44 / 87
痴漢退治9
しおりを挟む
ソラを着替えさせた後、なぜか私とソラは正座をさせられていました。
「キララさん、ソラ君! 年頃の男女が着せ替えっこなんかしちゃダメでしょう!」
おっぱいお化けによるお説教です。
顔を真っ赤にして怒っています。
「ご、ごめんなさい」
ソラが縮こまって謝ります。
でも、ソラは悪くありません。
そして、私も悪くありません。
「ソラ、謝ることないわよ。着せ替えっこなんて、いつもやっていることでしょ」
「もう! キララさん!」
ちなみに、私は身体に布を巻き付けた姿のままです。
ちょっと、肌寒くなってきました。
私はお説教を遮って、そのことを主張することにします。
「あの……」
「反省した?」
「ノーパンは寒いので、そろそろ服を着たいです」
「!? は、早く着て!」
自分からお説教を始めておいて、この言い草です。
おっぱいお化けは自分勝手です。
でも、肌寒いので、文句は言わずに、着替えを優先することにします。
*****
「えっと、キララちゃん……ソレは?」
ソレというのは、私が着た衣装のことでしょう。
私はポーズを決めながら答えます。
「愛と正義のマジカル☆キララです♪」
完璧に近いポーズが決まりました。
ステッキを持ってきていないのが残念です。
そういえば、勢いに乗って魔女っ子(代理)としての二つ名を名乗ってしまいました。
これでは正体がバレてしまいます。
…………
まあ、今さらでしょう。
部活の皆さんにはお花見のときに魔女っ子衣装を披露しています。
あのときと衣装は違いますが、私が魔女っ子(代理)であることは、薄々察しているはずです。
でも、念のためにお願いしておくことにします。
「私の正体は秘密にしておいてください」
「……うん、わかった。そんな、恥ず……いえ、可愛い衣装を着ているなんて知られたら、変な人が寄ってくるかも知れないものね」
秘密にしておいて欲しかったのは衣装ではなく魔女っ子であることなのですが、たぶん大丈夫でしょう。
痴漢の被害にあったことを真剣に心配する部活の皆さんなら、言いふらすようなことはしないはずです。
なにはともあれ、これで私とソラの着替えは終わりました。
残るはソラのお化粧です。
私は自分の鞄から化粧道具を取り出します。
女の子、あるいは、男の娘のお化粧には時間がかかります。
お化粧が終わる頃には、普段、部活が終わるくらいの時間になるでしょう。
時間帯としては通勤ラッシュのタイミングです。
つまり、電車に乗れば問題の痴漢が出る可能性があるということです。
「ソラのお化粧が終わったら、おとり捜査をしつつ今日は帰りますね。痴漢が出なかったら、明日の朝も同じようにしようと思います」
「ええ!?」
私がソラのお化粧をしながら、この後の予定を言うと、なぜか驚いた声が上がりました。
思わず、手を止めて振り返ります。
「その服で電車に乗るつもり!?」
「? そのつもりもなにも、そのために着替えたのですけど」
「そ、それはそうだけど……」
どうしたというのでしょう。
なぜ驚いているのか、理由がわかりません。
もしかして、正体がバレることを心配してくれているのでしょうか。
でも、心配はいりません。
私には『地上波で現れる不自然に多い湯気』があります。
正体がバレそうになったら、アレを散布して逃げようと思います。
満員電車で散布したら大惨事になりそうな気もしますが、魔女っ子の正体がバレるよりはマシです。
魔女っ子の正体は、なによりも優先されるのです。
正体がバレるのは、仲間が増えるときか、最終回のときだけなのです。
それが世界の真理なのです。
「大丈夫です。魔女っ子の正体はバレないものですから」
私は心配する部長に、世界の真理を教えて上げます。
すると、部長は困ったような顔をして言ってきました。
「うーん、そういうことじゃないんだけど……まあ、キララちゃんがかまわないなら、いいか。それに、その服なら痴漢が寄ってきそうだから、おとり役としては充分だしね」
「あの、おとり役はソラなんですけど」
「ソラ君も可愛いわよ」
おかしいです。
いつの間にか、私もおとり役になっています。
私には疑似魔法があるので痴漢くらいは撃退できますが、もともとはか弱い女子におとり役をさせるのを避けたいからと、ソラ子の出番になったはずです。
普段は私もか弱い女子です。
これはやはり、魔女っ子としての正体がバレているのでしょう。
秘密を守ってくれるという言葉を信じるしかありません。
そんな会話をしながら手を進めていると、お化粧が終わりました。
「はい、できあがり」
「できたの?」
「ええ、とっておきの美少女にしてあげたわよ」
ソラ子の再誕です。
