくの植物を失う可能性もある。
種類によっては魔素が溜まりやすく、定期的に魔道具で集めて、空の魔石へ注入しないと、魔虫や小型の魔物が発生してしまい、それらが植物達に悪影響を与える。
それが変異種の幼体達が来てからは激変する。
人族が嫌う酸味が強い物や収穫してから傷みやすくタイミングが合わなければ破棄していた物など、有効に利用出来るようになったので品質管理にも力が入る。
元気の良い子達が高いところの実や魔虫などを取って来てくれるようになり、チェックする箇所が大幅に減った。
このようにメリットが次々に明らかになると、はじめは渋っていた上層部も首を立てに振らざるおえなくなり、着々と『変異種育成計画』が本格始動を開始した。
のちに暴走した一部の職員が、研究のためには変異種の子達と意思疎通をはかる必要があると主張して、業務の一環として従魔術を習い始めた。
本当の理由は幻獣や変異種達と会話がしたかっただけであることは、暗黙の了解として関係各所は沈黙をした。
動物好き職員が案外多くいたこととだが、レナードさんが街中でのトラブルで小型変異種の幼獣を数匹引き取り、魔性植物園に相談に来た時が始まりだった。
研究者は研究するためなら寝食を削ってでも惜しいとは思わない人種だ。
それが仕事で大好きな小動物(小型幻獣)を育てつつ、新しい研究のテーマも同時に叶うとあって、一部の職員が暴走した結果とも言える。
元々動物好きな職員が自ら手を挙げて、植物園でも検証したいと我儘を言い出した。
予算がないせいで新しい研究が出来ないのに、変異種の幼体をもらい受ける費用をどうやって捻出するんだと一蹴したところに、タイミング良く変異種の幼体達がやって来た。
それを聞いた職員達は普段とは違う行動力で、作業中でどうしても手が離せない者以外が、応接室の隣りの大会議室に集合した。
レナードさんが帰る頃には何故か休みのはずの職員までいた。
諸事情の問題で、狼犬の変異種兄弟は見送ることになったが、犬好きの職員の失望具合に残りの職員が引いた。
狼犬達はレナードさんが当面の間は育て、環境が整った時に魔性植物園が引き受けられるか決めることになった。
部下達は研究者としては優秀だが、レナードさんのように幻獣使いでもなく、動物や魔獣などと意思疎通を可能とする従魔術などを取得していないことも、現状では引き受けられない要因だった。
他の小型種は元の種族が植物や果実を主食としていたので引き受けることに決まったが、その後が大変だった。
誰が担当するかで揉めに揉めたのだ。
専門の担当者を作らず当番制にすることで収まったのは、今後も増える可能性を指摘した者がいたから。
直ぐに飼育のルールを作る班
当番制のルール等を決める班
飼育の方法を調べる班
飼育場所を決める班
に分かれ、ジャンケンで勝ち残った今日の臨時世話係3名だけが食堂へ幼体達を抱えて出ていった。
凄まじい集中力でそれぞれが作業を終えて再び会議室に集合したのは、4時間後のことだった。
リス系魔物と小型のリス猿系魔物が1班
小鳥系魔物3羽が2班
3班はフォロー班と決まる。
1班と2班が日々の世話係で、所属員でローテーションで回す。
3班は両方と関わりたい者が主に体調が悪い時の世話全般を、
毎日の世話は無理だという者が遊び相手や幻獣関連の買い出しなどの世話の手が足りてないところのフォローを引き受ける。
動物も子供も苦手という職員は除外してある。
始めて動物を扱う者も多く、1班は小型動物の従魔士のところに通い、2班は伝書屋で小鳥の世話の勉強に通った。
植物園の研究者が本業なのに、変異種の世話のが時間を使っているという者もいた。
ようやく容態が落ち着いた頃には世話の仕方も上手くなり、本業にも良い影響が出るようになって来た。
元々地道な作業と成果が出るのに時間がかかり、モチベーションを保つのが難しく腐りかけることがあったのが、小動物達の世話でその成長が見られることで減った。
研究のためとはいえ、実際には研究に関係ない作業も意外と多かった。
せっかく育てても、安全性が高く人族が食べられる果実だけは研究費確保のため売れていたが、他は廃棄処分するしかなかった。
高い所の見逃しがちな果実や、病気や害虫被害も見つけるのが困難だったし、見逃せばせっかくの植物を失う可能性もある。
種類によっては魔素が溜まりやすく、定期的に魔道具で集めて、空の魔石へ注入しないと、魔虫や小型の魔物が発生してしまい、それらが植物達に悪影響を与える。
それが変異種の幼体達が来てからは激変する。
人族が嫌う酸味が強い物や収穫してから傷みやすくタイミングが合わなければ破棄していた物など、有効に利用出来るようになったので品質管理にも力が入る。
元気の良い子達が高いところの実や魔虫などを取って来てくれるようになり、チェックする箇所が大幅に減った。
このようにメリットが次々に明らかになると、はじめは渋っていた上層部も首を立てに振らざるおえなくなり、着々と『変異種育成計画』が本格始動を開始した。
のちに暴走した一部の職員が、研究のためには変異種の子達と意思疎通をはかる必要があると主張して、業務の一環として従魔術を習い始めた。
本当の理由は幻獣や変異種達と会話がしたかっただけであることは、暗黙の了解として関係各所は沈黙をした。
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