【完結済】『咲いた花、そして空の鳥へ捧ぐ物語』

譚月遊生季

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序章 その物語について

0-7. note-Palomarita

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・あいつは本当はいいやつで、誰よりも真剣に色々してくれて、後、笑うと結構可愛くて……ってお前何書き留めてんだよ!?
(旅芸人に渡された語録より)



 これは、私の自己満足でしかない。
 何一つ守れなかったと、今でも思っている。
 カーク・パロマリタの真実も、蛇足だろうが書き加えることにしよう。

 愛すべき友人達のために。これから咲く花と、飛ぶ前の鳥達のーーまだ見ぬ子供や、未来ある若者達のために。

 これも、私の目にした真実である。
 諸事情により、虚構も多い。ただ、これだけは知っていただきたい。登場人物は実在しているか、実在していた人物である、と。



 ***



 草稿には「没」と書かれていたが、紛れ込んでしまったらしい。

 落丁、乱丁は勘弁して欲しいものだが……こうなると、悪いことばかりでもない。
 この記述により、明らかになったんだよ。

 この物語における「真実」とは、どういう意味か。
 ……今、ここで言ってしまうのは野暮だね。ボクの話を聞きながら、じっくり考えて欲しい。
 彼らは、何を真実と呼んだのだろう?
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