「キララさん、ソラ君! 年頃の男女が着せ替えっこなんかしちゃダメでしょう!」
おっぱいお化けによるお説教です。
顔を真っ赤にして怒っています。
「ご、ごめんなさい」
ソラが縮こまって謝ります。
でも、ソラは悪くありません。
そして、私も悪くありません。
「ソラ、謝ることないわよ。着せ替えっこなんて、いつもやっていることでしょ」
「もう! キララさん!」
ちなみに、私は身体に布を巻き付けた姿のままです。
ちょっと、肌寒くなってきました。
私はお説教を遮って、そのことを主張することにします。
「あの……」
「反省した?」
「ノーパンは寒いので、そろそろ服を着たいです」
「!? は、早く着て!」
自分からお説教を始めておいて、この言い草です。
おっぱいお化けは自分勝手です。
でも、肌寒いので、文句は言わずに、着替えを優先することにします。
*****
「えっと、キララちゃん……ソレは?」
ソレというのは、私が着た衣装のことでしょう。
私はポーズを決めながら答えます。
「愛と正義のマジカル☆キララです♪」
完璧に近いポーズが決まりました。
ステッキを持ってきていないのが残念です。
そういえば、勢いに乗って魔女っ子(代理)としての二つ名を名乗ってしまいました。
これでは正体がバレてしまいます。
…………
まあ、今さらでしょう。
部活の皆さんにはお花見のときに魔女っ子衣装を披露しています。
あのときと衣装は違いますが、私が魔女っ子(代理)であることは、薄々察しているはずです。
でも、念のためにお願いしておくことにします。
「私の正体は秘密にしておいてください」
「……うん、わかった。そんな、恥ず……いえ、可愛い衣装を着ているなんて知られたら、変な人が寄ってくるかも知れないものね」
秘密にしておいて欲しかったのは衣装ではなく魔女っ子であることなのですが、たぶん大丈夫でしょう。
痴漢の被害にあったことを真剣に心配する部活の皆さんなら、言いふらすようなことはしないはずです。
なにはともあれ、これで私とソラの着替えは終わりました。
残るはソラのお化粧です。
私は自分の鞄から化粧道具を取り出します。
女の子、あるいは、男の娘のお化粧には時間がかかります。
お化粧が終わる頃には、普段、部活が終わるくらいの時間になるでしょう。
時間帯としては通勤ラッシュのタイミングです。
つまり、電車に乗れば問題の痴漢が出る可能性があるということです。
「ソラのお化粧が終わったら、おとり捜査をしつつ今日は帰りますね。痴漢が出なかったら、明日の朝も同じようにしようと思います」
「ええ!?」
私がソラのお化粧をしながら、この後の予定を言うと、なぜか驚いた声が上がりました。
思わず、手を止めて振り返ります。
「その服で電車に乗るつもり!?」
「? そのつもりもなにも、そのために着替えたのですけど」
「そ、それはそうだけど……」
どうしたというのでしょう。
なぜ驚いているのか、理由がわかりません。
もしかして、正体がバレることを心配してくれているのでしょうか。
でも、心配はいりません。
私には『地上波で現れる不自然に多い湯気』があります。
正体がバレそうになったら、アレを散布して逃げようと思います。
満員電車で散布したら大惨事になりそうな気もしますが、魔女っ子の正体がバレるよりはマシです。
魔女っ子の正体は、なによりも優先されるのです。
正体がバレるのは、仲間が増えるときか、最終回のときだけなのです。
それが世界の真理なのです。
「大丈夫です。魔女っ子の正体はバレないものですから」
私は心配する部長に、世界の真理を教えて上げます。
すると、部長は困ったような顔をして言ってきました。
「うーん、そういうことじゃないんだけど……まあ、キララちゃんがかまわないなら、いいか。それに、その服なら痴漢が寄ってきそうだから、おとり役としては充分だしね」
「あの、おとり役はソラなんですけど」
「ソラ君も可愛いわよ」
おかしいです。
いつの間にか、私もおとり役になっています。
私には疑似魔法があるので痴漢くらいは撃退できますが、もともとはか弱い女子におとり役をさせるのを避けたいからと、ソラ子の出番になったはずです。
普段は私もか弱い女子です。
これはやはり、魔女っ子としての正体がバレているのでしょう。
秘密を守ってくれるという言葉を信じるしかありません。
そんな会話をしながら手を進めていると、お化粧が終わりました。
「はい、できあがり」
「できたの?」
「ええ、とっておきの美少女にしてあげたわよ」
ソラ子の再誕です。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる